日本マイクロソフトの企業研究

今回ご紹介するのは、Windowsやクラウドコンピューティング事業で今尚ソフトウェア業界の頂点に君臨する日本マイクロソフト。

この記事を読んでいる方の中には、日本マイクロソフトへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、日本マイクロソフトの経営理念や同じ情報・通信業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある情報・通信会社の中で、なぜ日本マイクロソフトなのか？」という質問への対策を考えましょう。

日本マイクロソフトについて深く知るために、まずは日本マイクロソフトの経営理念を確認しましょう。そこから日本マイクロソフトが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

日本マイクロソフトの企業ミッションは以下の通りです。
『世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること』
上記のミッションを遂行するために、マイクロソフトの従業員は、以下の 6 つの価値観に基づいて日々の活動を行っています。

Integrity and Honesty
―誠実で正直であること
Open and Respectful
―オープンで、相手に敬意を表すること
Big Challenges
―大きな課題に対しても果敢に挑戦し、最後までやり抜くこと
Passion
―お客様、パートナー様、技術に対する情熱をもつこと
Accountable
―自らの言葉とコミットメントに責任を持って何事にも取り組むこと
Self-Critical
―自分に厳しく、自らの向上に努めること』
（企業ミッション - マイクロソフトについてページより引用）

ここから分かるポイントは、「誠実」「チャレンジ精神」「情熱」「責任感」の4点。
マイクロソフトの社員として、真摯な態度で仕事に取組み、顧客や会社の仲間を敬うこと。常に学び、大きな目標達成のために積極的にチャレンジし、責任を持って完遂できる人材、コミュニケーション能力にも長けた人物を日本マイクロソフトは求めています。

ですから、企業ミッションに共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・チームとしてどのような目標を提案したか
・目標達成のために個人としてどのようなことをしたか
・この経験から何を学び得たか
・あなたが、会社のため、社会のためにどのように役立つか

次に、情報・通信業界の中でマイクロソフトと競合会社とを比較してみましょう。
マイクロソフトの競合と言えばいくつかの企業が挙げられますが、今回はその中でもグーグルと比較してみましょう。
この2社を比較する際のポイントは各OSシェアとタブレット市場における動向です。

まずOSのシェアですが、違う分野において現在はそれぞれがトップシェアを持つ状況にあります。

マイクロソフトは言わずとしれた「Windows」シリーズで、パソコンOS市場に置いて長年圧倒的なシェアを誇っています。2016年6月時点での世界シェアは89.79%にもおよんでおり、2位Macの8.19%と比べ物にならないほどの状況となっているのが現状です。Windows7がOSシェアの約半数を占める他、2015年にリリースされたWindows10もシェア率19.14%まで上昇しており徐々に市場に浸透してきたことが伺えます。

一方のグーグルはスマートフォンOSの「Android」のシェアに強みがあります。2015年末時点では、日本におけるAndroidシェアは32.9%に止まり、iPhone人気に伴ってAppleのiOSがシェア66.43%と主流となっていますが、世界シェアはiOSが19.58％なのに対しAndroidは66.28％にも及んでいます。これはアジアや欧州などのマーケットでAndroidのシェアがiOSを圧倒していることに起因していると言えます。

両者ともに強みとは逆のパソコン・スマートフォンOS市場でもそれぞれ事業を持ってはいるものの、それぞれの寡占状態を簡単に覆せる状況ではありません。そこで、第三の分野として注目すべきなのがタブレット市場です。
タブレット市場においては2016年第二四半期のシェアはAndroidが65%、iOSが26%、残りの9%がWindowsとなっており、Androidがやはりシェアが高いものの、タブレットにもパソコンにもなる「2 in 1パソコン」が注目を浴びており、市場に変化が見られている点は見逃せません。このトレンドにより従来のタブレット需要は縮小することが見込まれており、Android端末メーカーがWindows搭載製品を販売するなどの動きも見られています。

以上のように各デバイス需要に変化があるのと同時に、OS需要にも変化が生じていることが伺えます。現在強みとしている分野だけでなく、これから成長していく可能性がある分野での比較が、この2社においては重要です。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。

競合比較ではソフトウェア業界におけるOS分野の動向に着目しましたが、パソコンは需要が減退、タブレット市場もやや停滞感が高まっている状況です。そこで、今後同時に注目すべきクラウドコンピューティング市場にも目を向けてみましょう。
クラウドコンピューティング業界の2014年度の売上金額は約1,350億円で前年比21.3%増という大きな伸びを見せ、2019年には3,000億円超の市場になると言われる急成長市場です。市場を牽引しているのはAmazonで、企業向けクラウドサービスの「Amazon Web Services」でストレージ、データベース、分析などさまざまな機能を兼ね備えています。また、グーグルはGmailやGoogleカレンダーなど、主に「Google Apps」などの一般消費者向けのクラウドサービスが特徴です。

マイクロソフトの場合は、クラウドサービスの分野ではクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を中核としてクラウドOSを展開しています。ストレージサービスやバックアップはもちろんのこと、Web向けアプリ、データ分析、IoTなど多岐に渡る分野のクラウドサービスを提供しており、2014年以降特に強化を図っています。

市場全体はこのような世界的大手のベンダーが牽引し、サービスの多角化と低価格化が進むことが予想されますが、特定のジャンルへの特化型サービスも増えつつあるため、各企業のサービス展開の方向性に注目が必要です。

ここまで日本マイクロソフトについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょ�