親といかに接するべきか(大学生の就職活動編)

 

未来は誰にも予測できない

未来は変わることが前提。これは親との就職活動を語る前にまず意識をしたいと思います。私が社会人であった18年間でさえ社会は大きく変化しました。これからも変化するという予測はあります。

 

むしろ変化のスピードは加速すると。本質的には変化が加速するかどうか、もっというと本当に変化するのかさえも誰にもわからないと思うのですが、仏教用語で『諸行無常=この世の現実存在はすべて、すがたも本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができない。Wikipedia抜粋 』とも言われますので、変化は加速するという前提で本論を進めます。

 

経験を積んでも未来は予測できない。

 

諸先輩がたから「私の経験ではこうだったから、」という話が出てきたら注意報です。「その人の経験」の再現性について注視しましょう。再現性のない過去の経験は多い。むしろ過去のしがらみが少ないあなたのほうが今後の世界が見え、就職活動でも正しい選択ができるそういった感覚を持っている可能性があります。就職先は親御さんや先輩に相談することは過去を知る上で大切ですが、未来は自分で選んでください。それなのに、あなたが未来の選択に不安で不安で仕方なければ、親御さんも当然ながら不安になります。

 

「この子一人で大丈夫かしら。私が必要なんじゃないかしら。」

 

「過去のことは是非教えて下さい。未来のことは自分で選ばせてください。」と優しく強くお伝えください。
未来のことは自分で選ぶ。これだけは徹底してください。

 

「親を安心させたい」は必ず善か

親を心配させないように親が安心する会社に行きたいという若者がかつていました。その若者は大学時代から親に心配と迷惑をかけていました。勉強もせず最初の就職活動も真剣にせず、親を喜ばせたことがほとんどありません。

 

ある時その若者は転職を考えました。自ら事業を作れるような企業に就職して事業家になりたいという理由の転職活動。その彼が選んだ転職先はとある有名企業のグループ会社。

 

こんな会話がきっかけでした。

父  「お前、転職考えてるんだって?」
若者 「何社か受けようと思ってる。実は明日KD○Iのグループが最終なんだけど、、」
母  「K○DIってなんか聞いたことあるわねえ。なんの会社?」
父  「バカ野郎、お前KDD○って言ったらCMやってるし有名じゃないか、いいじゃないか。立派立派。」

その時、子供は「まだ行こうかどうするか迷ってて、、」という言葉を飲み込んだ。
親父が喜んでくれてる。それにしても歳とったなあ。まあ受かりそうだし悪くないか。

 

親孝行できるし。

 

結果的にその決断は失敗だった。自分が当事者意識をもち覚悟を決めて就職したという意識が実に薄かった。会社は素晴らしい先輩も多く成長可能な環境だったものの、私はそこでやり切る決意ができず1年も経たずして退職した。

 

ここは俺が選んだんじゃない。俺は事業を立ち上げたかったのに。すべてにおいて「他責」だった若者は何を隠そう14年前の私自身です。『親を安心させたい』という一見美しい気持ちが人生の選択においてあらわれたとき、自分の人生を自分で決めるんだという主体者意識を持っているか一度確認して欲しいと思います。

 

親との会話は自己分析になるか

親がすごいのはあなたが生まれてから今までのことを一番長く観測していること。だから親にあなたがどんな人間であったかを聞けばわかるよ。さあ自己分析の為に親御さんと話しましょうというロジックがあります。一理あります。確かになかなかずっと自分のそばに居てくれた人は親以外にはそう多くはないですね.

 

では冷静に過去を思い出してみよう。果たして親が今の自分を正確に理解できているか。小学校から大学まであなたが外でどう行動してきたのか親は本当に知っているでしょうか。学校であった楽しかったこと、辛かったことをどのくらいお父さんやお母さんに伝えてきたのでしょうか。伝えられないことを人は知ることは出来ません。

 

多感な成長期に親に自分の本音を言えない子供は多い。

 

今のあなたの事を正確に理解できない親に自己分析を頼むのはリスクをともないます。
ましてや就職先を決めるときに親を頼るなんてとてもリスキーです。

 

「あなたの事は誰よりも知ってるのよ。あなたには無理よ。
悪いこと言わないから、もっと安定したところに行きなさい。」

 

こうお母さんに言われた時にはしっかりと伝えましょう。
「小さい頃の私と今の私は違います。今の私をどのくらい知っていますか」と。
「小さい頃と一緒よ、あなたは」と納得していただけない時のために一つの研究結果をご紹介します。

 

2016年に発表されたイギリスのエディンバラ大学とリバプール・ジョン・ムアーズ大学の共同研究調査は興味深い。174人の男女に対して11歳・14歳そして60年以上を経た77歳の3回の時期に渡って、6つの性格診断項目(自身、忍耐、安定、慎重、独創、成功欲求)に関する時間軸での比較調査がなされた。その結果、幼少期と60年以上を経た現状において安定と慎重においては若干の相関性が見られたものの、その他の項目において相関性は見られなかったとあります。

 

「三つ子の魂100まで」という諺がありますが、必ずしも本当ではないようです。
人は変わるんだなという点も心にとめておきましょう。

 

就活において親の出るマクはないか

少なくとも一つあります。

『三つ子の頃の魂』を親御さんに教えてもらいましょう。 あなたはどうやって生まれたのか、いつ頃立ち上がったのか。立ち上がるまでにどんな努力をしてたのか。最初に発した言葉は何だったのか。口癖はなんだったのか。3歳の時に好きだったことは何?嫌いだったことは何? どんな性格だったのか。0歳から3、4歳くらいまで聞けることは聞いてみましょう。

 

あなたも覚えていない過去。
今の友達も知らないあなたの原点。
その頃のあなたを一番知っているのは親御さんではないでしょうか。

 

「あなたは小さい頃よく泣き虫で。。。」
「うるせー恥ずかしいから黙れ!!!」

 

このような会話をしていた方ほど是非話しをしてみてほしい。「恥ずかしい」というのは今の自分とは違うんだという主張かもしれません。違いは進化であり成長です。ただ自分の成長を知るためには一番最初はどうだったのかできるだけ詳細に押さえておく必要があります。原点を知らなければ、今の自分は生きてて普通、取るに足りない、別に進化もしてないと思ってしまうかもしれません。

 

原点を知ることが出来たら、あなたが0歳で生まれ、声を出し、1歳でハイハイし、歩き始め2歳で言葉をしゃべり、さらに急速に進化していった事実を驚異的にも感じられるでしょう。小学校に入り、自分の人生を歩み始め、親も知らない中で少しずつ自分自身の時間を生き、現在どうなっていて、将来どうありたいかを考えるための活力が湧いてくるはずです。

 

「三つ子の魂」はあなたの原点であり自信の源です

 

そして原点から現在までのあなたの進化「差分」はあなたの将来の進化の可能性を大いに認識させる根拠となります。そのことを理解することによりあなたが就職活動において将来を語る上で輝きを増すことにつながるでしょう。

 

その為にも親御さんに是非聞いて見てほしい。
自分の原点は何だったのかを。

 

―この記事を書いた人―

小笠原 寛
iroots 事業責任者
ベトナム戦争終結の年に生まれた浜っ子。仏教系中高からキリスト教系大学へ。大学時代から人材業界でアルバイト。そのまま人事・人材業界へ。採用責任者、紹介、グローバル・障がい者採用からダイレクトリクルーティングまで経験。2012年からずっとiroots。心の根っこを大切に。