三菱重工業株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

国内重工業業界大手の一角で、火力発電所、 製鉄機械、ロケットからエアコンなど、数多くの製品を手掛けています。フォークリフト・製鉄機械・化学プラント・商船などを中心とする事業に強みがあり、売上高の5割以上が北米やアジアを始めとした海外市場にあることで有名な重工業業界の三菱重工業株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 2019年3月期の重工メーカー動向。海洋資源開発関連は成長市場に
• 三菱の創業者岩崎彌太郎を起源に持つ、陸・海・空・宇宙の製品を手掛ける重工業企業
• 人々が安全で豊かな生活を営める社会の進歩に貢献するための成長戦略<
• 三菱重工業株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

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2019年3月期、総合重機各社を取り巻く事業環境について日本格付研究所が公表した内容によると、船舶海洋分野では、新造船の受注量が回復傾向にあるものの、そのペースは緩慢であり、手持工事量も直近ピークの2015年末に比べ7割強の水準となっています。また、船価も低位にとどまっているとのこと。

一方、海洋資源開発関連は成長市場と目されています。足元で原油価格が持ち直す中、数多くの海洋石油開発プロジェクトが計画されるなど事業環境は好転に。

航空宇宙分野では、民間航空機の需要が旅客数の増加に伴い堅調に推移していますが、総合重機メーカーが手掛ける民間向け航空エンジンの分担製造品やボーイング向けの分担製造品は、新機種への移行に伴う影響を受けています。

また、陸上分野の事業環境は量産機械系の需要が比較的堅調な一方、火力発電や原子力発電関連では再生可能エネルギーへの需要シフトといった逆風が吹いています。加えて、米中貿易摩擦などの影響で景気の先行き不透明感が増しており、今後の需要動向には特に注視が必要との見解が述べられています。

今回は重工業業界の中でも業界大手3社の一翼を担う、三菱重工業を紹介します。

同社は、岩崎弥太郎による造船事業から始まり、社会のニーズに応じて様々な分野の技術を導入・開発した結果、火力発電所、 製鉄機械、ロケットからエアコンなど、数多くの製品を手掛けています。

近年は、日立製作所と火力発電システム事業の合弁会社「三菱日立パワーシステムズ」や、ドイツのSiemens と製鉄機械の合弁会社「Primetals Technologies」などを設立するなど、事業規模の拡大と収益力の向上にも積極的。

2017年度の売上高は4兆1,108億円で、そのうちの5割以上が北米やアジアを始めとした海外市場であげられています。また、2013年度から2017年度の5年間の研究開発費の合計は約7,700億円。中心となる総合研究所と各ドメイン間との密接な連携により、各製品の競争力の強化やさらなる事業拡大につながる研究開発を強力に推進しています。

同社の事業は大きく3つのドメイン（事業領域）に分かれており、 2017年度の売上のうち、火力・原子力・再生可能エネルギーなどの発電設備を中心とする「パワードメイン」が36％、フォークリフト・製鉄機械・化学プラント・商船などを中心とする「インダスト リー＆社会基盤ドメイン」が46％、民間航空機・防衛装備品・宇宙ロケットなどを中心とする「航空・防衛・宇宙ドメイン」が18％を占めます。

また、営業利益は、パワードメインが最も多く、インダストリー＆社会基盤ドメインが続きます。 小型旅客 機Mitsubishi SpaceJet（三菱スペースジェット）の研究開発費用が嵩んでいる航空・防衛・宇宙ドメインは、マイナスに。

■ドメイン別売上高・営業利益構成(2017年)

出典： 三菱重工業

三菱重工業グループは、パワー、インダストリー＆社会基盤、防衛・宇宙、航空機等、社会を支える様々な分野で、高い技術力に裏付けされた信頼できる製品・サービスの提供を通して、人々が安全で豊かな生活を営める社会の進歩に貢献することを経営の基本方針としています。

これに基づき、経営の基盤となる技術力・ものづくり力の向上、伸長事業への設備投資や研究開発、人材等の経営資源の集中、急速に進展するグローバル化への対応等の施策を実施し、事業体質の一層の強化に努めています。

なかでも、同社グループが、今後も持続的に成長していくためには、事業規模拡大によりグローバル競争力を強化していく必要があり、5兆円超の事業規模の実現が目標に。そして、この経営戦略の要が三菱日立パワーシステムズを中心とするエネルギー事業の再建です。

ライバルの米ゼネラル・エレクトリックや独シーメンスが構造改革を進める中、三菱重工もエネルギー・環境分野は三菱重工の幹であり存在意義として抜本的対策に乗り出しています。今後もその動向が注視されていくことでしょう。

重工業業界の三菱重工業株式会社は、国内重工業業界大手の一角で、火力発電所、 製鉄機械、ロケットからエアコンなど、数多くの製品を手掛

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