シスコシステムズの企業研究

今回ご紹介するのは、ネットワーク機器で有名なシスコシステムズ。

この記事を読んでいる方の中には、シスコシステムズへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、シスコシステムズの経営理念や同じネットワーク機器業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるネットワーク業界の中で、なぜシスコシステムズなのか？」という質問への対策を考えましょう。

シスコシステムズについて深く知るために、まずはシスコシステムズの経営理念を確認しましょう。そこからシスコシステムズが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

シスコシステムズの企業理念は、以下の通り。
『Changing the Way We Work, Live, Play, and Learn』
（私たちの働き方、暮らし方、遊び方、そして学び方を変える。）
（Cisco Systems, Inc. - Investor Relations - Resources - FAQsより引用）

ここから分かるポイントは、世界有数のネットワークシステムを提供する同社で私たちの生活のありとあらゆるシーンに革命を起こすというマクロな視点を持ちつつも、最後は個人個人のニーズを満たすためのミクロな視点を持つ必要があるという点。
インターネットを利用したWebサービス、IP電話、メール、音楽や映像コンテンツなどあらゆるシーンで既に活用がされているシスコシステムズのネットワーク。しかし変化のスピードが速い産業ゆえに、このビジョンの実現にゴールはないとも言えるでしょう。実際に採用の職種紹介のなかでも、新たなビジネスモデルの構築も１つのミッションとして掲げられており、常にビジョンの実現に向けたアクションが求められる環境でしょう。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の３点です。

• 新しいアイデアを提案し、それを実現した経験とその成果
• 環境などの変化にどのように対応して行くか、自分の考えや経験
• いち早く情報をつかみ、行動したことで成果を出した経験

次に、ネットワーク機器業界におけるシスコシステムズと競合会社と比較してみましょう。
シスコシステムズの競合といえば、インテルが挙げられます。
今回は、シスコシステムズとインテルを比較してみましょう。

まず、シスコシステムズは全世界的にネットワーク機器の市場で圧倒的なシェアを持つ企業の１つです。日本国内においてもそれは同様で、2014年時点で、通信事業者向けルーター市場の63％、企業向けイーサネットスイッチ市場の49％、企業向け無線LAN市場の41％など高い占有率で首位となっています。

グローバル市場で培った経験と、日本での既存市場の占有率という圧倒的な強みを活かしながら、今後力をさらに力を入れて行きたいと考えているのは、さらなる日本市場向けの製品やソリューションの開発や、日本企業との連携や投資を通じてより日本に根ざした事業展開です。

一方のインテルは、主要事業は半導体分野なので一見直接競合しないように思われます。しかし、近年話題に上がることが急速に増えたIoT（Internet of Things）分野においては、シスコシステムズの競合になりうる存在です。IoT（Internet of Things）とは、これまでパソコンやプリンタなどIT機器のみが接続されていたネットワークに、それ以外の「モノ」を接続すること。遠隔で情報がわかる防犯システムや、スマート家電などはわかりやすいその例です。

インテルはこの分野において、デバイス間を接続する製品とソリューション及び、信頼出来るクラウドサービスを提供。多くのパートナー企業と協業し、医療、車載機器、ヘルスケア、小売などあらゆる分野のIoT技術をソリューションとして提供できることが大きな強みとなっています。

対するシスコシステムズはクラウドやデータセンターでデータを管理および保存する新しい方法を提供することでIoT分野への事業展開を果たしています。製造業、石油・ガス、運輸といった産業やさまざまな業界に適応可能性のあるユーティリティソリューリョンも提供しています。

両者の現状の違いは主軸となる事業分野の違いと、IoT分野での協業企業による実現化しているソリューションの違いです。今後もそれぞれの強みや既存のクライアントをベースにしつつ新たなソリューション作りを拡大して行くことが予想されるため、IoT業界全体を見渡しながらの比較が重要となります。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
ネットワーク機器産業はICT産業のなかでも既に成熟産業となり、差別化が難しい時代に入ってきています。とはいえ、近年の平均では市場成長率は4.8%と上昇中。この背景には固定系ネットワークインフラの需要衰退の代わりに、移動系インフラ（ワイヤレス製品等）の需要増加が大きな理由として挙げられています。シスコシステムズは固定系インフラの市場占有率が高いため、今後この潮流にどのように対応していくかが注目すべきポイントになりそうです。

加えて、先ほど競合比較のなかでもご紹介したIoT分野の拡大は業界のなかでも注目すべき動きの１つと言えます。この分野の場合にはシスコシステムズなどのIT産業×IoTを実現したい自動車・産業機器などのメーカーという掛け合わせではじめて生まれるケースが殆どとなるため、どのようなコラボレーションが新しい事例を作っているか常に注目しておくことで今後の動きを探っていきましょう。

ここまでシスコシステムズについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。