伊藤忠エネクスの企業研究

今回ご紹介するのは、燃料・エネルギー専門商社として有名な伊藤忠エネクス。

この記事を読んでいる方の中には、伊藤忠エネクスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、伊藤忠エネクスの経営理念や同じ燃料・エネルギー専門商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある燃料・エネルギー専門商社の中で、なぜ伊藤忠エネクスなのか？」という質問への対策を考えましょう。


伊藤忠エネクスについて深く知るために、まずは伊藤忠エネクスの経営理念を確認しましょう。そこから伊藤忠エネクスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

伊藤忠エネクスの企業理念は、以下の通り。
『社会とくらしのパートナー～エネルギーと共に・車と共に・家庭と共に～』
（経営理念 | 伊藤忠エネクス株式会社 より引用）

ここから分かるポイントは、「暮らしに関わる事業分野」と「マーケットへの向き合い方」の2点。
伊藤忠エネクスは経営理念に表れている通り、暮らしに欠かせないエネルギー分野を中心に事業を展開しています。現在の主要事業は4分野。LPガスやその他スマートエネルギーを扱う「ホームライフ事業」、電力小売や発電事業を扱う「電力・ユーティリティー事業」、自動車用エネルギー事業やレンタカーサービスを提供する「カーライフ事業」、そして産業用エネルギーなどを扱う「エネルギーイノベーション事業」に分かれています。

私たちの生活を支えるありとあらゆるエネルギーを扱う同社は燃料・エネルギー系の専門商社としてトップの存在で、これまで着実に実績を培ってきました。

また、経営理念で繰り返し唱えられる「共に」というキーワードは正にこの企業の在り方を示すもの。特にエネルギー事業は日本全国あらゆる場所に、そして個人へと至る日常に直結するサービスです。それゆえに日々変化するニーズをつぶさにキャッチし、自ら考えて積極的なアプローチをし、こつこつと会社と社員も変化し続ける姿勢が不可欠なのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• これまでに何かを継続してきた経験と、そこから学んだこと
• 新しいアイデアをカタチにした経験とその成果
• 何かの問題点を見つけ出し、具体的な解決策を実行した経験

次に、燃料・エネルギー専門商社業界における伊藤忠エネクスと競合会社と比較してみましょう。
伊藤忠エネクスの競合といえば、三愛石油が挙げられます。
今回は、伊藤忠エネクスと三愛石油を比較してみましょう。

この2社の違いとして挙げられるのは「経営体制の違い」と「事業内容における違い」です。

まず「経営体制の違い」ですが、伊藤忠エネクスご存知の通り総合商社である伊藤忠商事系列の専門商社です。1997年から伊藤忠商事ではディビジョンカンパニー制を導入し経営判断のスピードを速める施策を取っており、各事業分野において子会社が誕生しています。
一方の三愛石油はリコー、三愛石油、リコーエレメックス、コカ・コーラウエスト、リコーリースを主なメンバーとする「リコー三愛グループ」の1社で、リコーは同社の株式も一部所有しているため結びつきは非常に強い関係です。しかしながら比率はそこまで高くなく、伊藤忠エネクスのケースとは異なると言えるでしょう。

もう1点の違いは「事業内容における違い」です。まずはどちらにも共通する「ガソリンスタンドの運営事業」。伊藤忠エネクスはJXグループの有力特約店であり、自社のオリジナルブランドのスタンドも運営。三愛石油も自社ブランドのObbliの他、100％出資子会社であるキグナス石油をはじめとする他のブランドも有しており多角的に市場で存在感を示しています。
また、他の事業分野における違いもこの2社は特徴的です。伊藤忠エネクスの場合は「燃料・エネルギー」を軸とした多角化が特徴である一方で、三愛石油は石油との関連性が一般的に高い化学品事業のメーカー機能も有しています。

この違いは最大の違いと言っても過言ではなく、これからの多角化の方向性によっても企業の明暗が分かれる部分のため注目が必要でしょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
燃料・エネルギー専門商社の動向を理解するためには、最も影響力の強い石油業界の動向を理解しておく必要があります。

国内の石油業界は1999年をピークにガソリンをはじめとする石油製品の需要が3割も縮小しています。そうしたトレンドが長らく続いたことも影響し、石油元売り企業の合併により企業力を高めようという動きが出てきています。現在の元売り首位はJXグループですが、昭和シェルと出光興産が経営統合することで、JXグループに継ぐ企業になる予定。業界の勢力図が変化することでの影響を把握しておく必要があります。

また、石油以外のエネルギー源の注目ももちろん重要です。現在ではやや難しい状況にありますが近年シェールガスが話題になったり、資源系以外では国内の電力小売り自由化が解禁されるなど日々提供されるエネルギー源の変化が絶え間なく発生しています。今後予想される需要や業界変化を理解し、それぞれの企業の実情を把握しましょう。

ここまで伊藤忠エネクスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。