構造計画研究所の企業研究

今回取り上げるのは、構造計画研究所、略称KKE。
KKEの始まりは構造設計事務所。設立当時はまだ多くの企業で構造設計に機械式卓上計算機を使っていましたが、KKEは日本で初めて実用にコンピュータを導入しました。
そんなKKEは、時には大学の研究者を巻き込んで、学界と実業界をブリッジする「産学連携」を企業理念として掲げており、ただシステムを開発するのではなく、＋αのアカデミックな「工学知」を乗せたソリューションを提供しています。
今回は、一般的な「IT企業」とは違ったこのKKEについて、詳しく見ていきたいと思います。 まず、初任給は学部卒20万5250円、修士了22万0250円、平均年収は653万（平成25年）と、情報・通信業では、平均くらいの水準です。
これは、KKEがどちらかというと研究機関寄りの企業であり、営利優先ではないことが一因として挙げられます。
しかし、営利優先でない分、KKEはいわゆるロングテールの領域を大事にしているので、ロジックさえ通っていれば、やりたいことは何でもやらせてくれる環境にあります。
そのため、「大学での研究はいつ世の中の役に立つか分からないから、早く社会に出て貢献したい。でも研究が好き。」という方にはおすすめの企業だと言えます。
また、KKEの大きな特徴の一つとして挙げられるのが「シャドーワーク」。
短期的には利益に直結しなくてもエンジニアとしてのスキルを高めることのできる有用な業務外の活動、例えば、学会活動や論文執筆、専門書籍執筆・翻訳といったことは、いつでも自由にできる環境にあるのです。
そういった社風もあってか、従業員の平均年齢40.1歳、平均勤続年数14.6年と、辞める方は少ないようです。

「社会のいかなる問題にも対処できるよう、総合的なバラエティに富んだ専門家を集めた工学を生業とした組織を作りたい」 これは、KKE創業時の