タカラバイオの企業研究

今回ご紹介するのは、キノコの人工栽培で有名なタカラバイオ。

この記事を読んでいる方の中には、タカラバイオへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、タカラバイオの経営理念や同じ化学業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある化学会社の中で、なぜタカラバイオなのか？」という質問への対策を考えましょう。


タカラバイオについて深く知るために、まずはタカラバイオの経営理念を確認しましょう。そこからタカラバイオが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

タカラバイオの企業理念は、以下の通り。
『遺伝子医療などの革新的なバイオ技術の開発を通じて、人々の健康に貢献する』
（タカラバイオ「企業理念」より引用）

ここから分かるポイントは、「開発」「貢献」の2点。
タカラバイオは、遺伝子治療や細胞医療の研究開発で培った技術・ノウハウを活用し、バイオ医薬品や再生医療等製品の製造・開発支援サービスにて貢献しています。求める人材として考えられるのは、困難や挫折を乗り越え意欲的に取組める人。チャレンジ精神旺盛で、自らの技術力を高めるための努力を惜しまない人を必要としていることがうかがえます。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• 学生時代に努力したこと、そこから得たもの
• 困難や挫折の経験、それを乗り越え達成したこと
• チームで行った取組み、その中での自分の役割
• 目標達成のため継続して努力していること

次に、化学業界におけるタカラバイオと競合会社と比較してみましょう。
タカラバイオの競合といえば、関東化学が挙げられます。
タカラバイオと関東化学はどのように違うのでしょうか。

宝ホールディングス傘下のタカラバイオは、基幹技術であるバイオテクノロジーを活用し、「バイオ産業支援事業」「遺伝子医療事業」「医食品バイオ事業」を展開する会社。「バイオ産業支援事業」を中核とし、世界中の大学や企業に研究用試薬や理化学機器、受託サービスを提供しています。「医食品バイオ事業」では、健康食品の開発・製造に加え、キノコの新品種育成や大規模栽培技術を活かしたホンシメジ・ハタケシメジを生産・販売。「遺伝子医療事業」では、がんやエイズの遺伝子治療の臨床開発およびその商業化を推進しています。強みは遺伝子治療や細胞医療の研究開発で培った技術とノウハウ。これをもって近年注目の再生医療分野にて、肝細胞を用いた基礎研究や再生・細胞医療分野に向けた新製品開発に注力しています。平成27年3月期売上高を連結259億円としています。

対して関東化学ホールディングス傘下の関東化学は、昭和19年に設立した総合試薬メーカー。「試薬」「電子材料」「臨床検査薬」「化成品」の4分野にて事業展開し、主軸の試薬開発では設立以来、先端規格を超える高純度試薬の開発・製造するオンリーワンメーカーを目指してきました。また、世界中の半導体産業に不可欠な機能性薬品においてはトップシェアを誇るほど。超高純度薬品の規格を世界に先駆け制定したのもタカラバイオです。強みとするのは厳しい品質管理体制による品質とそこから得る信頼。全工場にて品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得し、試験所の能力に関するISO／IEC17025も取得しています。平成27年3月期売上高は、連結688億円となっています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25～26年の化学業界売上高は27兆1,457億円、経常利益は2兆0,216億円です（対象企業193社合計）。過去の推移は平成17年から19年まで増加傾向にあり、アジア市場の需要拡大により大手5社が過去最高売上高を記録するなど業界規模で拡大しています。しかしながら平成20年、21年には、世界的な原油価格の高騰および金融危機等の影響を受け減少。平成22年には増加に転じるものの、世界的な需要の減少や石油化学分野の業績悪化により平成24年まで横ばいとなり、平成25年の世界景気回復とともに増加に転じています。

このような動向を受け、近年の業界では不採算事業の統廃合やプラントの停止、再編や企業買収を活発化させることで収益の改善を図る動きが目立つようになっています。今後も引き続き先行きが不透明であることから、経営体質改善が進むものと考えられています。

ここまでタカラバイオについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。