ファーストリテイリングの企業研究（事業・成長戦略）

今回ご紹介するのは、「ユニクロ」、「GU」などのアパレルブランドを展開し、究極の普段着を世界に浸透させようとする「ファーストリテイリング」です。

◆ TOPIC
• 海外市場展開で国内1位のSPA企業。世界トップを追随
• アジア各国を中心に海外市場は順調。欧州・北米展開にも注力
• 目指すは“情報製造小売業”！ファーストリテイリングの成長戦略

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ファーストリテイリングと言えば、「ユニクロ」や「GU」を展開する日本随一のカジュアルアパレル企業です。現在、日本国内では1位、世界ではZARAなどを展開するインディテックス、H&Mに次いで3位という立ち位置にいます。2016年8月度決算では1兆7,864億円という高い売上高を誇り、グローバル展開の勢いは止まりません。

出典： 銀座店（グローバル旗艦店）, 国内ユニクロ事業 | FAST RETAILING CO., LTD.（2017年5月24日）

ファーストリテイリングはSPAと呼ばれる業態で事業を展開しています。

“SPAとは（Specialty store retailer of Private label Apparel）と呼ばれる製造小売ともいう。企画から製造、小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指す。”
（出典： 出典：SPAとは - コトバンク）

グローバル市場でライバルであるインディテックスやH&Mも同様の業態で、日本では「LOWRYS FARM」や「GLOBAL WORK」を展開するアダストリア、海外では米国・GAP、英国・NEXTなども同じくSPA型のアパレルブランドです。

こうしたSPAのブランドの現在の課題は、「商品の同質化」なのだそうです。トレンドに合わせて価格を抑えた商品を作ろうとすると、どうしても似た商品になってしまい、各ブランドの付加価値の低下が叫ばれています。そこで多くのブランドが注力するのが「ライフスタイル」を売り出す手法です。

テーマを決めて売り出す他、関連する雑貨などの販売を強化するなどの工夫が行われています。ファーストリテイリングであれば、ビックカメラと共同で東京・新宿に出店し、家電とユニクロの衣類の掛け合わせで使用のイメージを膨らませてくれる「ビックロ」などはこうしたトレンドの先進的な取り組みとも言えるかもしれませんね。

出典： ビックロ新宿東口店（グローバル繁盛店）, 国内ユニクロ事業 | FAST RETAILING CO., LTD.（2017年5月24日）

次にファーストリテイリングの経営状況を見ていきましょう。

まずメインブランドである「ユニクロ」ですが、既にグローバル展開を果たしており、収益源として大きな役割を果たしています。国内ユニクロ事業が全売上に対し44.8%を占める対し、海外ユニクロ事業は36.7%となっており、ウエイトの重さがうかがえます。

特に中国、香港、台湾、シンガポールなどの中華圏の国は、2016年8月期売上が3,328億円、2016年8月期末で560店舗と海外事業の中でも既に大きな成果が出ているそう。数年後には1000店舗に到達し、日本国内市場を追い越す勢いです。また、欧州や北米での事業展開にも注力しており、今後の動向から目が離せません。

また、ファーストリテイリング第二の柱となっている「GU」は、2016年8月期決算で売上1,878億円（前期比32.7％増）となっており、日本発のファストファッションブランドとして今後のさらなる成長に期待がされています。国内市場へのさらなる浸透はもちろんのこと、海外市場への展開も重要視しており、2016年8月末の海外10店舗から徐々に拡大を目指しているところです。

最後に、ファーストリテイリングの今後の成長戦略について見ていきましょう。 ファーストリテイリングのトップインタビューにて会長兼社

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