小野薬品工業の企業研究

今回ご紹介するのは、独自の開発・販売体制により高い利益率を誇ることで有名な小野薬品工業。

この記事を読んでいる方の中には、小野薬品工業への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、小野薬品工業の経営理念や同じ製薬業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある製薬会社の中で、なぜ小野薬品工業なのか？」という質問への対策を考えましょう。


小野薬品工業について深く知るために、まずは小野薬品工業の経営理念を確認しましょう。そこから小野薬品工業が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

小野薬品工業の企業理念は、以下の通り。
『病気と苦痛に対する人間の闘いのために』
（小野薬品工業「ミッションステートメント」より引用）

ここから分かるポイントは、「全力で挑戦する使命」の1点。
小野薬品工業は、創業より約300年の歴史から培った技術とノウハウを活かし、独創的新薬の創製に努め続けてきました。過去にない革新的な医薬品を届ける強い気持ちを持ち、全力で挑戦することを使命としています。求める人物像は、社交的で使命感・倫理感のある人。チームとして戦える協調性を備え、最後まで諦めない人を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• チームで取組み達成したこと、その中での困難や挫折の経験
• 壁に直面した時の打開策、乗り越えて達成した目標
• 自分の強み、それを活かし成功したこと、克服すべき弱み

次に、製薬業界における小野薬品工業と競合会社と比較してみましょう。
小野薬品工業の競合といえば、参天製薬が挙げられます。
小野薬品工業と参天製薬はどのように違うのでしょうか。

小野薬品工業の事業内容は、医療用医薬品を主体とする各種医薬品の研究・開発・製造・仕入・販売。創業300年を超える歴史からくる技術とノウハウが活かされた事業は、高利益率体制であることで知られています。強みとするのは自社開発製品。研究においては創薬手法に「化合物オリエント」を用い、独創的な新薬の創製を実現しています。近年では保有する遺伝子資産を有効活用するためバイオ医薬品開発に注力し、加えて開発パイプラインの充実を図るためライセンス活動にも積極的。アメリカに研究開発拠点を置くなど今後も更なるグローバル化を目指しており、平成26年3月期売上高を1,432億円としています。

対して1890年創業の参天製薬は、医療用医薬品および一般用医薬品の研究・開発・製造・販売を事業とします。強みは国内シェア1位を誇る医療用眼科薬であり、これは売上高の80％を占めるほど。一般用眼科薬においても国内シェア2位を確立するなど「眼」に特化した事業展開にて高度な専門性を獲得し、顧客目線での研究・開発に努めています。近年では1990年代から進めてきたグローバル展開を加速させ、構える拠点は海外12か国15拠点。世界50か国以上で製造販売を行うなど、「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」の実現に注力しています。平成26年3月期売上高は1,486億円となっています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25～26年の製薬業界売上高は10兆2,509億円、経常利益は1兆3,636億円です（対象企業73社合計）。平成17年から25年まで堅調に推移しており、過去5年の伸び率を＋3.5％、売上高純利益率を＋8.0％としています。
これまで国内の製薬業界は再編や統合、買収を繰り返してきましたが、これは大規模な海外医薬品メーカーに対抗するためのもの。規模を拡大し資金力を蓄えることで、新たな治療薬の開発を加速させようというわけです。また、近年日本では承認審査の厳格化に加え技術革新も停滞しており、新薬の創出が難しくなりつつあるのが現状です。この打開策として、今後も更なるグローバル化が加速する見通しとなっています。

ここまで小野薬品工業についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。