東洋水産株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

「赤いきつねうどん」や「緑のたぬき天そば」などの代表的なロングセラー商品を持ちながら、「マルちゃん正麺」など新しい商品開発にも力を入れる即席麺業界の東洋水産に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 即席麺国内市場は前年比＋8.4%で成長。糖質や塩分カットの健康志向商品がヒット
• 新商品ヒットで商品ラインナップに強み　メキシコでのシェアも注目
• 海外展開を加速 インド、ナイジェリアなど新しい市場にも進出
• 東洋水産の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

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2015年度時点での国内の即席麺市場の規模は生産額ベースで5,778億円、前年比＋8.4%で伸長しています。

国内市場が好調な一方で、海外市場は近年需要が減少傾向にあります。2013年の年間1,059.9億食をピークに消費量は減少中で、2016年は974.6億食と1,000億食を割り込みました。

特に世界の需要の内4割を占める中国での消費量の落ち込みが大きく影響しており、この3年間で2割も数字が落ち込んでいます。

日本ではこの傾向とは逆に、糖質や塩分をカットした健康志向な商品のリリースで停滞気味であった市場の状況を打破し、成長傾向を維持しているようです。
次に東洋水産の経営状況を見ていきましょう。

東洋水産のメインの事業は国内即席麺事業で、2016年度は全事業の売上のうち、32.6%（約1,260億円）を占めています。

1961年から即席麺を手がける同社は、「赤いきつねうどん」、「緑のたぬき天そば」、「麺づくり」などのロングセラー商品を持ちながらも、それらの改良に加えて、近年は生麺食感の「マルちゃん正麺」をリリースし業界の新しいスタンダードを作ってきました。

独自の「生麺うまいまま製法」を5年かけて生み出し、「マルちゃん正麺」は2011年の発売から1年で2億食の大ヒット。今ではすっかりおなじみの商品となりました。

また、海外の即席麺事業は売上全体の19%（約730億円）で、現地法人を持つアメリカとメキシコを中心に、北米や中南米での販売に強みを持っています。

特にメキシコ市場では国民食と言われるほど普及しており、国内のシェア9割を同社の製品が占めています。

このように、主要事業である即席麺事業において代表的な商品を持ち、高いシェアを維持していることは最大の強みと言えます。

それだけでなく、水産食品事業、焼きそば麺やうどんなどを扱う低温食品事業、フリーズドライ食材などを扱う加工食品事業、冷蔵事業など、様々な事業をバランス良く手掛けていることも強みと言えます。

特筆すべき弱みはありませんが、前項でもご紹介した通り全世界での即席麺の需要は減少傾向にある点は業界共通の課題であり、海外展開を進める上でどのような対処をしていくのか注目すべきポイントです。

また、東洋水産の競合他社としては、 日清食品が挙げられます。

最後に東洋水産の成長戦略について見ていきましょう。 東洋水産では中期計画において、注力事項の1つとして「海外展開の加速」を挙げていま