【企業研究】京セラ株式会社 (KYOCERA)の戦略・強み・弱み・競合他社まとめ
京セラ株式会社(KYOCERA)を就職活動の観点から企業研究
下記6つのトピックに分けてご紹介します。
-
◆ TOPIC
- 11兆円の高成長が期待される日本セラミック産業の課題とは?
- 人の心をベースとする経営から生まれた「京セラフィロソフィ」と「アメーバ経営」
- 高成長・高収益企業の実現に向けた京セラの新たな取り組み
- 京セラでの働き方/キャリア/年収とは?
- 社員の物心両面の幸福を追求する福利厚生とキャリアサポート
- 京セラのインターン・選考・面接対策情報
11兆円の高成長が期待される日本セラミック産業の課題とは?
その市場の中でも日本は高い競争力を保持しており、2015年現在で生産額はおよそ2.5兆円。世界シェアは4割超となっており、「Ceramic Magazine」によると、2015年の世界トップ12には京セラをはじめとした日本の4企業がランクインしています。
しかし高成長産業と言えども、高機能品は欧米との技術開発競争下に、低グレード品は韓台中が追い上げつつあるなど、日本のセラミック産業は圧倒的な競争力をつける必要に迫られているのが現状のようです。
このような状況の中、一般社団法人日本ファインセラミックス協会をはじめ、東京工業大学や名古屋工業大学の三機関合同による「JFCA技術ロードマップ2050年」の提案が行われました。これは、多様化する市場ニーズに対応するため、将来のファインセラミックスのビジョンや研究方針の立案の材料、異分野・異業種の連携、技術融合の促進材料を提供し、将来の投資に向けたガイドライン。これを活用することで、日本のファインセラミック産業が強い競争力を維持し、さらなる強化を図っていくことが目的に。
この提案では、日本セラミックス業界の競争力を強化するためには「ものづくりから価値創りへ」とシフトしていくことがポイントになっており、素材の革新など「材料」で「プロダクトイノベーション」を実現していくことが、5~10年後の日本のセラミック産業に圧倒的な競争力をつけていく、と提言しています。
人の心をベースとする経営から生まれた「京セラフィロソフィ」と「アメーバ経営」
1959年に28名だった町工場は、材料·部品から太陽光発電、通信機器に至るまで幅広く事業を展開。現在は全世界に約70,000名の社員を有し、売上高では1兆円を超えるグローバル企業へと成長しています。
そんな京セラの原点は人の心をベース とする経営から生まれた「京セラフィロソフィ」と「アメーバ経営」の実践です。京セラフィロソフィとは、「人間として何が正しいか」をものごとの判断基準とし、すべての行動において、公明正大でまじめに一生懸命努力していくことの大切さを示す人生哲学、または経営哲学。一方、アメーバ経営とは、組織を小集団に分け、市場に直結した独立採算制により運営し、経営者意識を持ったリーダーを育成し、全従業員が経営に参画する「全員参加経営」を実現する経営手法となっています。
お客様に喜んでいただく製品やサービスを提供する「お客様第一主義」を最も大切なテーマと捉え、時代の変化にスピード感を持って即応し、京セラグループの有する技術力と経営資源を有機的に結びつけ、新たな価値の創造に取り組んでいます。
京セラのセラミックに関しての競合他社としては日本特殊陶業株式会社、村田製作所が挙げられます。
高成長・高収益企業の実現に向けた京セラの新たな取り組み
同社は競争力のある事業の柱を複数持ち、変化の激しい時代にあっても、安定的な成長を持続させることを強みとしていますが、事業範囲が広い一方で個々の事業規模に拡がりがなくなるのではという懸念も。代表はどのように考えているのでしょうか?インタビューを見てみましょう。
“当社は、それぞれの製品ごとに細かく分かれた組織が中小企業のように自主的に動いて伸びてきた会社。セラミックパッケージなどのようなトップの製品はあるが、一つひとつの事業のすべてが、必ずしもシェアを伸ばし切れているわけではない。ただ、伸びそうなところだけにリソースを集中してしまったら、事業の幅が狭くなるし、現場が自ら考える自主性も損なわれ、京セラらしさが失われてしまう。たとえ効率が悪く見えても、それぞれの部門が自分たちで頑張ってシェアを高めなければならない。”
(出典: 売上高1兆5000億円超え。京セラは“京都企業”のリーディングで居続けられるか(2015年05月12日 ))
―その一方で組織横断の車載プロジェクトを立ち上げるなど、総合力を生かす取り組みも進めています。
“それぞれの事業分野が自由に伸びていく中でも、もう少しこっちを向いた方が良いのではなどと方向付けをする、緩やかな統制も必要だ。これをどうやりきるかはマネジメントの力だろう”
(出典: 売上高1兆5000億円超え。京セラは“京都企業”のリーディングで居続けられるか(2015年05月12日 ))
――京セラの競争力の原点がセラミックスにあるのは創業以来変わっておらず、そのセラミックスは燃料電池でも使われているように、新事業の可能性は広がり傾向にあると言えるでしょう。さらなる成長のためには、個々の事業の深掘りに加え、新規事業への積極的な取り組みが今後も必要となりそうですね。
最後に、京セラの新たな成長戦略に向けた意気込みと、同社が大切にしている経営理念を将来にわたって実現し続けるために掲げた目標である"The Company"に込めた京セラ代表の想いを見てみましょう。
“"The Company"とは、全ての面で人々から尊敬される「企業の中の企業」、つまり、持続的な売上拡大と高い利益率を実現し、また、品質面や社員の品格においても、他に類を見ないほど優れた企業のことです。 私は、"The Company"を目指し、「働きがい」と「夢」のある、活力に溢れた京セラを創っていきたいと思っています。 ”
(出典: トップメッセージ | 京セラについて | 2018年新卒採用情報|京セラ)
京セラ株式会社の会社概要
商号 | 京セラ株式会社 (KYOCERA Corporation) |
---|---|
発足 | 1959年4月1日 |
代表者 | 谷本秀夫 |
従業員数 | 70,153名(2017年3月31日現在) |
本社 | 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6 |
代表者経歴 | 1960年3月18日生。1982年、上智大理工卒、京セラ入社。 電子機器に使われるファインセラミック部品などの分野で生産技術畑に長く従事し、ファインセラミック事業本部長を務めた後、2016年、取締役兼執行役員常務就任。 2017年4月1日より、執行役員社長就任。 |
京セラでの働き方/キャリア/年収とは?
(参照: 応募コース·選考の流れ | 採用情報 | 2018年新卒採用情報|京セラ )
◆技術コース
研究、開発設計、生産技術・製造技術、品質評価技術(信頼性評価・解析技術)などの職種があります。
◆営業・管理コース
海外営業、国内営業をはじめ、営業活動の一端を担うマーケティング、購買、広報、人事・教育、総務、資材、経営管理、グローバル監査などに携わります。
◆オンリーワン採用コース
技術コース、営業・管理コースが対象職種です。
◆職種別採用コース
理系としては、特許・知的財産、社内SE(情報ネットワーク・システムエンジニア)、施設管理、安全防災に、一方、文系は経理・財務や法務などに携わります。
また気になる京セラでのキャリアですが、採用HPの社員インタビューを覗いてみましょう。 海外営業で活躍する男性社員のインタビューです。どんな仕事に携わっているのでしょうか?
“私は現在、“For The People”の方針の下、「発展途上国向け太陽光発電システムの販売」をテーマに営業活動を行っています。ODA(政府開発援助)として日本から途上国向けに供与された予算に基づく援助案件に対し、商社やゼネコンとタッグを組んで、これまでパラオ共和国やモルディブ共和国向けに太陽光発電システムを納入しました。また、その他アジアや中南米地域にも納入することが決定しています。”
(出典: 京セラ採用HP)
――京セラが長年にわたって取り組んでいる太陽電池のグローバル展開を担っているのですね。営業として、どんな資質が必要なのでしょうか?
“一口に太陽光発電システムの販売といっても、システム設計や機器選定等で技術の方々とお客様の間に立って何度も折衝を行う必要があります。さらには、納入が決定しても、契約や納期について関係各社の意向をまとめ、結論を出す必要があります。それに伴い、膨大な量の技術資料や輸出書類の準備が必要となります。一方、せっかく長い時間をかけて商談をすすめても、価格面で競合他社に負ければ、元も子も有りません。情報入手に苦慮しながら、慎重な価格提示が求められます。これらさまざまな課題を乗り越え、自分の販売した太陽光発電システムが海外現地で設置された姿を見ると、苦労してやってきた甲斐があったなとつくづく実感します。 ”
(出典: 京セラ採用HP)
――強い意志をもって周囲を引っ張っていく能力が求められそうですね。自分の熱意をまわりに伝え、仲間の協力を得ながらも自ら先頭に立って、お客様が求める部品を完成できたときは大きな達成感を味わうことができる、そんな様子が伝わってきます。では、今後の目標は?
“京セラは35年以上前から太陽光事業を続けており、これまで多くの国々に太陽光発電を広めてきました。しかし、まだ展開できていない国もあり、そのような国々でどのような需要が有り、太陽光発電システムがどう貢献できるのかを調査した上で提案を行い、販売にまでつなげていきたいと考えています。
そして、営業としては、技術·契約·納期等の要望をまとめ、何が正しいのかという視点に立って一つひとつ結論をつけていかなればなりません。その時は相当なプレッシャーを感じますが、だからこそ、その結果として無事設置された姿を見ると、感動を覚えます。今後は、販売展開できていない国々に対して、太陽光発電システムだけでなく、さまざまな付加価値(海水淡水化装置等)を組み合わせた新しいアプリケーションを提案していきたいと考えています。”
(出典: 京セラ採用HP)
――黎明期より数々の市場を創造してきた京セラ。「新しいことをやり遂げてやろう」という強い熱意は、同社の営業担当に共通のDNAとなっていることがうかがえます。
また、京セラの平均年収は、有価証券報告書よると平均で約689万円となっており、電子部品業界ではトップ10にランクインしています。
社員の物心両面の幸福を追求する福利厚生とキャリアサポート
例えば、育児の制度は、産前産後休暇と1年間の育児休職制度があり、休職後ほぼ100%の社員が職場に復帰しているとか。働きながら子育てをする人の支援として、育児休憩、短時間勤務制度、始業時刻の繰り上げ繰り下げ制度、ベビーシッター利用補助制度が、一方、家族の介護が必要な場合は1年間の介護休職制度や、短時間勤務制度、始業時刻の繰り上げ繰り下げ制度があります。 さらに、育児や介護のために退職せざるをえなかった社員が再び正社員として働ける機会を提供するカムバック·エントリー制度を設けています。
また、オンとオフのワークバランスが優れているのも京セラの社風。総務人事部長もこんな風に語っています。
“仕事に対する真剣さとアグレッシブさが特長でしょうか。「ど真剣」という言葉が使われることがありますが、まさに仕事に対する社員の姿勢を表していると思います。ただ、オンとオフの切り替えがうまい社員が多いのも当社の特徴です。
オフのことを言えば、京セラには職場対抗で行う運動会のような社内行事や、「コンパ」と呼んでいる職場単位の飲み会等の機会が多くあります。そこでは上下もなく皆で、時には仕事以上に思いっきり盛り上がっています(笑) 。遊びも「ど真剣」という言葉がぴったりだと思います。”
(出典: 総務人事本部長メッセージ | キャリアサポート | 2018年新卒採用情報|京セラ)
――仕事もプライベートも一生懸命、そんな社風が伝わってきますね。社内イベントも多いようです。
“そうですね、その辺りは京セラの社風と言えるでしょうね。社内行事は1~2年目の若手社員が中心になってがんばっています。いろいろな企画から実施まで大変だと思いますが、それを楽しんでいる面もあり、先輩社員や上司もいろんな面でサポートしています。
その経験を通じて、若手社員同士が絆を深め連帯感を強めていくと共に、組織での付き合い方も学べます。結束力のある組織の基礎になっていると思います。そういった意味で、社員同士の心のつながりを重視する京セラの伝統であり、強さの源泉とも言えるのではないかと思います。 ”
(出典: 総務人事本部長メッセージ | キャリアサポート | 2018年新卒採用情報|京セラ)
――何よりも仲間同士を大切にし、その強い心のつながりをベースにした京セラ発展の源泉がうかがえるようです。自分の成長と共に、全員で会社を良くしていきたいという気持ちで団結していることもわかりますね!
また、京セラでは、充実したキャリアサポートも特徴です。入社時に行う新入社員基礎研修以降も技術研修に力を入れ、若手技術者のスキルアップを支援。さらに、入社1年目の最も大切な期間をより有意義なものとするため、新入社員一人ひとりに育成責任者を選定し、きめ細かなフォローと面談を行っているほか、人事担当者との面談もプログラムされており、幅広く適切なアドバイスが受けられるので安心です。
その後のキャリアも、さまざまなビジネスフィールドが広がる京セラでは、グローバル人材育成をはじめ、新たな仕事にチャレンジする機会を提供する社内公募制度や、上司との面談を行い業務目標をお互いに確認するチャレンジシステムで、 それに必要な能力開発についてもアドバイスを受けることができ、確実に成長していくことができる職場環境となっています。
京セラのインターン・選考・面接対策情報
ここまで京セラについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考
※本サイトに掲載している企業は、iroots利用企業とは一切関連がございませんのでご注意ください。また、掲載情報は、各企業のコーポレートサイト等広く一般的に周知がなされている事項に加え、就活生から得た情報を元に、当社学生ライターが中心に独自にコンテンツ化したものです。
内容については細心の注意を払っておりますが、ご利用に際しては、閲覧者各人の責任のもとにこれをご活用いただけますようお願い申し上げます。
内容については細心の注意を払っておりますが、ご利用に際しては、閲覧者各人の責任のもとにこれをご活用いただけますようお願い申し上げます。
Copyright © 2025 en-japan inc. All Rights Reserved.