花王の企業研究

今回ご紹介するのは家庭用品、化粧品という2市場のトップ企業で、家庭用品は国内シェアNo1、世界でも5位に君臨。化粧品においても国内トップクラスで有名な、花王です。

この記事を読んでいる方の中には、花王への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、花王の経営理念や同じ家庭用品業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある家庭用品会社の中で、なぜ花王なのか？」という質問への対策を考えましょう。

花王について深く知るために、まずは花王の経営理念を確認しましょう。そこから花王が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

花王は、「花王ウェイ」という基本的な価値観をまとめています。今回は、「花王ウェイ」の使命について、見ていきましょう。
私たちは、消費者・顧客の立場にたって、心をこめた"よきモノづくり"を行ない、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ（持続可能性）に貢献することを使命とします。この使命のもと、私たちは全員の熱意と力を合わせ、清潔で美しくすこやかな暮らしに役立つ商品と、産業界の発展に寄与する工業用製品の分野において、消費者・顧客と共に感動を分かち合う価値ある商品とブランドを提供します。
（花王　花王ウェイ　使命ページより引用）

ここから分かるポイントは、こころ豊かな生活文化を提案する企業として、消費者の満足を実現するために、消費者のニーズを見極め、独創的なシーズと組み合わせて、革新的な商品とブランドを開発し、社会に貢献していこうという志です。
そのため花王では、「共に成長し、次の世代へバトンをつないでいこうという意志を持った人材」を求めています。具体的には、「チャレンジを続けられる人材」「高い専門性を持った人材」「国際感覚豊かな人材」「チームワークを大切にし、恊働で成果をあげる人材」「高い倫理観を持った人材」といった5つのキーワードを掲げています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・花王ウェイへの共感と、花王を通して成し遂げたいこと
・既存の状況に満足せずに、新たな領域にチャレンジした経験
・グローバルマーケットで活かせるあなたの個性や経験
・リーダーシップを発揮し、チームと共に成長した経験


次に、家庭用品業界における花王と競合会社と比較してみましょう。
今回は、ユニ・チャームと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。
はじめに事業内容を見ていきましょう。家庭用品業界と一言で言っても、それぞれ強みとしている分野は異なります。
花王は、トイレタリー分野で国内首位を独走。第2の柱としている化粧品事業においても、カネボウ化粧品を買収し国内トップクラスの規模を誇ります。かつて強みとしていた、原料から最終製品までを自社でつくる「バーティカルインテグレーション」（垂直的統合）を転換し、パートナー企業との連携でグローバルに全体最適を図っている結果、よりスピーディで効率的な事業展開が新たな強みとなっています。
同グループのおもな事業は、化粧品やスキンケア、ヘアケアなどの「ビューティケア事業」、健康機能飲料やサニタリー製品などの「ヒューマンヘルスケア事業」、そして衣料用洗剤や住居用洗剤などの「ファブリック＆ホームケア事業」で、コンシューマープロダクツ事業を展開。一方、「ケミカル事業」では工業用製品を展開しています。
同グループは、世界市場でより存在感のあるグローバル企業となるべき新たなステージを迎えており、世界の人々の「豊かな生活文化の実現」を目指し、「エコロジー経営へのシフト」「グローバルな成長の実現」という新たな2つの成長戦略に取り組んでいます。

対するユニ・チャームは、幼児・大人用紙おむつ業界で首位を誇ります。その他、生理用品や衛生マスク、さらにペットケア用品でも高いシェアを獲得する一方で、国内の成熟化を早くから認め、早期に海外展開を積極化しており、現在では約80カ国以上で事業を展開。
中でも成長著しいアジア地域を重点市場と位置付け、ベビー用紙おむつ、生理用品、大人用排泄ケア用品において主要参入各国でトップシェアを獲得しています。
同グループの主な事業は、「ベビーケア事業」「フェミニンケア事業」「ヘルスケア事業」「ペットケア事業」などで、先進国、新興国という幅広い地域で事業を展開することで、安定した業績拡大を図っています。

次に、財務状況を見ていきましょう。
平成27年12月期の売上高は、花王が連結14,718億円であるのに対し、ユニ・チャームは連結7,378億円とほぼ半分の規模となっています。一方で営業利益は、花王が連結 1,644億円のところ、ユニ・チャームは連結799億で、売上高、営業利益ともに花王が大きく上回る結果となっています。
当会計年度における花王は、国内のコンシューマープロダクツ事業がシェアを拡大し、売上が伸長。海外でもアジアが大きく伸長した結果、売上高は前年同期比5.0%増に。営業利益についても、おもに日本のヒューマンヘルスケア事業やアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収に加え、天然油脂や石化原料などの原材料価格が低下したことを背景に、前年同期比311億円増となり増益を達成しています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
家庭用品業界の国内の市場はほぼ飽和状態と言われており、楽観視はできません。そのため大手各社は中国や東南アジアなど、人口増加と所得水準の上昇が見込める新興国へと早くから販路を広げています。
特に市場規模が大きい中国の「子ども向け紙おむつ市場」では、信頼の高い日本製紙おむつは人気を博しており、中国人は自国ECサイトで購入しているようです。転売されるほどの人気を誇る「メリーズ」を販売する花王は、平成27年11月からアリババの「天猫国際」に出店。「パンパース」のP&Gも同ECに出店しており、中国でのシェア獲得を加速させています。
一方、国内におけるEC化も進んでおり、花王、P&Gは楽天、アマゾンに出店するなど、家庭用品市場においてもECへの対応が今後の大きなポイントになりそうです。

��こまで花王についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 【選考フロ�