学研ホールディングスの企業研究

今回ご紹介するのは、創立70余年を誇り、出版物の発行や学習塾をはじめとした教育サービスで有名な学研ホールディングス。

この記事を読んでいる方の中には、学研ホールディングスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、学研ホールディングスの経営理念や同じ教育業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある教育会社の中で、なぜ学研ホールディングスなのか？」という質問への対策を考えましょう。

学研ホールディングスについて深く知るために、まずは学研ホールディングスの経営理念を確認しましょう。そこから学研ホールディングスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

学研ホールディングスのグループ理念およびビジョンは、以下の通り。
【グループ理念】
私たち学研グループは
すべての人が心ゆたかに生きることを願い
今日の感動・満足・安心と
明日への夢・希望を提供します。

【グループビジョン】
ずっと、いっしょに
"まなび"をたのしく！
ワクワク☆ドキドキ 創造企業（学研ホールディングス　グループ理念ページより引用）

ここからわかるポイントは、教育分野のコンテンツ創造企業として、新たな価値を提案していこうという志です。そのため、学研ホールディングスは、「変化を恐れずに、常に挑戦し続けられる人材＝Creative Challengeできる人材」を求め、年齢や役職に関係なく意見を出しあい、共に進化していける環境を整えています。
ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・学研ホールディングスを通して、世の中に創造したい新たな価値について
・新たな領域に果敢に挑戦し、何かを成し遂げた経験
・周囲を巻き込みながら、チームワークを発揮することで進化した経験

次に、教育業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、ベネッセホールディングスと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、財務状況を比較してみます。平成27年9月期（ベネッセホールディングスは平成28年3月期）の業績を見てみましょう。
ベネッセホールディングスの売上高は連結4,441億9,000万円であるのに対し、学研ホールディングスの売上高は連結959億4,500万円。
一方で営業利益は、ベネッセホールディングスが連結108億6,200万円 のところ、学研ホールディングスは連結15億9,900万円となっています。
売上高・営業利益ともにベネッセホールディングスが上回る結果となっていますが、前期比を見ると、学研ホールディングスは増収、増益となっているのに対し、ベネッセホールディングスは減収、減益という結果になっていることは着目すべき点と言えるでしょう。
また、学研ホールディングスが増収・増益となった背景には、主力である「教室・塾事業」の「学研教室」事業において、タブレットを利用した学習サービスをはじめ、幼児・小学校低学年向けの学習コースを増設したり、「進学塾事業」で個別指導の生徒数が増えたことや受講コースの充実を図った結果、顧客単価が上がったこと等が挙げられています。

次に事業内容を見てみましょう。
学研ホールディングスは、グループの戦略を担い、グループ経営のモニタリングを行う持株会社。学研ホールディングスグループは、同社と子会社47社、そして関連会社3社で構成されており、出版物の発行や学習塾など教育サービスを行っています。主な事業は「教室・塾事業」「出版事業」「高齢者福祉・子育て支援事業」「園・学校事業」の4つで、教育と出版に関する多様な事業展開が強みとなっています。
また、近年のデジタル化やグローバル化に呼応し、多数の質の高いコンテンツを擁する同グループは、「グローバル」「デジタル」「教育ICT」を中核として電子書籍や教育クラウド、教育コンテンツ開発、海外サービス展開などを促進し、「出版社からコンテンツ・サービス創造企業へ」と大きくシフトしており、チャレンジ精神に富み、挑戦し続けることができる人材を求めているのも納得がいくことでしょう。
対するベネッセホールディングスは、同社と同社の子会社43社、関連会社5社で、「国内教育」「海外事業開発」「介護・保育」「ベネッセUSA」という4つのカンパニーを柱とした事業を行っています。
近年は海外事業を積極的に推し進めており、世界70ヵ国に渡るベルリッツ事業や中国をはじめとしたアジアでの事業展開など、平成32年を目標とした中期成長戦略の実現を目指しています。



また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
教育業界では、ICT（情報通信技術）の進歩により、パソコンやスマートフォン、タブレット等を活用したデジタル学習が急速に拡大しており、新規参入する企業も増え競争が激化しています。また、小学校5、6年生における英語の教科化や、高等学校の英語による英語授業指導等で英語教育に対する保護者の関心が大いに高まっている状況にあると言えるでしょう。
一方で社会人となっても、世界中でグローバルに活躍できる人材の育成ニーズが高まっているため、引き続き学習の機会が増えています。留学や海外経験がキャリア形成に有利になることや、新興国の経済成長を機会と捉える学生が増えたこと等から、留学者数が増加。さらに、eラーニング等の語学サービスも多様化が進んでいます。
また、学研ホールディングスは「高齢者福祉・子育て支援事業」として介護に関する分野に参入していますが、高齢化の進行が急速に進む中、引き続き介護サービスへのニーズが拡大しています。また、「高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律」（改正高齢者住まい法）では、 サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進していることもあり、サービス付き高齢者向け住宅の登録数が増加傾向に。

ここまで学研ホールディングスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょ�