この会社で、自分はどんな未来を描けるだろう?――。ファーストキャリアという重要な選択を前に、そんな期待を抱える就活生へ。「Vision Talks」は、企業の未来を創り、その舵を取るリーダーたちが自らの言葉で、会社の未来像、そしてこれから仲間になる若手への想いを語る企画です。今回は株式会社東京通信グループの執行役員 横山 佳史さんにお話を伺いました。>>irootsへのログインはこちら
Interviewee’s Profile
設立:2015年
「Digital Well-Being」をビジョンに掲げ、スマートフォン向けカジュアルゲームの開発・運営を主力事業として展開。国内ダウンロード数では3年連続1位を達成するなど、業界をリードする存在。企画から開発、プロモーションまでを一貫して手掛ける体制と、データ分析力を強みに、ユーザーに楽しみを届けている。
横山 佳史/株式会社東京通信グループ 執行役員
前職では岡山県の印刷会社に勤務。2015年、株式会社東京通信グループに社員第一号として入社。その後は、ゲームアプリを企画開発する事業部を管掌。国内ダウンロード数上位のアプリを多数輩出するなど、アプリ開発の実力者として事業を牽引し、2019年に取締役に就任。現在は執行役員として、若手の育成にも力を注いでいる。
- 「暇つぶし」のその先へ。ダウンロード数No.1企業が目指す、“愛されるゲーム”づくりの現在地
- 失敗は「かすり傷」。3人1組のユニット制が叶える、圧倒的な打席数と成長サイクル
- 自由の裏には責任がある。若手を“ひとりのプロ”として信頼し、オーナーシップを求める理由
TOPICS
「暇つぶし」のその先へ。ダウンロード数No.1企業が目指す、“愛されるゲーム”づくりの現在地
Q1. 株式会社東京通信グループが描く将来像やビジョンについて教えてください。
私たちのビジョンは、シンプルに「名実ともにNo.1のカジュアルゲームデベロッパーになる」ことです。ありがたいことに、国内のダウンロード数では3年連続で1位を達成することができましたが、正直に言えば、まだ“真のNo.1”とは言えないと感じています。
その理由は、カジュアルゲームというジャンルの特性にあります。どうしてもプレイ時間や継続率が短くなりやすく、結果としてユーザー一人あたりの収益が限定的になってしまう。私たちはこれまで、広告運用やマーケティング、そしてデータ分析の力でダウンロード数を最大化することに強みを発揮してきました。しかし、これからはその数字の裏側にある“感情”に、もっと寄り添っていく必要があると考えています。
単なる暇つぶしのツールとして消費されるのではなく、「このゲームが好きだから」「また明日も遊びたいから」という動機で手に取ってもらえるような体験をつくりたい。そこにこそ、ユーザーとの深い関係性が生まれ、ビジネスとしても新たな厚みが出てくると信じています。私たちが届けたいのは、日常のちょっとした幸せです。数字だけでは測れない“愛され方”を追求しながら、楽しさと事業成長を両立させていく。それが、私たちの描く未来です。
Q2. そのビジョン実現に向けて、現在注力していることは何ですか?
現在の注力ポイントはコンテンツと、マーケティングの2つです。
まずコンテンツ面では、「この会社のゲームはどれも面白い」「次回作も遊んでみたい」と感じてもらえるプロダクトを増やすこと。プロダクト単体のヒットにとどまらず、会社そのもののファンを増やしていくことを目指しています。もちろん、愛されているかはプレイタイムなどの数字に表れるので、データを見ながら作っていく手法は変わりません。その上で、ユーザーが世界観に共感し、開発者の熱量を感じられるようなプロダクトをつくりたいと思っています。ただし、時間をかければ良いものができるわけではなく、自社企画・開発で明確な〆切がないからこそ、自分たちで厳しくスケジュールを管理するプロ意識が求められます。
一方、マーケティングについては、これまで十分に注力できていなかった領域を強化している段階です。具体的にはSNSマーケティングと、他社とのアライアンスの2本柱です。SNSでは、広告に頼らずユーザーと直接つながり、プロダクトの魅力を伝えていきます。ユーザーとの“距離の近さ“がブランド力につながると感じています。また、アライアンスではIPコラボやメディア連携など、外部との掛け合わせによって新たな価値を創出しています。
国内中心の展開から、世界中のユーザーに愛されるブランドを築くために、私たちはスピード感をもって、つくる・広げる・磨くを繰り返しています。

失敗は「かすり傷」。3人1組のユニット制が叶える、圧倒的な打席数と成長サイクル
Q3. 若手社員が成長するために、最も大切だとお考えのことは何ですか?
成長の一番の近道は行動すること、そして失敗を恐れないことだと思います。失敗を避けようとする気持ちは誰にでもありますが、失敗を怖がるあまり挑戦しなくなると、成長のチャンスは減ってしまいます。むしろ若いうちは、失敗の数が多いほど経験値も増えますし、発想の引き出しも広がります。「最初はうまくいかないことのほうが多い」と思えば、失敗は当たり前として次に活かせるし、うまくいった時の喜びはもっと大きくなります。
また、私たちの会社はとてもフラットな組織で、年齢や役職に関係なく意見を出せます。ユニットごとに色があり、リーダーによって進め方が違うなど、画一的ではないボトムアップな文化が根付いています。だからこそ先輩が言うまで待つのではなく、自分がやりたいからやるという姿勢が求められます。上司や先輩の承認を待たずにまず試してみる。たとえ上手くいかなくても、そこから学んで次に活かす。そうした“行動の積み重ね“が、実力を育てる一番のトレーニングだと思います。
私たちは挑戦する人を応援します。完璧な人より、試行錯誤しながら成長していく人の方が、ずっと魅力的です。恐れず動ける人にこそ、大きなチャンスが巡ってくるはずです。
Q4. 株式会社東京通信グループには、どのような若手社員の成長環境がありますか?
私たちの開発スタイルは、「小規模開発×アジャイル」が基本です。プロデューサー・デザイナー・エンジニアの3人で一つのユニットを組み、企画から開発、リリース、運用までをスピーディーに回しています。
この仕組みがもたらす最大の特徴は、なんといっても“打席数の多さ”です。一つのプロジェクトが短いサイクルで進むため、1年のうちに何度も企画からリリースまでの一連の流れを経験できます。これは、他社ではなかなか得られない、圧倒的な成長機会だと自負しています。実際に入社1年目から開発ユニットに加わるメンバーも多く、自分が手掛けたプロダクトが世に出ていく、あのワクワクの瞬間を何度も経験できるのは、成長のモチベーションにもなるはずです。
また、小規模開発だからこそ、失敗してもすぐに立て直せます。当社での失敗はかすり傷みたいなものが多いとよく言っていますが、まさにその通りで、大きな組織のように一度の失敗が重くのしかかることはありません。むしろ当社では、「次にどう改善するか」という前向きな思考が評価されます。「試す・振り返る・改善する」。このサイクルを高速で何度も回せるからこそ、若手は1年で驚くほど成長できる。挑戦と経験が常にセットで手に入る環境が、私たちの最大の魅力です。
Q5. これまで若手社員に任せた仕事で、印象的なプロジェクトがあれば教えてください。
若手の活躍で特に印象的だったのは、入社2年目のエンジニアが中心となって手掛けたプロダクトが、App StoreとGoogle Playの両方でダウンロードランキング1位を獲得したことです。
彼は入社当初から学ぶ意欲が非常に高く、自ら新しい技術をキャッチアップしては「こう改善したい」と積極的に提案してくるタイプでした。その熱意がチーム全体に伝播し、メンバー一人ひとりが「もっと良いものを作ろう」と成長していく。結果として、チーム全体の力が最大化された素晴らしい事例でした。
もちろん、周囲のサポートはありましたが、何よりも彼自身が「これは自分のプロダクトだ。自分の責任でヒットさせるんだ」という強いオーナーシップを持って取り組んだことが、成功の最大の決め手だったと思います。当社には、年齢や肩書きに関係なく、能力と意欲があればどんどん仕事を任せていく文化があります。彼の成功は、単なる一本のヒット以上に、“若手が自らの意志で挑戦し、大きな成果を出せる会社である”ことを象徴する出来事でした。

自由の裏には責任がある。若手を“ひとりのプロ”として信頼し、オーナーシップを求める理由
Q6. 株式会社東京通信グループを志望する若手社員に、どのようなことを期待していますか?
私たちは、若手であっても“ひとりのプロフェッショナル”として扱います。もちろん必要なフォローはしますが、常に自分の頭で考え、判断し、行動する姿勢を求めています。
よく自由な社風と言われますが、それは放任とは全く違います。それは、社員一人ひとりへの信頼の証です。そして、自由には必ず責任が伴います。誰かに指示されるのではなく、自分で決めるからこそ、仕事は面白くなるし、人は成長できる。だからこそ、私たちは指示待ちではなく、自ら道を切り拓いていきたい、という強い意志を持つ人を求めています。
小さなユニットで動くからこそ、成果も失敗も、すべてが自分事になります。誰かのせいにできる環境ではありません。うまくいかないことを誰かや環境のせいにしてしまう他責傾向の人は、この環境では正直しんどいかもしれません。
一人ひとりのオーナーシップが、会社を前に進める原動力です。自分の力を試したい、自分のアイデアで世界を動かしたい。そんな熱い想いを持つ人に、ぜひ仲間になってほしいですね。
Q7. 最後に、就職活動に励む学生へメッセージ・エールをお願いします。
就職活動は、企業に“選ばれる”ための時間ではなく、“自分を知る”ための貴重な時間だと思います。どんな環境なら自分はワクワクできるのか、何をしている時が一番楽しいのか。それを見つけることが、何よりも大切です。
もしあなたが、「自分のアイデアを形にしたい」「早く成長したい」「挑戦そのものを楽しみたい」と感じているなら、きっと当社の文化はフィットすると思います。
私自身の経験を振り返ると、キャリアの最初は「守破離」の「守」、つまり、言われたことを徹底的にやり抜き、信頼を得るところから始まりました。その土台があって初めて、自分のやりたいことや新しい挑戦が生まれてくる。どんな選択をするにせよ、まずは目の前の仕事に本気で向き合い、自分自身の価値観に正直でいてください。会社の肩書きや知名度よりも、“自分が本気になれる場所”を見つけることが、最高のスタートラインになります。
失敗も成長の一部として楽しめる、そんな仲間といつか一緒に仕事ができる日を心から楽しみにしています。

