凸版印刷の企業研究

今回ご紹介するのは、印刷業界首位の凸版印刷。

この記事を読んでいる方の中には、凸版印刷への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、凸版印刷の経営理念や同じ印刷業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある印刷会社の中で、なぜ凸版印刷なのか？」という質問への対策を考えましょう。

凸版印刷について深く知るために、まずは凸版印刷の経営理念を確認しましょう。そこから凸版印刷が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

凸版印刷の経営理念は、以下の通り。
『私たちは　常にお客さまの信頼にこたえ　彩りの知と技をもとに　こころをこめた作品を創りだし　情報・文化の担い手として　ふれあい豊かなくらしに貢献します』（凸版印刷「企業理念」より引用）

ここで示されているのは、凸版印刷の社員一人ひとりに共通する価値観であり、凸版印刷が大切にしてきた人間尊重の考えです。凸版印刷は「顧客第一主義」を実現するため、印刷の持つ創造性やそれを引き出す企画力・マーケティング力・技術力を組み合わせ、優れた「作品」の提供に努めています。
求める人材像は、「原点」があり、「限界」のない人。凸版印刷が原点とする「印刷技術」を「印刷テクノロジー」へと進化させたように、原点となる高い志・熱い想いを持ち、限界のないビジネスを生み出せる人を必要としています。

ですから、みなさんがアピールすべきなのは、以下の4点だと考えられます。
・学生時代に頑張ったこと、そこから得た自分の強み
・困難や挫折を乗り越え達成したこと、その克服方法
・自分の将来像、目標のために継続して努力していること
・チームで頑張ったこと、その中での自分の役割、リーダーの経験

次に、印刷業界の中で凸版印刷と競合会社とを比較してみましょう。
凸版印刷の競合会社といえば、業界2位の大日本印刷が挙げられます。今回は、印刷業界2強の凸版印刷と大日本印刷を比較していきます。
まず、それぞれの事業内容を見ていきましょう。
凸版印刷の事業は、「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」の3分野にて展開しています。中核の「印刷テクノロジー」事業では、印刷技術の進化を基盤に事業分野拡大に注力しており、強みはグループの総合力。近年では電子チラシや電子書籍等のデジタル関連事業が好調となっており、平成28年9月には、世界最大となる32インチの「曲がるカラー電子ペーパー」の共同開発に成功しています。
対する大日本印刷の事業は、「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」「清涼飲料」の4分野。中核の「情報コミュニケーション」事業では、リアル書店・ネット通販・電子書店を連動させた「ハイブリッド型総合書店」の事業を推進しています。強みは情報産業であり、近年では業務用プリンタ向け記録材が好調となっています。

さらに、凸版印刷と大日本印刷の業績推移を見ていきましょう。
凸版印刷の直近3年のグループ売上高は、ほぼ横ばいとなっており、平成28年3月期には1,474,682百万円（前年比△3.4％）を計上しています。一方で営業利益、経常利益はともに年々増加傾向にあり、平成28年3月期の営業利益は48,532百万円（前年比＋18.7％）、経常利益は51,854百万円（前年比＋14.6％）。この背景には、既存事業でのコスト削減、新規事業への積極的な資源投入、海外展開の加速などがあります。
対する大日本印刷の直近3年のグループ売上高も、ほぼ横ばいに推移しています。平成28年3月期売上高は1,455,916百万円（前年比△0.4％）。営業利益、経常利益に関しては年々減少傾向にあり、同年の営業利益は45,471百万円（前年比△5.6％）、経常利益は52,651百万円（前年比△2.1％）となっています。

最後に、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
印刷業界は現在、トップの凸版印刷と第2位の大日本印刷の2強体制で、3位以下を大きく引き離しています。
業界全体の売上高は依然として縮小傾向にあり、平成25～26年の業界規模は3兆8,383億円（対象企業27社合計）。過去5年の伸び率は－1.3％となり、インターネットの普及に伴う出版不況や、企業の広告宣伝費の縮小が影響しています。
そんな中、この2強は新たな事業を打ち出し生き残りに成功しており、微増ながらも業績も伸ばしています。中核の印刷事業を新規事業で支えるという事業モデルの構築により、出版だけでは生き残れない業界に早くから対応しています。近年では思わぬところで印刷会社の名前を見る機会も増え、凸版印刷では、証券類、カード、ディスプレイ関連、半導体関連、パッケージなど様々な分野に印刷技術を応用しています。日本の印刷技術は優れていることから、海外への展開も積極的に行われており、今後の動向にも注目が集まっています。

ここまで凸版印刷についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フ