株式会社竹中工務店の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事
株式会社竹中工務店を就職活動の観点から企業研究
創業から400余年の歴史を持ち、職人の心を受け継いできた「棟梁精神」が同社に流れるDNA。設計と施工を一貫して担当するなどのこだわりや、建築という仕事に携わる誇りを込め、手がけた建築物を「作品」と呼んでいます。
また、利害関係を排除し、あらゆる人にとっての「最良」となる作品造りに注力するために、非上場での経営を行っていることで有名な建設業界の株式会社竹中工務店に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記4つのトピックに分けてご紹介します。
◆ TOPIC
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建設投資のピークは、2019年度の50.2兆円。今後は海外強化が不可欠
みずほ銀行の調査によると、近年の国内における建設投資額は、人口減少の影響により民間住宅投資の減少は避けられない状況にあります。
しかし、東京オリンピック・パラリンピックに向けたゆるやかな景気回復が続いていることや、民間非住宅投資が下支えしていることなどから、建設投資全体では概ね横ばいで推移しています。
なお、東京オリンピック・パラリンピック関連投資は2019年度に概ね完了する見込みで、建設投資のピークは、2019年度の50.2兆円と予想されています。
■国内名目建設投資の推移
出典: みずほ銀行
国内の建設業界では、中長期的に国内市場の大きな成長が見込み難いため、海外事業を拡大する動きが始まっており、日本企業の海外受注額は過去最高額の1.8兆円を記録しました(2014年)。
しかし、年によって波があるなど、安定的に成長しているとは言いにくい状況です。
また、ENR(Engineering News-Record)が公表している世界の建設企業の収益ランキングを見ても、どの日本企業もトップ10に入っておらず、世界的にはプレゼンスが高くありません(大林組18位、鹿島建設24位、清水建設25位、大成建設26位、竹中工務店37位、2014年)。
多くの企業は足許が好調な国内市場に技術者を取られており、本格的な海外受注の増加につながっていないのが現状。
日本企業の世界地位は中長期的に更に低下していく可能性があり、プレゼンス向上のためには、更なる海外事業強化への取組みが不可欠と言えます。
設計施工一貫が建築の姿であるという信念を持つ、建設大手の非上場企業
今回は、売上1兆円を超えるスーパーゼネコンの中でも唯一の非上場企業で、「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念を有する、竹中工務店を紹介していきます。
同社の創業は慶長15年(1610年)で、神社仏閣の造営を主に行っていましたが、明治維新後になると洋風建築をてがけ始めたことで業態は大きく転換し、一大企業としての基礎を築きました。
現在は、子会社51社、関連会社14社などを抱える国内有数のスーパーゼネコンとなり、主軸の建設事業の他、不動産の売買・賃貸借といった開発事業も運営しています。
セグメント別の売上比率で見ると、建設事業が90%以上を占めており、建設事業に特化した企業と言えます。
近年は建設業界において、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)やPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)の関心が高まっており、同社でも不動産の売買・賃貸借といった開発事業も行ってますが、まだ事業の柱にはなっていない状況です。
竹中工務店の強みは、「棟梁精神」「作品主義」「設計施工一貫」。約400年にわたって受け継いできた「匠の心=棟梁精神」で、建築する「作品」の品質を高めることに徹底的にこだわり、設計と施工を一貫して担当することに責任と誇りを持っています。
このような同社の姿勢は多くの実績に反映されており、国内の優秀な建築作品を表彰するBCS賞をはじめ、優れた改修を実施した建築物を表彰するBELCA賞の受賞件数はいずれも業界でトップクラス。
このほか日本建築学会作品選集、空気調和・衛生工学会の表彰制度などの受賞数も業界最高クラスとなっています。
建物だけにこだわらない。「まち」にフォーカスした成長戦略とは?
竹中グループが2014年に策定した「2025年の成長戦略」によると、グループ全体の事業領域を「まち」として捉えています。
「まちづくりの全てのステージ」で、構想段階から企画、計画、建設、維持運営にいたる「まち」のライフサイクル全てにおける様々な課題に取り組み、人々が安心して暮らすことができるサステナブル社会の実現を目指しています。
今後は建設会社とのしての枠を超え、「まちづくり総合エンジニアリング企業」として、同社のエンジニアリングを結集し、まちに新しい価値を創造する提案を行っていくとのこと。
現在、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを機に、臨海部のまちづくりが期待される江東区の湾岸・運河エリアにおいて、「イーストベイ構想」という未来像を掲げて重点的に取り組んでいます。
一方、地方のまちづくりにおいては、地方創生や社会課題解決の分野をリードするNPO法人ETIC.と連携しながら、財政に余力がなく再開発のノウハウが少ない自治体にも、様々な提案をしていく考え。
国内外を問わず、数多くの建築作品を遺してきた同社ならではの「まちづくり」に注目していきたいと思います。
竹中工務店の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ
建設業界の株式会社竹中工務店は、創業から400余年の歴史を持ち、職人の心を受け継いできた「棟梁精神」が同社に流れるDNA。設計と施工を一
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