HSBCホールディングスの企業研究

今回ご紹介するのは、HSBCグループの持株会社としてロンドンに本部を置く、世界有数の金融グループで有名なHSBCホールディングス。

この記事を読んでいる方の中には、HSBCホールディングスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、HSBCホールディングスの経営理念や同じ銀行業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある銀行会社の中で、なぜHSBCホールディングスなのか？」という質問への対策を考えましょう。


HSBCホールディングスについて深く知るために、まずはHSBCホールディングスの経営理念を確認しましょう。そこからHSBCホールディングスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

HSBCホールディングスの企業理念は、以下の通り。
『HSBCバリューは、HSBCの組織としての在り方を定義し、HSBCを特別な存在にする要素を明確にします。
HSBCバリューに従って業務を遂行することで、以下のようなパーソナリティーを確立できます。

信頼性
・正しい行いを貫き、約束を果たし、粘り強さを持って、信頼を維持する
・責任感、決断力、判断力、常識を各自が備えるのみならず、周囲をも力づけることができる

多様な考えや文化を受け入れる
・オープンで誠実かつ分かりやすくコミュニケーションをはかり、挑戦に果敢に挑み、失敗から学ぶ
・他人の言葉に耳を傾け、公正に扱い、他者を受容し異なる視点を尊重する

顧客、地域、規制機関、そして互いのつながりを大切にする
・周囲と良好な関係を築き、社外に目を向け、組織の枠を超えて協働する ・一人ひとりの事情に配慮し、向上を認め、敬意を持ち、協力して的確に対応する 』
（HSBCバリューページより引用）

ここから分かるポイントは、「主体性」「尊重」「挑戦」の3点。
HSBCホールディングスの社員として、顧客をはじめ、同僚など仕事に関わる人々すべてに対して誠実に接し信頼を得る人物となること。
常に自主的に行動するとともに、学びと挑戦の気持ちを持ち続ける。
多様な思考を受け入れ、仕事の仲間とも切磋琢磨し合って互いの成長を助け合うこと。
その結果、会社が顧客からの信頼を得て、会社の目標達成に貢献する。
さらに、会社が発展することで、世界中の人々を幸せにする社会の創造にも寄与する。
HSBCホールディングスは、このような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとして、どのような目標をどのようにたてたか
• 目標達成のために、個人としてどのような役割を果たしたか
• 目標達成の過程で経験した失敗や挫折から学んだこと
• 以上の体験で得たことを、仕事の上でどのように活かしたいか

次に、銀行業界におけるHSBCホールディングス と競合会社と比較してみましょう。
HSBCホールディングス の競合といえば、バンク・オブ・アメリカが挙げられます。
今回は、HSBCホールディングス とバンク・オブ・アメリカを比較してみましょう。

慶応元年、HSBCホールディングスの前身は香港で創業。以来、同地域内における交易をはじめ、アジアや欧州、北米の間に生ずる国際貿易への金融サポートを行っています。
近年はアジアでの事業がグループ全体の利益を牽引している他、中東や北アフリカにおける事業でも、平成26年度の税引前当期利益は過去最高を記録。これらアジア、中東、アフリカでの事業により、グループ全体の調整後税引前当期純利益の7割を占めるまでに成長しているとか。
一方日本においては、HSBCグループ会社として東京と大阪に支店を構え、香港上海銀行（HSBC）、 HSBC証券、 HSBC投信、 HSBCサービ・シーズ・ジャパン・リミテッドの事業を展開しています。
日本での評価は高く、ユーロマネー誌「平成27年日本におけるベスト・ドメスティック・キャッシュ・マネジメント・バンク」、アセット誌「トリプルAサービシング賞平成27年日本におけるベスト・サブカストディアン」、アジアマネー誌においては「金利部門総合最優秀賞」「金利商品・セールス最優秀賞」「金利デリバディブ最優秀賞」の3冠を受賞する等、世界での受賞にひけを取らない結果を残しています。

対するバンク・オブ・アメリカは、世界最大級の総合金融サービス企業として、40カ国を超える営業拠点を擁しており、日本では、バンク・オブ・アメリカ・グループの一員として70余年に渡る活動を行っています。
現在、メリルリンチ日本証券が、バンク・オブ・アメリカ・グループの日本における法人顧客事業の拠点となっており、企業や金融機関、政府機関などに対する株式やセールス・トレーディング、資本市場業務、投資銀行業務、アドバイザリー・サービスを提供。
一方で、連携するバンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店では、貸出、外国為替、資金管理等のサービスを行っています。
また、世界はもちろん、日本における評価も高く、J-Money誌「平成26年Best International Debt House」「平成26年 Best IPO（リクルートホールディングスによるグローバルIPO）」、インターナショナル・ファイナンシング・レビュー誌「平成27年Yen Bond of the Year（ラボバンクによる劣後債508億円発行）」、ファイナンスアジア誌「平成26年Best FIG Deal（第一生命のプロテクティグ社買収と資金調達）」、アセット誌「平成27年Best Bond Deal in Japan（ソフトバンクによるドル債20億ドル／ユーロ債22.5億ユーロ）」等、数々の受賞を受けています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
デジタル技術の進化は、投資銀行ビジネス業界へも大きな変革をもたらしています。
例えば、ビジネスに利用できるビックデータが激増しており、これをいかに活用するかが重要課題の1つになっており、多種多様な内容が含まれるビックデータの中から、分析する目的に応じた本当に価値のあるスマートデータを整備することが重視されています。
さらに、効果的なアナリティクス体制を整えるために、データの収集、そして整備から分析を行うデータマネジメント、及びアナリティクスまでの作業をひとつの流れとして構築することが求められ、CDO（Chief Data Officer）と称される専門スタッフを設けるプレイヤーが増えているとのことです。

ここまでHSBCホールディングスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう