はじめに

いよいよ大学3年生の夏を迎え、19卒生のみなさんも就活準備を本格スタートするタイミングになりました。準備万全!という方も、実際動き出すと不安で仕方がないという方もいるでしょう。

そこで今回は、今、就活準備中の学生さんが本当にやっておいて欲しい事をお話したいと思います。 

 

大学3年の夏にすること。

大学3年の夏になると外資系企業での採用活動が始まったり、サマーインターンへ向けての面接が始まったりと、自分の周囲でやおら「就職」の2文字がざわざわしてくる頃だと思います。

あなたの周りでも、「俺もう就活イベント行ってきたよ。」「どこそこのコンサル受けたよ。」「俺、志望業界とか決めたわ。」という知人や友人も出てくる頃でしょう。

 

でもまず立ち止まってください。焦って周囲のプレッシャーにひるんで、いろいろやらないでください。

無駄にイベントに参加したり、無駄に志望業界とか決めたり、無駄に面接対策などしないでください。一旦自分がしていることに不安を感じたら全部ストップしてください。 

 

最初にやるべきことはたった2つ

全てをストップさせた後にまずは冷静になってみましょう。

この時期に最初にやるべき事は2つあります。

1.内側(自分の本心)を知る。

2.外側(社会・企業)を知る。

たったこれだけです。

この2つが出来たら内側と外側のフィット度合いを比較し、フィットしそうだなと思う企業に向き合います。

何度も言いますが最初にすべきことは面接などの就活対策ではありません。

この順番を間違えると就職活動の中盤や後半で本当に自分の選択は正しいのかと悩むことになります。

 

○経済学部Aさんのケース

大学4年の夏、行きたかった業界への内定がまだゼロ件で悩んでいるAさん。これはそろそろ夏になってきたなあと友人たちから就活の話が出てきて、気になってきたちょうどその頃、Aさんと友人との会話再現です。

Aさん 「就活とかどうしてる?」
友人 「俺、コンサル受けてるわ。」
Aさん 「なんだコイツ。もう業界とか決まってんのかよ・・・(心の声)」
友人 「お前は?」
Aさん 「ん?俺か、今んところ海外とかに興味があるから商社考えてんだよね。(割とデマカセ)」
友人 「志望動機とか作り込んで行った方が良くね。商社倍率高いよ・・・」
Aさん 「お、おう、そうだよな、今やってるところだよ。」

そこからAさんの総合商社への志望動機作りが始まりました・・・

 

実際多くの学生がAさんの様になんとなく就活準備を始めるでしょう。取り急ぎ志望業界を決めて、それに対する志望動機を作り込む。途中で無理が生じるのは致し方ありません。

しかし問題をややこしくするのは、それでも内定まで獲得できる人は確かにいるという事です。

「な〜んだ、結果オーライじゃん!」

相反して正直者はバカを見ることになります・・・

 

あなたは正直者?嘘つき?

皆さんはどちらでしょう。

嘘でも本当のように語りきれる、コミュニケーションのお化けでしょうか。
それともどこかで人間らしく本音が出てしまう人でしょうか。

私は多くの学生が本当は「正直者」だと思っています。

 

最終面接になって「貴社である理由(ありもしないもの)」を伝える時に、つい緊張して話せなくなる学生が多いこと。

努力して頑張って面接官に合わせ、必死で自分を作り込んで内定をとってみたものの、内定承諾するか悩む学生が多いこと。

実際に入社しても、仕事してみて「こんなことがやりたかったのではない」と、入社後に退職を検討する社会人が多いこと。

 

それぞれの時間軸が早いか遅いかだけであり、結局のところ多くの人は正直者なんです。

ならば今から正直者になりましょう。

では正直者になるためには何が必要でしょうか。

 

自分の本音(根っこ)を知ること。

正直になる為には自分の根っこを知ることです。
根っこを知るためには何をすればいいのでしょうか。

これまでの自分がやってきたこと(根っこ)をとにかく書き出してみれば良いのです。
なるべく幼少期からだ。できるなら3歳くらいまで遡ってみると良いです。

「あの頃、テレビばかり見てたな。」
「あの頃、泣いてばかりいたな。」
「あの頃、お母さんのことが大好きだったな。」

そんな忘れていたことを思い出してとにかく書き出してみてください。
意外と思い出せないはずです。

「あれ?この期間私は何してきたんだろう・・・」
それを思い出す作業をするのです。

忘れてしまったこと。忘れたくて封印して本当に頭から消えていたこと。
この作業は重要です。事実が揃っていなければ、そこからの分析は絶対にできません。
それを思い出すことによって、俺は一体何者だったのか?という「事実の輪郭」が掴めるようになります。
この作業を忘れる人、怠る人は本当に多いです。

 

未来へのほとばしる欲求を知ろう

事実の輪郭を掴んだら次にやるべきことは、なぜそれをしたのか思い出すこと。WHYです。

「WHYが大切」これはよく言われることで、実際大切です。

 

なぜそれをしたのかを思い出せば、自分の「思考の輪郭」が見えてくるからです。

だが何度も繰り返すが、前段の「事実の輪郭」が十分でなければ「思考の輪郭」など出てくるはずがありません。

過去の自分を知るのは容易ではありません。

 

しかし、過去の自分にたどり着いたらあともう少しです。

過去は過去として、未来の私はどうありたいのか考えれば良いのですから。

「え?過去の自分を未来の自分にも当てはめるんじゃないの?」

違います。過去の自分をそのまま継続する必要はありません。

その自分を今この就活事前準備のタイミングで客観視してみればいいのです。

 

「なるほど。私の本音はこうだったのか。」

「では本当にこれまでの本音のままでいいの?満足?」

「未来はもっと違う自分でありたいとは思わない?」

 

これまでの本音を客観視することで、過去の自分に対する課題意識は生まれ、

そこから未来の自分へのほとばしる欲求は生まれます。

 

「自分はこれまでこんな本音があった。この部分は好きだし、大切にしたい自分だ。」

「でもこの部分については今まで通りじゃダメだし、絶対に変えなきゃいけない。」

「どう変えたいんだ?どうありたいんだ?その為には未来の自分に何が必要なんだ???」

 

そうする事によって自分のありたい姿がおぼろげながらに見えてきます。

外側(社会・企業)を本格的に知ろうとするのは、そこからでも決して遅くないんです。

 

―この記事を書いた人―

小笠原 寛
iroots 事業責任者
ベトナム戦争終結の年に生まれた浜っ子。仏教系中高からキリスト教系大学へ。大学時代から人材業界でアルバイト。そのまま人事・人材業界へ。採用責任者、紹介、グローバル・障がい者採用からダイレクトリクルーティングまで経験。2012年からずっとiroots。心の根っこを大切に。