NHKの企業研究

今回ご紹介するのは、日本の公共放送を担う特殊法人日本放送協会（NHK）。

この記事を読んでいる方の中には、NHKへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、日本放送協会（NHK）の経営理念や同じテレビ業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるテレビ会社の中で、なぜ日本放送協会（NHK）なのか？」という質問への対策を考えましょう。

日本放送協会（NHK）について深く知るために、まずは日本放送協会（NHK）の経営理念を確認しましょう。そこから日本放送協会（NHK）が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

『「公共の福祉のために」「あまねく」「豊かで良い放送」「不偏不党」「公平・公正」』（平成24年～26年度　NHK経営計画　豊かで安心、たしかな未来へ　公共放送の原点に立ってページより引用）

ここから分かるポイントは、「貢献」「公平」「広い視野」「向上心」の4点。
また、NHKは求める人材として「創造性に富み、個性豊かで高い志と目的意識を持った人」をあげています。
日本放送協会（NHK）の社員として、高い志を持ち、公平で良質な放送の提供に向けて力を尽くす。その結果として、豊かな社会に貢献する。こういった大きなビジョンを持つ人材を、日本放送協会（NHK）は求めているのです。

ですから、経営理念に共感したうえで、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・どのような志を持ち、どのような行動をしてきたか
・目標達成に向けて、どのような発想や工夫をしたか
・視野を広げるために、どのようなことをしたか
・これまでの経験が、働く上で会社や社会のためにどのように役立つか

次に、テレビ業界の中で日本放送協会（NHK）と競合会社とを比較してみましょう。

今回はテレビ業界の中で、フジテレビジョン、テレビ朝日を比較します。
日本放送協会（NHK）は、他のテレビ会社とどのように違うのでしょうか？

まずそれぞれの会社の事業内容を比較してみましょう。 日本放送協会（NHK）は、公共の放送機関です。放送法に基づく総務省所管の特殊法人であり、12人いる経営委員は、衆参両院の同意を得て、内閣総理大臣が任命します。
他のテレビ会社と違い、スポンサーがいないので、より公平な番組を作成することができます。 事業内容は国内放送（総合テレビ Eテレ BS1 BSプレミアム ラジオ第1・第2　FM）、国際放送に加え、放送と受信の進歩発達に必要な調査研究とされています。
日本放送協会（NHK）2015年から2020年の経営計画としては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた「最高水準の放送・サービス」の実現や、「国際発信とインターネットによる情報発信の強化」をあげています。公平で魅力的なコンテンツの放送を基本としつつ、日本と世界を結ぶ「信頼される公共放送」を目指しています。
対してフジテレビジョンは、フジ・メディア・ホールディングスの子会社としてテレビジョン放送、番組制作、映画・映像ソフト制作、イベント、通信事業、権利ビジネス等の業務を担っています。 特に平日午前帯の放送（「めざましテレビ」「とくダネ！」「ノンストップ！」の生放送）は好調を維持しています。
またテレビ朝日は、テレビ朝日ホールディングスの子会社として放送事業を担っています。報道情報番組「報道ステーション」のほか、バラエティーやスポーツ、ドラマなどで注目度の高い番組を放送しているほか、サイバーエージェントとともにインターネットテレビ局「AbemaTV」を開局しています。

次に、日本放送協会（NHK）と他社の財務状況を比較してみましょう。
2015年の売上高は、フジテレビジョンが310,120百万円、テレビ朝日が280,779百万円なのに対し、日本放送協会(NHK)の2015年事業収入は754,700百万円と突出しています。
他のテレビ会社はスポンサー契約などの広告収入を主な収入源としているのに対し、日本放送協会（NHK）の主な収入は受信料による収入です。NHKの放送を受信できるテレビを設置した人は、NHK放送受信契約を結ぶことが放送法で定められており、平成26年度末の世帯契約率は75.6%となっています。この高い契約率により、日本放送協会（NHK）は安定した財源を確保し、公平・公正な放送を提供しています。
しかし、近年は受信料支払い拒否の増加や不透明な経営が問題になっており、経営の効率化や合理化を求める声が上がっています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
近年、インターネットの普及に伴うテレビの視聴率の減少により、テレビ業界は転換期を迎えています。
また、スポンサー契約などの広告収入を主な収入源としていたテレビ業界は、企業の広告宣伝費の削減や、インターネット広告の増加により大きな影響を受けています。
より魅力的な番組をつくること、また、広告収入以外の収入源の確保・拡大などに力を入れることが、今後ますます重要となってくるでしょう。

ここまでNHKについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フロー