irootsインターン生が行く。モンストを支える戦略や組織文化を"生みの親"から聞いてきました。
irootsインターンのkaiです。
今回僕は、株式会社ミクシィ主催の学生向けプレミアムイベント「mixi GROUP Executive Talk Live」に潜入しました。
今回のテーマは、『モンストの競争戦略』。 2013年10月に国内での配信を開始、現在では、台湾、香港、マカオ、中国での展開に成功し、世界累計の利用者は4500万人を超えています。スマートフォンアプリの枠にとらわれず、アニメやグッズ、映画、オフラインショップなど、常にチャレンジングな方法を実行してきたのが『XFLAG スタジオ』です。
『XFLAG スタジオ』を貫く戦略や組織文化とは、何なのか。
モンスト生みの親の二人からお話を聞いてきました。
:電気設備会社、携帯コンテンツ会社等を経て、2008年、株式会社ミクシィに入社。ゲーム事業部にて「サンシャイン牧場」など多くのコミュニケーションゲームの企画を担当。その後モンスターストライクプロジェクトを立ち上げる。
2015年1月より、執行役員に就任。2015年6月、取締役に就任。
多留 幸祐氏(写真右)
:携帯コンテンツ会社、株式会社ライブドア(現 LINE株式会社)等を経て、2014年2月、株式会社ミクシィに入社。モンストスタジオ(現 XFLAG スタジオ)でモンスターストライクの企画・運用に従事。2015年1月、同スタジオの部長に就任。2017年4月より、XFLAG スタジオ モンスト事業本部長として、モンスターストライクに関わる全部門を統括。2017年6月、取締役に就任。

XFLAG スタジオの戦略コンセプト『B.B.Q.』とは。
スマホの目覚ましで起きて、スマホを使って音楽を聴く、乗り換え案内アプリで電車に乗り、友達の更新したSNSの情報とニュースアプリで満員電車を過ごす、目的地に着いたら地図アプリを起動して、、、
僕たちが日常生活で必要としている情報は、スマホの中で完結していることが多いでしょう。そんな中、XFLAG スタジオは『B.B.Q.』というコンセプトを掲げて、スマホの枠に収まらない戦略を実行しているのだといいます。
木村氏
「XFLAG スタジオのミッションがこちらです。『友達や家族とワイワイ楽しめる"アドレナリン全開"のバトルエンターテインメントを創出し続ける。』
私たちはミッションを実践するうえで、重要となる価値を一つのワードに集約しています。
それが、『B.B.Q.(バーベキュー)』という言葉です。
ここには、友達や家族と集まって、熱く盛り上がれる場所を創るという意味が込められています。
『B.B.Q.』というワードを聞いて、どんな場面を想像しますか?
そこには様々な人が火を囲んで集まっている姿が目に浮かぶと思います。肉を焼いている人、後ろの方で水風船で遊んでいる人もいるでしょう。 大事なことは、直接顔を合わせて集まることです。
オンラインゲームとしてはある種、非合理的とも言える考え方ですが、私たちは人が集まって遊ぶことにこだわっています。例えば、XFLAG STORE SHIBUYAにはカフェのスペースもあり、人が訪れてゆったりと楽しむこともできます。」

『売上=ユーザーの熱量。』モンストは常にユーザーを刺激し続ける。
「オンラインゲームなのに、人が実際に集まることにこだわる。」
木村氏の話を聞いていた僕は、正直まだ消化できていません。
本来は、時間や地理的な障壁を越えることができるのがオンラインの強みであるはず。その強みに、いわば反逆するようなコンセプトを掲げる理由はなぜなのでしょうか。
多留氏のトークは、今までモンストとして手がけてきた具体的な取り組みと、その背景から始まります。
多留氏
「ソーシャルゲームにおける『売り上げ』と聞くと、『課金』や『ガチャ』を連想するかと思うんですが、社内でそういった会話することはないです。 売り上げが下がっている時は、『ユーザーが飽きているんじゃないか?』とか『ユーザーの熱量が下がってるんじゃないか?』そういう視点で会話をしています。そもそもゲーム自体を面白くするには?ユーザーを楽しませるには?といった視点で戦略を考えています。
これは『売上=ユーザーの熱量』という考え方で戦っているということです。
ゲーム自体にマルチプレイしやすいような仕掛けをつくるのは勿論のこと、ゲーム外でも「話題になりやすいイベント」を仕掛けたりする理由も、ユーザーの熱量を常に高めたいと思っているからです。
例えば、4周年のCMで起用させていただいた江頭2:50さんや、スポーツ選手にも参加していただいたモンストラックアウトの生放送などですね。ユーザーにとって沢山のドキドキを作り出すイベントでした。」
「モンストがなぜ、オンライン・オフライン問わず様々なメディアを横断して仕掛けていくのか。
その背景には『モンスト経済圏の創出』という考え方があります。
ゲーム・アニメ・グッズ、、それら単体では勝負せず、色々な事業の輪全体が、一つのコンテンツだということです。そして、一つ一つのコンテンツの価値を掛け算していくことで、ユーザーの熱量を雪だるま式に上げていこうという考え方です。
ゲームで登場してくるキャラがアニメにも登場する、それがYou Tubeで配信され、グッズとして販売されていく、このような連鎖によってユーザーの熱量を上げていこうということです。
ただ、私たちも同じ施策を繰り返しているだけではいずれユーザーの熱量は下がってしまいます。常に新しい施策を打ち、新しい話題を作ること、こうした意識が売り上げという結果にもつながっているのだと思います。」

Not「ユーザーファースト」But「ユーザーサプライズファースト」
モンストがスマホの中だけでは完結しない理由、その秘密がだんだんと解ってきました。モンストが目的としているのは、常にユーザーの熱量、だからこそユーザーの熱量を維持するだけでなく高めていくためにスマホの枠には収まらない「新しいメディアミックスとしての価値」を出そうとしているということなのですね。
木村氏は、ユーザーの熱量を上げることと「ユーザーファースト」は異なるといいます。XFLAG スタジオが大切にしている組織文化『ユーザーサプライズファースト』とは一体何なのでしょうか。
木村氏
「私たちXFLAG スタジオが大切にしている指針として、『ユーザーサプライズファースト』という考え方があります。お客様の驚きを何よりも最優先するという考え方ですね。これは私たちXFLAG スタジオの行動指針とも言える、とても大切な考え方です。お客様の驚きを最優先するように行動するということは、例えば、これまでの慣習や上司の顔色などは優先しなくても良いということです。私たち(上司)の言っていることが絶対に正しいというわけではない、スーパーフラットな組織文化を表現しています。
もう一つ、二の次にしていいものがあります。
それが「ユーザー」です。一見矛盾しているように見えますが、違います。
「ユーザーファースト」という考え方のもと、お客様の声をついつい鵜呑みにしてしまう、それだけだとエンターテインメントは陳腐化してしまう可能性があります。時にお客様のお叱りを覚悟しながらも、新しい驚きを提供していきたい。そう考えています。
新卒で入社してくる社員たちにも、そういった姿勢を大事にしてもらいたいと思っています。「自分はどう思っているのか。」「なぜそう思うのか。」、自分の意見や意志を大事にしてください。そうすると、自分とは違う他の人の意見や考え方について深く考えて、理解しようとします。最初は間違えていたって、全然いい。自分の意思を持って『ユーザーサプライズファースト』を考えられる、そんな人にはぴったりの職場だと思います。」
◆編集後記◆
今回『mixi GROUP Executive TalkLive』にてイベントレポートを書かせていただいたのkaiです。
世界でも有数のスマホアプリでもあり、常にユーザーの熱量を上げ続けてきたモンスターストライク。その背景には、ユーザーに対する一貫したコンセプトが存在していました。
特に僕がそのことを痛感したのが、イベント終了後に登壇者のお二人に一つの質問をさせてもらった時です。
「今のモンストの競合って、何だと考えていらっしゃるか?」その回答として、「昔はマルチ対戦型のゲームが競合だった、しかし今は『マルチ対戦ならば、モンスト。』という存在になることが目標なので、どこか他社と比較するよりもモンストとしてどんな価値を提供できるのかを考えてるかな。」そう、仰っていました。
「ゲームはゲーム市場で」、「アニメはアニメ市場で」、これからは一つの場所に限定する戦い方では不十分なのかもしれません。複数の場所でボーダーレスに戦っていくモンストは、ゲームというコンテンツでありながらも、同時にプラットフォームとしての機能も持っていると言えるでしょう。XFLAG スタジオが仕掛けるユーザーの熱量を上げる仕掛けが今後も楽しみになりました。
今回は取材させていただきありがとうございます!
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