旭化成の企業研究

今回ご紹介するのは、ケミカル・繊維から、電子材料・電子部品、医薬・医療、住宅、建材まで、幅広い事業領域で世界中の人々の暮らしを支える総合科学メーカーで有名な旭化成。

この記事を読んでいる方の中には、旭化成への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る」

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。
ここでは、旭化成の経営理念や同じ化学業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある化学会社の中で、なぜ旭化成なのか？」という質問への対策を考えましょう。

旭化成について深く知るために、まずは旭化成の経営理念を確認しましょう。そこから旭化成が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

旭化成のグループ理念は、以下の通り。
『私たち旭化成グループは、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。』（旭化成　グループ理念ページより引用）

ここからわかるポイントは、旭化成グループとして永遠に追及するのは、世界の人びとのために、「健康で快適な生活」と「環境との共生」を現実化し、社会に新たな価値を創造しようという志です。そのために、「自らも成長・変化しながら、新たな価値の創造にチャレンジしていく」、そして「周囲の人々に対する誠実さ」を兼ね備えた人材を求めています。
同グループは、このような人材とともに、「昨日まで世界になかったものを」創造するという使命を課し、世界の人びとが“いのち”を育み、より豊かな“くらし”を実現することに最善を尽くしています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・ 旭化成を通して、世界の人びとに向けて創造したい、新たな価値について
・ 高い理想と独自の発想力で、主体的に周囲を巻き込んでいった経験
・ 現状に満足することなく、自ら変革をおこし、やりぬいた経験

次に、化学業界の中で旭化成と競合会社とを比較してみましょう。
旭化成の競合会社といえば、三菱ケミカルホールディングスがあげられます。今回は、旭化成と三菱ケミカルホールディングスを比較してみましょう。

まず、財務状況を比較してみます。平成28年3月期の業績を見てみましょう。
三菱ケミカルホールディングスの連結売上高は3,823,098百万円。対して、旭化成の連結売上高は、1,940,914百万円。
平成25年から26年の化学業界内の主要企業売上高におけるシェアを見ると、トップの三菱ケミカルホールディングスは12.9％、対して旭化成は業界5位の2.9％のシェアを占めています。三菱ケミカルホールディングスの規模の大きさが際立ちます。

続いて、事業戦略を見ていきましょう。
三菱ケミカルホールディングスは、日本最大の総合化学企業であり、平成27年度は世界第11位に位置。総合力、規模ともにトップクラスの企業です。特に、機能性商品、ヘルスケア、化学素材分野に力を入れています。
対して、旭化成は、化学、住宅、建材、繊維、エレクトロニクス、医薬・医療分野に力を入れており、世界でも有数の多角化経営を展開。世界トップクラスのシェアを持つ製品も数多く保有しており、業界内でも確固たる地位を誇る独創性の高い企業です。
そんな旭化成は、10年後のグループのあるべき姿として「収益性の高い付加価値型事業の集合体」となるべく目標を掲げており、まず、当初3年間で目指すのは「多角的な事業・多様な人財の結束で飛躍の基盤をつくる」こと。
これを前提とした上で「クリーンな環境エネルギー社会」と「健康・快適で安心な長寿社会」の実現に取り組んでいくようです。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
中小企業基盤整備機構が運営する中小企業のためのポータルサイトJ-net21によると、平成26年における化学工業の製品出荷額は、28兆円。
世界的に見ても、化学業界は景気回復に向かっており、売り上げは増加傾向にあります。
このような状況の中、日本の企業は特に高機能材料（液晶ディスプレイ、半導体材料など）で世界市場における高いシェアを占める存在となっていますが、各社の企業規模は欧米各社のそれと比較しても小規模となっており、今後も企業買収や業界再編の動向には注視してかなければならない状況にあると言えるでしょう。

ここまで旭化成株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。