レノボ・ジャパンの企業研究

今回ご紹介するのは、パソコン「Think Pad」で有名なレノボ・ジャパン。

この記事を読んでいる方の中には、レノボ・ジャパンへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、レノボ・ジャパンの経営理念や同じパソコン業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるパソコン会社の中で、なぜレノボ・ジャパンなのか？」という質問への対策を考えましょう。


レノボ・ジャパンについて深く知るために、まずはレノボ・ジャパンの経営理念を確認しましょう。そこからレノボ・ジャパンが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

レノボ・ジャパンの企業理念は、以下の通り。
『We Do What We Say. We Own What We Do. （有言実行・責任行動）』
（About Lenovo: Culture, Jobs, Management, Locations, & Moreより引用）

ここから分かるポイントは、「求められる仕事への向き合い方」という点。
北京の守衛小屋で1984年に創業されたレノボは、今やThink Padとして知られるパソコンは世界シェア21％で首位、タブレット世界シェア4位に位置する企業です。これまでにIBMやNECなどの競合大手企業の事業買収によって大きく成長。新興国でのシェアの高さも強みの1つとなっています。グループ単位で見ると、日本国内では買収したNECのパソコンのシェアも高く、やはり業界トップの存在です。

こうした躍進を支えてきた1つの要素が、理念として掲げられる『We Do What We Say. We Own What We Do. （有言実行・責任行動）』という考え方。これまでに後発ながら業界の先駆者であったIBMを買収し、着実に成長を遂げて世界首位になったように、今後も目標として掲げたことを実現するための積極的な取り組みが求められます。

具体的には、今後タブレット端末やスマートフォン、サーバーなど、パソコン以外の新しいコンセプトの製品やサービスを強化する方針も明確にしており、そのなかで入社後どのようにコミットするか、したいか、できそうかという点が採用試験においても関心を持たれる部分となります。 ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 目標を掲げて、具体的な計画に基づき、それを達成した経験
• 困難なことに挑戦し、最後までやり遂げた経験
• チームで何かに挑戦した経験から学んだことと、あなたの組織内での役割

次に、パソコン業界におけるレノボ・ジャパンと競合会社と比較してみましょう。
レノボ・ジャパンの競合といえば、日本HPが挙げられます。
今回は、レノボ・ジャパンと日本HPを比較してみましょう。

日本HPの親会社である、米国ヒューレット・パッカードは1939年に創業、1969年にコンピューター分野に参入してから長年業界の業界をリードする存在です。2013年にレノボのパソコンの世界シェア1位を奪われてはしまいましたが、現在も世界シェア19.6％で僅差の2位に位置しています。

この2社が最も激しい競合関係にあるのはもちろんパソコンの開発・販売事業ですが、2社の違いはそれ以外の事業も含めた事業戦略から見ることができます。

まずレノボはパソコン開発・販売事業においてシェア30％を目指し、現在の強みである分野においてより確固たる地位を築こうとしています。それに加えて力を入れているのがIBMから買収した「サーバー事業」とMotorolaの買収で得た「スマートフォン事業と特許」によるシェア拡大です。
サーバー事業やスマートフォン事業は既存のレノボ内でも持っていた事業ではあるものの、中国を中心とした新興国に強みを持つ市場展開であったため、今後のハイエンドの製品にも幅を広げて世界展開のために技術力とブランド力の強化が必要であったために行った対策と言えます。

一方のHPは2015年11月に、クラウドソリューションやデータセンター事業を手掛ける「Hewlett Packard Enterprise」と旧来からのパソコン事業やプリンタ事業といったコンシューマー向けソリューションを手掛ける「HP Inc.」の2社に分社化。近年利益が取りづらくなりつつあるハードウェア事業から、ソフトサービスへと注力分野がシフトしているという背景もあり、その戦略の1つと言える動きです。


このように2社の動きの違いを見ると、既存の強みであるパソコン事業への対応策、その他の事業への注力の仕方、その他本社を置く国での動きに関連する課題までそれぞれ別の状況を持っています。今後の業界トレンドとも照らし合せながら、2社の違いを理解しておきましょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
現在パソコン市場は縮小の傾向にあります。米IDCによる2015年第4四半期の調査によれば、世界のパソコン出荷台数は前年比で10％減少。特に個人向けのパソコンは、スマートフォンやタブレット端末に市場を奪われています。
その上世界のパソコンシェアはレノボ、HPにつづいてDell、Apple、Acerの5社で7割近いシェアを持っているため合併などの業界再編がこれから増える可能性が高い状況です。
加えて、パソコンを席巻するタブレット端末についても、新興国の市場拡大はしばらく続く見通しであるものの、先進国では既に成熟市場となりつつあることは、市場の懸念材料ともなっていいます。こうした状況からパソコンだけでなく、それに関連するデバイスのトレンドについても注意深く情報を得ておく必要があります。

ここまでレノボ・ジャパンについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。