三菱総合研究所の企業研究

今回ご紹介するのは、約700名の研究者による、様々な分野における課題解決の総合シンクタンクで有名な、三菱総合研究所。

この記事を読んでいる方の中には、三菱総合研究所への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。
ここでは、三菱総合研究所の経営理念や同じ経営コンサルタント業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある経営コンサルタント会社の中で、なぜ三菱総合研究所なのか？」という質問への対策を考えましょう。

三菱総合研究所について深く知るために、まずは三菱総合研究所の経営理念を確認しましょう。そこから三菱総合研究所が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

三菱総合研究所の経営理念は、以下のとおり。

三菱総研グループは、自らの強みを活かし独創的な知見に基づく企業活動を行うことを通じて21世紀社会の発展に貢献します。
１．英知と情報に基づき社会へ貢献
お客様と社会の発展に貢献する知識創造企業であることを目指します。
２．公明正大な企業活動
公明正大な企業活動を追求し、お客様からの強い信頼感と高い社会的信用を維持します。
３．多彩な個性による総合力の発揮
社員個々は高度な専門性により自己実現を図るとともに、多様性に富む個人の力を結集し、組織的な総合力を発揮します。

【事業ミッション―未来共創事業―】
時代を先取りし、社会・地域・企業の持続的な発展と豊かな未来をお客様と共に創造する「未来共創事業」を推進しています。
１．未来を探り・描く
シンクタンク機能により、お客様の未来を構想する。
２．未来への具体策を示す
コンサルティング機能により、お客様の未来への路を示す。
３．未来を実現する
ITソリューション機能により、お客様の未来を実現する。
（三菱総合研究所 経営理念より引用）

ここから分かるポイントは、「プロフェッショナル」「向上心」「信頼」の3点。
三菱総合研究所が求めているのは「顧客の課題解決を通じて、より良い未来社会を実現する人」。
そのために、まずプロとして自分の専門性を常に磨き上げる努力を怠らないこと。また、多くの人との関わり合いから、自分自身の幅を拡げ深めるよう努めていくこと。
その結果、顧客からの信頼を得て会社の目標達成に貢献するとともに、より良い未来社会の実現にも寄与する。
三菱総合研究所は、このような志を持った人材を求めているのです。

ですから、経営理念や求める人材像に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・チームとして、どのような目標をどのように立てたか
・チームの目標達成のために、個人としてどのような役割を果たしたか
・目標達成の過程で経験した挫折や失敗から学んだこと
・以上の体験で得たことを、仕事の上でどう活かしたいか


次に、経営コンサルタント業界の中で三菱総合研究所と競合会社とを比較してみましょう。
今回は、リンクアンドモチベーションと比較をしてみたいと思います。
まず事業内容を見てみましょう。
三菱総合研究所は、三菱総合研究所グループとして、政策や一般事業に関する調査研究とコンサルティングを実施する「シンクタンク・コンサルティングサービス」、ソフトウェア開発・運用・保守、情報処理・アウトソーシングサービスを実施する「ITサービス」を主な事業としています。
近年は、コンサルティングとICT（Information and Communication Technology：情報・通信に関する技術の総称）による企業の経営革新支援、電力自由化や地方創生等、新しいニーズに対する事業開発、社会課題解決の計画から実行までを支援する“Think & Act”事業に注力。
また、同社の事業上、人材は最も大切な経営資源であることから、その確保と専門知識やスキルの高度化は特に重視して投資しているとともに、職場環境の向上をはじめ、ダイバーシティ、女性やシニアの活躍を推進するなど、会社と社員の信頼を深めるための企業努力が伺えます。

対するリンクアンドモチベーションは、独自の「モチベーションエンジニアリング」という基幹技術で企業や個人の成長をサポートする企業変革コンサルティグを行っています。
「ビジネス部門」と「コンシューマー部門」が主なセグメントで、「ビジネス部門」は、企業や学校等の法人を顧客とし、組織の開発や人材の採用・育成という領域においてサー ビスを展開。
一方 「コンシューマー部門」は、キャリアスク ール・学習塾・スポーツ等のコンシューマー向けビジネスにおけるサービスを提供しています。
このように、企業を支援する方法として戦略やIT、または資金などではなく、モチベーションに焦点を当てた同社のコンサルティングサービㇲはオンリーワンの存在として知られています。

次に財務状況を見てみましょう。
平成27年9月期の売上高は、三菱総合研究所が連結853億5,400万円であるのに対し、リンクアンドモチベーションは連結319億円（平成27年12月期）で、三菱総合研究所が倍以上の差を付けて上回る結果となっています。
一方で営業利益は、 三菱総合研究所が連結55億5,200万円のところ、リンクアンドモチベーションは連結8億8,600万円（平成27年12月期）と、営業利益についても三菱総合研究所が圧倒しています。
当連結会計年度における三菱総合研究所は、シンクタンク・コンサルティングサ－ビスにおいて、 原子力発電所の廃炉や新エネルギー設備導入等の政策支援案件や、放送コンテンツの海外展開支援等のThink & Act事業案件、金融機関向けの市場リスク管理支援案件や顧客データ分析案件等に注力した結果、売上高（外部売上高）は前年同期比7.7％増、経常利益は同23.5％増という業績を記録しています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
IT専門調査会社IDC Japanの「国内コンサルティングサービス市場」予測によると、平成27年度における同市場規模は、前年比で6.3％増の6,463億円。今後5年間の年間平均成長率を3.8％と予測した場合、平成32年には7,773億円まで拡大すると見ています。
中でも、特に成長が期待されるのは企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）における支援領域となっており、デジタル関連のコンサルティングは、平成27年～平成32年の間で25.6％の年間平均成長率で急成長を遂げていくと予測しています。

ここまで三菱総合研究所についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。