富士フイルムホールディングスの企業研究

今回ご紹介するのは、カメラやフイルム、OA機器から化粧品や健康食品まで扱っている富士フイルムホールディングス。
この記事を読んでいる方の中には、富士フイルムへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、富士フイルムホールディングスの経営理念や同じ家電メーカー業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある家電会社の中で、なぜ富士フイルムホールディングスなのか？」という質問への対策を考えましょう。


富士フイルムホールディングスについて深く知るために、まずは富士フイルムホールディングスの経営理念を確認しましょう。そこから富士フイルムホールディングスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

富士フイルムホールディングスの企業理念は、以下の通り。
『わたしたちは、先進・独自の技術をもって、最高品質の商品やサービスを
提供する事により、社会の文化・科学・技術・産業の発展、健康増進、環境保持に貢献し、
人々の生活の質のさらなる向上に寄与します。』（富士フイルムホールディングス　採用情報ページより引用）

ここからわかるポイントは、「積極性」「専門性」「探求心」「社会貢献」の4点です。
自ら進んで仕事に関わる積極性を持ち、社会全体の問題を発見・追求し専門性を備えた独自の技術を開発することによって解決する。さらに社会全体、そこに住んでいる人々への社会貢献としての役割を果たす。そういった理念を持って仕事のできる人材を、富士フイルムホールディングスは求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、皆さんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・自ら積極性をもって物事に取り組むことができたか
・自らの興味・関心のあることを深く学ぶことができたか
・常に新しいことに対して興味を持ち、自らの見聞を広げることができたか
・自らが所属した組織の中で役割をもち貢献することができたか


次に、家電メーカー業界の中で富士フイルムホールディングスと競合会社とを比較してみましょう。
富士フイルムホールディングスの競合会社といえばキヤノンが思い浮かぶはず。
富士フイルムホールディングスとキヤノンはどのように違うのでしょうか？

まずは富士フイルムホールディングスとキヤノンの財務状況を見てみましょう。
2015年12月期の売上高は、キヤノンが38,002億円（前年比1.9％増）であるのに対し、富士フイルムホールディングスが24,916億円（前年比0.04％減）と下回っています。
一方で営業利益に関しては、キヤノンが3,552億円（前年比2.3％減）のところ、富士フイルムホールディングスが1,911億円（前年比10.9％増）となっています。富士フイルムホールディングスの営業利益は、2年前には1,408億円でしたから、大きく伸びている事が分かります。
売上高は「企業の事業規模」、営業利益は「本業で稼いだ利益」を意味します。
売上高に対して営業利益が多い企業は、コスト管理が成功していると言えます。
このような視点からみると、2年前と比べると売上高は横ばいなのに、営業利益が35％も増加している富士フイルムホールディングスは「コスト削減」に成功しつつあるという状況がみえてきます。

それでは、両者の事業戦略の違いについて見てみたいと思います。
キヤノンは従来からのカメラ事業に現在も力を注ぎ、大きな売上高と営業利益を上げていますが、富士フイルムホールディングスは今までのフィルム事業で培った技術を活かし、医薬品や化粧品などの異業種へと進出し売上高を順調に伸ばしています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
近年の家電業界、特にカメラ市場においては2000年をピークにスマートフォン市場にその顧客を奪われ市場は減少傾向にあり、現在では従来の1/10となってしまっています。
そんな中、デジタルカメラが主流製品である世界最大手コダックが2012年に経営破綻するなど非常に厳しい環境が強いられています。

そんな中で注目されるのが、富士フイルムホールディングスのフィルム技術を転用した多事業への新規参入です。それまでは縮小し続けるカメラ市場に付随したフィルム市場を主流としていた富士フイルムホールディングスは売上高が年々減少していました。しかし2000年以降に始めた医療用フィルムや内視鏡の販売、化粧品アスタリフトの販売が含まれるインフォメーションソリューションにより2012年度は前年比約150%増の22,147億円まで売り上げを伸ばし、新規事業への参入が成功であることを結果として示しました。

富士フイルムホールディングスでは、その後、コスト削減による営業利益の増加も果たしましたが、その間、売上高が横ばいにとどまっています。富士フイルムは、他社に先行する特許技術も多く保有しており、技術力にかけては高いものがあるだけに、次は売上高を上げるべく攻めの経営に転じる時ではないでしょうか。

ここまで富士フイルムホールディングスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行ってい�