キリンビールの企業研究（事業・成長戦略）

今回ご紹介するのは、「一番搾り」や「のどごし（生）」などの製品で知られる「キリンビール」です。

◆ TOPIC
• 国内市場では発泡酒で高シェア。課題はビールシェアと海外展開
• アジア・オセアニア地域での海外事業や国内地域深耕型の戦略に注目
• ビール事業の収益基盤強化でさらに強いキリンに

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キリンビールは日本を代表するビールメーカーの1社。2015年12月期決算ではグループ会社も含めたキリンホールディングスとしての売上高は2兆1,969億円で業界1位、営業利益は1,247億円でアサヒビールに次ぐ業界2位となっています。

キリンはビールの国内シェア2位であるものの、発泡酒のシェアは圧倒的で強みとなっています。発泡酒はキリンのビール類販売総数の約30%を占めており、他のメーカーよりも比率が圧倒的に高いのが特徴です。

ビールの国内市場自体は近年縮小が進行していますが、今後の酒税法改正によりビールは減税、発泡酒・新ジャンルは増税になる可能性があり、再びビールへと経営資源を集中させる傾向が業界に広がりつつあります。

また、世界市場は再編の真っ只中。世界トップのアンハイザー・ブッシュ・インベブ（ベルギー）が世界2位のSABミラー買収の合意を得たことで、日本企業への影響も高まっています。また、日本企業自身も買収の動きを見せており、2016年にはアサヒが欧州ビールメーカー4社を買収し海外展開を急速に加速させています。
次に、キリンビールの主な事業を見ていきましょう。

キリングループは、平成25年1月にキリン株式会社を発足させ、グループ企業全体でのブランド価値向上とシェア拡大を目指しています。その中で、キリンビールの売上高が占める割合は33.2%。多角化戦略を取っているため、昔に比べるとその割合は減ってはいますが、まだまだ中核事業として重要な役割を担っています。

グループの中核を担うビール事業の注力テーマは「海外展開」です。すでにいくつかの海外子会社を持つキリンですが、オーストラリア・LION社はシェア48%、ミャンマーのミャンマー・ブルワリーはシェア80%と高いシェアを持つ拠点をすでに手にしています。

一方で国内市場も酒税法変更の可能性が高いため、ビールのシェア再獲得が大きな課題の1つとなっています。キリンでは看板商品である「一番搾り」を47都道府県それぞれのバージョンを作るなど、地域深耕型の戦略を取っており、今後の成果が期待されているところです。

最後に、キリンビールの今後の戦略について見ていきましょう。 キリンビールでは、構造改革によるグループの再生を目指す「キリングルー

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