東洋紡株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

東洋紡株式会社を就職活動の観点から企業研究
下記4つのトピックに分けてご紹介します。
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◆ TOPIC
- 最先端素材メーカーとして進化する、日本の繊維メーカー
- 事業転換が功を奏した、繊維業界のリーディングカンパニー
- 「カテゴリー・リーダー」となることを目指すという、成長戦略とは?
- 東洋紡の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

最先端素材メーカーとして進化する、日本の繊維メーカー
国内生産の減少とともに、国内の繊維事業所数、製造品出荷額が減少し続けており、2014年には1991年比で約25%まで減少しています。
(出典: 繊維産業の現状と課題平成29年7⽉27⽇経済産業省製造産業局⽣活製品課 )
その一方で、国内市場における輸入浸透率は増加し続けており、2016年には97.3%まで増加しています。
(出典: 繊維産業の現状と課題平成29年7⽉27⽇経済産業省製造産業局⽣活製品課 )
このように国内の繊維産業は、中国や東南アジアなどからの安価での大量輸入、衣料品の伸び悩みなどを背景に縮小基調にあります。
しかしながら日本は、東京を中心とした高感度で大規模なファッション消費市場があるとともに、国内で糸作りから製品まで一貫した生産体制が構築されている強みがあります。また、日本の繊維産地における技術は海外高級ブランドなどからも評価され、世界的にも競争力のある産業と言えるでしょう。
また、国内の衣料用繊維需要は減少してますが、産業資材用は増加傾向にあります。日本繊維メーカーの技術力を活かした高機能繊維は、国内外において土木・建材、医療・衛生などさまざまな用途で活用されています。
このため、日本の繊維メーカー各社は、炭素繊維やアラミド繊維など世界的に需要や価格競争力のある高付加価値商品へとシフトを開始。また、樹脂や光学フィルムなど繊維事業でのノウハウを活かせる非繊維事業へとシフトするメーカーも増えており、日本の産業を牽引した繊維業界も、素材メーカーとして進化を遂げようとしています。

事業転換が功を奏した、繊維業界のリーディングカンパニー
高機能性が強みの東洋紡製品、中でも食品包装用のフィルムでは日本のトップシェアを有しています。菓子やインスタントラーメンの包装、ペットボトルのラベルが主力だそう。また、液晶画面を見やすくする偏光板用の保護フィルム製品も急成長中。同社が開発したリーズナブルな価格と高機能化を両立した製品は、「素材革命だ」と高く評価され、その結果、2017年3月期の売り上げは前年比で2.2倍増にも。 さらに、人工透析機で用いられる医療用の膜製品が世界でシェアを伸ばしています。
ほかにも、東洋紡独自に海水淡水化装置用の膜製品を手がけ、サウジアラビアを中心に中東地域でプラント向けに事業を展開し、640万人分の淡水製造に貢献。現地製造の準備を進め、新技術の実証試験にも積極的に取り組んでいます。
1995年頃までは売上高の7割が衣料繊維、その他の分野が3割という事業ポートフォリオだった東洋紡。今やフィルムや膜などの非繊維事業分野が7割、衣料繊維が3割程度と逆転しています。このように紡績からの事業転換が順調に進んだ背景には、「意図的に変わっていこうという、我々自身の意志」がポイントだったと社長は述べています。
(出典: 名称「社会に貢献する価値を創り続ける」楢原誠慈 東洋紡社長 – 週刊エコノミスト )
また、東洋紡の競合他社としては、倉敷紡績が挙げられます。

「カテゴリー・リーダー」となることを目指すという、成長戦略とは?
この企業理念のもとに掲げられている経営ビジョンが、「環境、ヘル スケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダーを目指す」というもの。
その柱となるのが、同グループの成長を支える、「重合・変性」 「加工」「バイオ」のコア技術。これらを組み合わせ、融合させることで新しい製品を生みだしてきた経験から、今後は、新たなスペシャルティ事業の創出を加速するために、独自の コア技術をそれぞれ徹底的に強化。さらに外部とも連携し、新製品、新事業などの「新」の創出に取り組んでいくそう。
さらに新分野の開拓と共に2本柱の1つとなるのが海外展開の加速。特に自動車のエアバッグに使う特殊な織物や原糸の事業展開に注力しており、グローバルな拡販体制を強化。新たにインドに販売拠点を置くことを決定しています。加えて、環境やヘルスケア分野の事業化にも重点を置いており、海外市場からの注目も高く、将来の成長分野となりそうです。
「環境・ヘルスケア・高機能」の各分野で求められ る製品の開発を通して、「カテゴリー・リーダー」となることを目指すという、東洋紡の成長戦略。グローバルに社会貢献する会社、新しい技術や製品を創り続ける、成長力と安定性を備えた「高機能製品メーカー」として、同社の挑戦は今後も続いていきます。

東洋紡の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ
いかがでしたか?次回の記事では、有名な東洋紡の教育・研修制度を始め、気になる働き方や年収、インターン・選考対策情報などをお届けします。
東洋紡の年収・インターン・選考/採用情報はこちらの記事へ

会社概要
商号 | 東洋紡株式会社(TOYOBO CO., LTD.) |
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発足 | 創立:1882年(明治15年)5月3日 設立:1914年(大正3年)6月26日 |
代表者 | 楢原誠慈 |
従業員数 | 単体3,041名、連結9,553名(2017年9月30日現在) |
本社 | 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 |
代表者経歴 |
1956年生まれ、福岡県出身。 ラサール高校、東京大学法学部卒業後、九州電力を経て1988年に東洋紡績(現東洋紡)入社。 グループ経営管理部長、財務経理部長、取締役などを歴任後、2014年4月、社長就任。 2016年6月には日本紡績協会会長にも就任。 |

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