伊藤忠商事の企業研究（働き方・選考対策）

今回ご紹介するのは、希望職種が選べる独自の採用方式で有名な「伊藤忠商事」での働き方です。 気になるキャリア、年収、選考対策情報等をお伝えしてきます。

◆ TOPIC
• 伊藤忠商事での働き方／キャリアとは
• 伊藤忠商事を構成する7つのカンパニー
• 気になる選考対策

伊藤忠商事の事業モデル／成長戦略はこちらの記事へ
新卒採用での募集業種は以下の2種類。
(出典： 2017年度　伊藤忠商事新卒採用HP )

◆総合職
2016年度4月の初任給実績は、大卒が240,000円、院卒が275,000円です。

採用方式は、一般採用および配属先決め採用。配属先決め採用とは、配属先として後に紹介する7つのカンパニー又は総本社職能部署を予め決め、その後応募、内定と同時に配属カンパニー・総本社職能部が決まります。

カンパニーや事業をすでに特定している学生や、得意分野・専門知識がある学生向けの、伊藤忠商事独自の採用方法です。

◆事務職
2016年度4月の初任給実績は、四年生大卒が205,000円、短大卒が185,000円です。

採用方式は、一般採用となります。一般採用とは、応募段階ではカンパニーおよび総本社職能部署を特定せずに行う採用方法。内定後に、学生の希望や適性を考慮した配属先が決定されます。複数のカンパニーからの選択に迷っている人や、分野にこだわることなく活躍したいという人に適している採用方式です。

また気になる伊藤忠商事でのキャリアですが、採用HP「社員を知る」より、「繊維」「機械」「食料」の3カンパニーに所属する社員のキャリアを紹介します。

まずは、「繊維カンパニー」ブランドマーケティング第三部所属、2008年度入社Yさんのケース。(出典： 伊藤忠商事2017年度新卒採用情報 )

インタビューを読むと、Yさんは現在、伊藤忠が全世界の販売権を持つ「ハンティングワールド」の企画開発・生産業務などに携わっているそう。驚くことに、実習生の段階でも海外駐在を経験し、現地の縫製工場との交渉に奔走されたそうです。成果を得られるまでの奮闘ぶりや、そこから感じた「商社でありながら、モノづくりに深く関わることの面白さ」を語っています。

次に、「機械カンパニー」いすゞビジネス第二部所属、2008年度入社Aさんのケース。 (出典： 伊藤忠商事2017年度新卒採用情報 )

Aさんは現在、伊藤忠と関係の深いいすゞのビジネス部でインドネシアを担当し、市場リサーチや輸出業務、顧客開拓などを手掛けているそうです。入社6年目に経験したタイでの2年間にわたる実務研修では、「主体的に業務へ取り組む姿勢」を身に着けたことや、自分の働きかけで人が育ち職場が変わっていく醍醐味を実感したと語っています。

最後に、「食料カンパニー」食品流通部門、食品開発部所属、2002年度入社Sさんのケース。 (出典： 伊藤忠商事2017年度新卒採用情報 )

インタビューによると、現在Yさんは、スターバックスほか外食チェーン、病院給食事業者向けの食材を一括納入する取引を担当しているそうです。自分が開発に携わった新製品を店頭で目にすることもあるようで、そんなときは「自らの仕事が目に見える形になる」というやりがいを感じると語っています。企業の課題には、チャンスを活かした発想でクリアすることもあるそうで、実際にクリアできたときには所属部門ならではの達成感を感じるそうです。

担当する分野によって、仕事内容や、やりがいに感じるポイントが異なっていることが見て取れますね。1つの会社のなかでも、様々な領域の仕事に関わる可能性があることは、同社の1つの魅力ではないでしょうか。

ちなみに、伊藤忠商事の平均年収は、有価証券報告書調べによると約1,350万円。総合商社業界の中でも高い水準ということがいえるでしょう。

伊藤忠商事の年齢別年収推移、給与、ボーナスの推移

出典： 平均年収.jp　※平均年収と国税庁の年齢別階層年収との比率で独自で算出した結果の数値

幅広い事業を展開する伊藤忠商事には7カンパニーが設けられており、その中の1つを事前に選ぶことが可能です。それぞれのカンパニーの特徴を見ていきましょう。

・繊維カンパニー
ファッションアパレル第一、第二、ブランドマーケティング第一、第二の4部門から構成され、国内商社でトップの取扱高を誇ります。2017年3月には、AKB48グループ公認ECファッションブランド「UNEEDNOW」の展開を発表。

・機械カンパニー
「プラント・船舶・航空機」「自動車」「建機・産機」の3部門から構成され、インフラから機械関連、医療ビジネス分野まで幅広く展開しています。2017年3月には、世界最大規模となるインドネシア・サルーラ地熱IPPプロジェクト第1号機の商業運転開始を発表しています。

・金属カンパニー
「金属資源」「鉄鋼・非鉄・ソーラー」の2部門で構成されます。金属資源部門は、世界各地で金属資源の鉱山開発およびそのトレードを行い、鉄鋼・非鉄・ソーラー部門は、世界の電力・発電という大規模なフィールドで活躍できます。2017年2月には、大規模メガソーラーである新岡山太陽光発電所の商用運転開始を発表しています。

・エネルギー化学品カンパニー
「エネルギー」「化学品」の2部門で構成されます。エネルギー部門は、エネルギー関連商品全般のトレード等を、化学部門は有機化学品や医薬品、精密化学品などのトレード及び事業を行います。2017年4月には、凸版印刷との資本業務提携により、タイにおける軟包材事業への参入を発表しています。

・食料カンパニー
「食糧」「生鮮食品」「食品流通」の3部門から構成され、日本・中国・アジアを中心に付加価値の高いバリューチェーンを構築します。2016年10月には、RIZAPグループおよびファミリーマートと、食品開発・販売を含むヘルスケア・ライフスタイル領域全般での協業を発表しています。

・住生活カンパニー
「生活資材」「建設・物流」の2部門から構成され、それぞれの総合力とグローバルネットワークを活かし、豊かな住生活の実現に貢献します。2017年4月には、慶應義塾大学で10番目となる学生寮の開発に着手。留学生の増加に伴う住環境を支援しています。

・情報・金融カンパニー
「情報・通信」「金融・保険」の2部門で構成されます。ICTやBPO等のサービス分野を核に、情報と金融の融合による「フィンテック」ビジネスに力を入れています。2017年４月には、AIベンチャー、グリッド社との資本・業務提携を発表し、伊藤忠商事グループおよび顧客に対するAIソリューションを展開します。

各カンパニーとも取引先は大手有名企業が多く、自分が携わったプロジェクトの成果を直に目にする機会もあるようです。

ここまで伊藤忠商事についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 �

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