清水建設株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

清水建設株式会社を就職活動の観点から企業研究

江戸時代から210余年にわたり、歴史的な物を含め数多くの建造物を世に送り出すとともに、常に果敢なチャレンジを行い建設業界を牽引してきたリーディングカンパニー。コーポレートメッセージとして、「子どもたちに誇れるしごとを。」を掲げています。民間建築のほか、宮大工の時代からつちかった伝統技術が強みで社寺や伝統建築も得意としていることで有名な建設業界の清水建設株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 建造物を造るだけじゃない。インフラに強い建設業界が担う社会的役割
• 「子どもたちに誇れるしごとを。」行う、豊かな歴史と実績を持つスーパーゼネコン
• 建設以外の3つの柱を育て、地球とともに成長・発展していく成長戦略
• 清水建設株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

建造物を造るだけじゃない。インフラに強い建設業界が担う社会的役割

建設業界の実績というと、建造物の完成した姿だけに着目しがちですが、建設会社がつくる建造物は建物であるほかにも、社会の基盤・インフラとして人々の安全で豊かな生活を支える役割を持っています。

このため、地震や津波などの災害発生時には早急の復旧が求められ、建造物を維持する建設会社の役割が極めて重要ですが、このような事実はあまり知られていません。自然災害の多い日本で、実際に建設会社がどのような体制をとっているのか事例を紹介したいと思います。

2009年8月11日に起きた駿河湾沖を震源としたM6.5の地震。お盆の帰省ラッシュ中にある東名高速道路を崩壊させました。

当時、現場から約100㎞離れた新東名の建設工事を担当していた清水建設社員は被災現場へ急行し、土木部門や協力会社へ協力要請を行うなどの復旧作業の手配を実施。復旧に要した期間はわずか4日間で、無事に帰省ラッシュの混乱を回避するという快挙を成し遂げました。

清水建設ではBCP（事業継続計画）に基づき、緊急時にはお客様の施設にどのような被害が発生したのか、その調査・診断を行い、お客様の企業・社会活動を継続させるために最大限の力を発揮する体制を整えています。

このように、建設会社は緊急時対応のみならず、常に社会の基盤を創出しながら未来へつなげていくという使命を担っているのです。

「子どもたちに誇れるしごとを。」行う、豊かな歴史と実績を持つスーパーゼネコン

今回は建設業界のなかでも、「ものづくりへの真摯な姿勢と絶えざる革新志向により、お客様の期待を超える価値を提供し続ける」という、日本資本主義の父ともいわれる渋沢栄一の教えを経営理念とする、スーパーゼネコンの清水建設を紹介していきます。

同社の歴史は古く、文化元年(1804年)に富山の大工だった初代の清水喜助が江戸神田鍛冶町に大工業を開業したのが起源。1838年には江戸城西の丸造営に参加するなどの実績を積み、明治中期には近代建設業者としての基礎を確立しました。

二代目・喜助は日本初の本格的洋風ホテル「築地ホテル館」を始め、 第一国立銀行など多くの擬洋風建築を設計施工でてがけました。その後1948年に社名を清水建設株式会社とし、現在に至っています。

現在、清水建設は子会社65社及び関連会社14社で構成される規模にまで成長しており、建設事業及び投資開発事業を主要な事業としています。近年は、クアラルンプールのパハン・セランゴール導水トンネルをはじめ、九州の中心・博多駅の巨大ターミナルであるJR博多シティ、新東名高速道路など、未来へつなぐプロジェクトに注力しており、売上高15,194億円（2017度）、 純利益849億円（同）を上げています。

建設以外の3つの柱を育て、地球とともに成長・発展していく成長戦略

清水建設が2010年に10年後の目指すべき方向を示した「Smart Vision 2010」によると、同社は、人々が快適で安心して暮らせる環境づくりのトップランナーとして、社会とともに成長を続ける企業でありたいと考えています。

そして、建設事業を核として、社会と建造物の持続可能性（サステナビリティ）を重視し、お客様の期待を超える価値を提供し続ける、『スマートソリューション・カンパニー』になることが目標。

このビジョンを実現するために、収益の柱とすべき3つの事業として「ストックマネジメント事業」「グローバル事業」「サステナビリティ事業」を挙げており、それらの基盤を確立し、さらに地球環境と共に成長・発展し続ける企業になることを目指しています。

清水建設を取り巻く環境は、国内における設備投資意欲は依然として高く、大規模な再開発や商業・物流施設などの大型プロジェクトも目白押しで、今後も堅調に推移していくと予測されています。

海外もインドネシアやベトナム、タイといった国々をはじめ、東南アジアの成長率は高いためインフラ整備の仕事は活発化すると見られていますが、建設以外の柱をしっかりと育てるための投資は、経営環境が良い今こそ行っていく必要があり、清水建設にとっては今がその時。今後の動向に注目していきたいと思います。

清水建設の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

建設業界の清水建設株式会社は、江戸時代から210余年にわ�