読売新聞グループ本社の企業研究

今回ご紹介するのは、世界一の発行部数を誇る新聞社である読売新聞社。

この記事を読んでいる方の中には、読売新聞社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

(1)会社概要　(2)「企業」を知る　(3)「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、読売新聞社の経営理念や同じ新聞業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある新聞会社の中で、なぜ読売新聞社なのか？」という質問への対策を考えましょう。

読売新聞社について深く知るために、まずは読売新聞社の経営理念を確認しましょう。そこから読売新聞社が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

読売新聞社の信条は、以下の通り。
『読売新聞は責任ある自由を追求する。個人の尊厳と基本的人権に基づく人間主義をめざす。国際主義に立ち、日本と世界の平和、繁栄に貢献する。真実を追求する公正な報道、勇気と責任ある言論により、読者の信頼にこたえる。』（読売新聞　読売信条ページより引用）

ここからわかるポイントは、公正な報道と責任ある言論によって、世界の人々に貢献していこうという志です。そのため求めているのは、「広く社会に関心を持ち、問題意識を持って行動できる人材」となっています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・ 読売新聞を通して、成し遂げたい志
・ 社会に対する問題意識と、自分なりの解決策について
・ 読売新聞社の報道姿勢に対する共感ポイント

次に、新聞業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、朝日新聞社と比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、財務状況を比較してみます。平成28年度3月期の業績を見てみましょう。
読売新聞は基幹6社（グループ本社、新聞３本社、読売巨人軍、中央公論新社）で3,843億円の売上高を持っています。一方の朝日新聞社は4,200億6,900万円となっており一見朝日新聞がリードしているようにも感じられますが、読売新聞は基幹6社以外のグループ会社の売上高も含めれば6,558億円にも上るため、グループ全体の強さは読売新聞グループに軍配が上がりそうです。

では、この背景にある事業の特徴や経営状況についても比較をしてみましょう。
まず読売新聞グループの強みは新聞の発行部数No.1である点でしょう。
2015年11月時点での朝刊発行部数はおよそ936万部にもなり、国内はおろか世界最大の発行部数を誇っています。新聞業界共通の課題である発行部数の減少には読売新聞も同様に悩みを抱えている一方で、読売旅行、プランタン銀座、読売不動産、読売日本交響楽団など多彩な分野のグループ会社を持っているという特徴もあり、業界内でも比較的売上を高く保てていると言えます。

一方の朝日新聞社は2014年に東電・吉田調書や従軍慰安婦報道問題について謝罪、社長の引責辞任などがありその影響を大きく受け発行部数の減少を免れなかったものの、2015年時点ではおよそ710万部の発行があり業界内では2位の位置にいます。
加えて、朝日新聞社は6,000億円近い総資産を保有していることも経営状態を保つ強みの１つです。このうち半分以上が純資産となっており、借金は実質的にゼロとなっています。さらに、築地の東京本社に加え、有楽町マリオン、大阪の中之島フェスティバルタワーなど、収益性の高い優良不動産を多数保有していることも注目に値するでしょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
日本新聞協会によると2014年度の新聞社総売上高推計額は1兆8,266億円。10年前から30%も売上高は減少しており、新聞販売部数と広告収入の減少は歯止めがかからない状況です。将来的な人口減少を考えると、今後も減少傾向は加速することが考えられます。未購読層には、経済的理由や利便性によって「購読を中断した層」と、「まったく読んだことのない層」が含まれており、購読者を開拓する上では異なったアプローチが求められます。
こうした状況において新聞業界各社は紙からインターネットへと発信の場を移行し、会員登録制による電子版新聞の有料サービスの提供や、グローバルに展開するメディアとの協業、新聞以外の事業の強化など、事業構造の転換を目指してきました。しかし、日経新聞以外の電子版の状況はその登録者数などの実績が公開されていない所を見ると苦戦を強いられていることが考えられます。 とはいえ、各新聞社の長年築いてきた取材ネットワークや報道機関としての役割は大きく、インターネットで情報を得られるようになった現在でも、1つのインフラとして新聞社が必要とされることに変わりはありません。最前線の情報を発信する機関としての役割を続けることもちろんのこと、今後より多様化する他メディアとの連携をし、新しい在り方が求められるようになりつつあると言えるでしょう。

ここまで読売新聞社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。