近畿日本鉄道の企業研究

今回ご紹介するのは、大阪、名古屋などの主な都市から広範囲に路線を延ばしている鉄道が有名な近畿日本鉄道。

この記事を読んでいる方の中には、近畿日本鉄道への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、近畿日本鉄道の経営理念や同じ鉄道業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある鉄道業界の会社の中で、なぜ近畿日本鉄道なのか？」という質問への対策を考えましょう。


近畿日本鉄道について深く知るために、まずは近畿日本鉄道の経営理念を確認しましょう。そこから近畿日本鉄道が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

近畿日本鉄道の企業理念は、以下の通り。
『「いつも」を支え、「いつも以上」を創ります。わたしたちは、誠実な企業活動により、暮らしの安心を支えます。わたしたちは、果敢な挑戦により、新たな価値を創出します。わたしたちは、多様な人々との協働により、社会に貢献します。』
（ホームページより引用）

ここから分かるポイントは、冒頭部分のの「いつも」を支え、「いつも以上」を創るという点。
「いつもを支える」ということはつまり、何か特別なことが起こらない平穏な状態をサポートするということです。鉄道であれば、時間の遅れや故障などのアクシデントを起こさないようにする、そのためにはアクシデントを予測できる力とそれを防止する努力が必要となってきます。そして「いつも以上を創る」という部分からは、ただ毎日同じ日常の繰り返しではなく、プラスの価値を生み出していこうという意欲が感じられます。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の三点です。

• 予測、推測能力
• チャレンジ精神
• 他人のために奉仕する精神

次に、鉄道業界における近畿日本鉄道と競合会社と比較してみましょう。
近畿日本鉄道の競合といえば、阪急阪神ホールディングスが挙げられます。
近畿日本鉄道と阪急阪神ホールディングスはどのように違うのでしょうか。

近畿日本鉄道は、鉄道事業以外にレジャー、流通、不動産、コンビニエンスストア等の経営、ホテルの経営、スポーツおよび文化施設の経営、電気通信事業、有線放送事業等情報サービス業など多くの事業を手がけています。一方、阪急阪神ホールディングスも事業内容としては、鉄道以外に、不動産、ホテル、レジャー、流通など多岐に及んでいます。

次に経営状況を見てみましょう。阪急阪神ホールディングスの売上高は6791億円、経常利益は811億円、当期純利益は463億円（平成26年3月31日現在）となっています。これに比べて近畿日本鉄道の売上高は12463億円で、私鉄売上高上位にランクインしています。経常利益は468億円、当期純利益は245億円となっています。阪急阪神ホールディングスの過去3年間の当期純利益を見ると安定的に増加してきています。

近畿日本鉄道は、過去1年で売上高、当期純利益を大きく伸ばしました。この原因には、不動産事業でマンション販売が好調だったことや流通事業が伸びたことなどがあります。また「あべのハルカス」が開業し、沿線にある伊勢神宮の「式年遷宮」などによる観光客増加も、収益増加の大きな要因と見られています。このようなことから、近畿日本鉄道の乗客数は前期比1.7％アップの5億7400万人となりましたが、乗客数が前期を上回るのは、22年ぶりのことであるため近畿日本鉄道は、今後も継続して安定した数値を維持できるかどうかが、業界シェアを確保できるかどうかにつながっていくでしょう。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
鉄道業界にとって、国内の人口減少は大きな課題となってきていますが、北陸新幹線や東海道新幹線の最高速度引き上げ、東京オリンピックの開催など、収益拡大に寄与するような明るい話題が多くなっています。そして、各社でもいろいろな取り組みが計画されています。JRでは、海外の鉄道プロジェクトへの取り組みも進めていることから、今後の海外展開にも期待できるといえるでしょう。

その一方、鉄道の安全管理や対策については、大きな課題となっています。車両や線路設備のトラブルなどの事故や不祥事は多々発生しており、各社の取り組みについて関心が高まっています。今後は更にこの安全管理、対策についての取り組みを強化していく必要があると想われます。

また、安全管理、対策面では、自然災害への対策もしていかなければならないでしょう。被災後の復旧活動はもちろんのこと、最近発生している集中豪雨や火山活動などの自然災害への早期取り組みも望まれます。

ここまで近畿日本鉄道についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。