パソナグループの企業研究

今回ご紹介するのは、「2015年度卒新卒就職人気企業ランキング」（みんなの就職活動日記調べ）において総合第85位に輝いた、パソナグループ。
昨年は113位に位置していましたので、大幅にランキングアップしており、注目の高さがうかがえます。
※ランキングは、みんなの就職活動日記（楽天株式会社）「2015年度卒新卒就職人気企業ランキング」。

この記事を読んでいる方の中には、パソナグループへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか 」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。
会社概要　 「企業」を知る　 「採用情報」を知る
他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、パソナグループの経営理念や同じ人材派遣業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある人材派遣会社の中で、なぜパソナグループなのか 」という質問への対策を考えましょう。

パソナグループについて深く知るために、まずはパソナグループの経営理念を確認しましょう。そこからパソナグループが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

パソナグループのグループ経営理念は、以下の通り。
『「社会の問題点を解決する」私たちパソナグループの仕事は、「人を活かす」こと、人々の心豊かな生活の創造、すなわち「ライフプロデュース」です。私たちは、この役割を果たすため、常に高い志と使命感をもち、新たな社会インフラを構築し、果敢に挑戦し続けることを使命とします。』（パソナグループ　会社情報　企業理念ページより引用）

もう一度働きたいと願う主婦に、能力や技能を活かす場を提供したいという思いから創業した、パソナグループ。経営理念からわかるポイントは、社会の問題点を雇用面から解決し、「人を活かす」場を世の中に作ろうという志です。そのため、パソナグループが求めているのは、「ゼロから創りだしていく強いエネルギーを持った人」や「社会に貢献したいという強い使命感と情熱を持った活力ある人」となっています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
パソナグループを通して、解決したい社会の問題点について
ゼロから、何かを作り出した経験
「人を活かす」という仕事に対する思いや情熱


次に、人材派遣業界における競合会社と比較してみましょう。今回は、業界トップとなるテンプホールディングスと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、財務状況を比較してみます。平成24年から25年度の業績を見てみましょう。
テンプホールディングスの売上高は2472億円、シェアは24.2％。対してパソナグループの売上高は2076円、シェアは20.3％となっています。
テンプホールディングスとパソナグループが業界売上高の44％を占め、3位以下の企業のシェアは1桁台となっています。このことからわかるように、2社の影響力の大きさがうかがえます。

では、昨今の戦略を見ていきましょう。
テンプスタッフを傘下に持つテンプホールディングスは、一般事務派遣や金融向けの専門事務職派遣に強みを持っていましたが、昨今は、技術者派遣の日本タクシードを傘下に収め、各分野の強化を図っています。さらに、人材サービス大手のインテリジェンスホールディングスを買収することで、総合人材サービスの展開に向けた戦略をとっています。
対して、パソナグループは、プロフェッショナル人材の派遣やキャリア層の転職支援をはじめ、未就職の新卒者への就職支援や、会社の規模や働き方を問わず利用できる福利厚生サービスの提供、農業の発展に寄与するインターンプロジェクト、音楽やスポーツ活動と仕事の両立支援など、独創的なアイデアでニーズを掘り起こし、新たな雇用インフラを創造しています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
主要対象企業36社の売上高合計による平成24年から25年の人材派遣業界の市場規模は、1兆220億円となっています。規制緩和、少子化、若年女性の人材不足などを背景に、拡大を続けてきた人材派遣業界でしたが、景気に左右されやすい業界のため、リーマンショック以降は厳しい状況が続きました。
しかしながら、平成24年以降は国内景気の回復にあわせて雇用環境の改善が図られ、増加傾向にあります。今後も、経済環境や規制緩和によって大きく変化する業界であることは確実であり、政治動向と密接なつながりがあるため、引き続き注視が必要です。また、人材派遣の最大のメリットは、即戦力を好きな時に好きな数だけ派遣してもらえるという企業側のメリットが大きく、いったん不況になると真っ先に「派遣切り」が行われ、結果として若年層の貧困化の原因になっているという見方もあります。こうした社会問題に対して、どのようなソリューションを取っていくのか、各社の姿勢が問われています。

ここまでパソナグループについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。