シンガポール航空の企業研究

今回ご紹介するのは、五つ星エアラインとして有名なシンガポール航空。

この記事を読んでいる方の中には、シンガポール航空への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、シンガポール航空の経営理念や同じ航空業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある航空会社の中で、なぜシンガポール航空なのか？」という質問への対策を考えましょう。

シンガポール航空について深く知るために、まずはシンガポール航空の経営理念を確認しましょう。そこからシンガポール航空が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

シンガポール航空の企業理念は、以下の通り。
『最新鋭の翼とやさしいおもてなし』
（マイナビ2015より引用）

ここから分かるポイントは、「先進的」「ホスピタリティ」「高レベルのサービス」の3点。
最新鋭機を積極的に導入する。心のこもった接客を行う。質の良いサービスを提供し続ける。 こうした大きなビジョンを持った人材を、シンガポール航空は求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 最新鋭にこだわることに、どんな価値を見出すか
• 他者の気持ちを察するために、普段どんなことを意識しているか
• 価値あるものを提供し続けるために、組織としてどんな努力をするか

次に、航空業界におけるシンガポール航空と競合会社と比較してみましょう。
シンガポール航空の競合といえば、エバー航空が挙げられます。
シンガポール航空とエバー航空はどのように違うのでしょうか。

シンガポール航空とエバー航空の事業内容を見てみましょう。
シンガポール航空は、日本だけでなく海外のサービス調査でも高評価を得ています。『最新鋭の翼とやさしいおもてなし』という企業理念のとおり、機材の平均機齢は約6年と短く、2007年には総2階建て大型機エアバスA380を世界で初めて導入しました。また、客室乗務員がシンガポールの民族衣装をアレンジしたサロンケバヤの制服を着用しているのが非常に印象的です。もちろん、外見だけでなく質の高いサービスも評判です。世界の有名シェフを集めた機内食「インターナショナル・カリナリー・パネル」など常に新しいサービスを導入することで、航空業界をリードする存在といえます。

一方エバー航空は、世界最大級のコンテナ船運航会社「EVERGREEN」を筆頭とする、台湾有数の企業グループEVERGREEN GROUPの一員として1989年に台湾で設立されました。 中国本土との外交関係が 2009 年に改善された直後には、中国と台湾間の定期便を可能にするインフラに投資しました。 現在は、週におよそ 80 便を中国の主要 20 都市に運航しています。また、中国国内の最大のライバル航空会社であるチャイナエアラインが、頻繁に事故を起こしているのとは対照的に、安全面での評価が高いのが特徴です。また、2013年には世界最大の航空連合であるスターアライアンスに加盟し、より信頼が増しています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
国産初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット（MRJ）」の初飛行が5月末に控えてえいます。三菱重工業傘下の三菱航空機の開発による開発・製造はヤマ場を迎え、水面下では「運航」に向けた動きも活発化しつつあります。ANAホールディングス（傘下に全日本空輸）グループはすでに、今年4月にも、次世代地域航空ネットワーク検討協議会（NRANC）に参画する方向で最終調整をしています。

「NRANC」とは、MRJを活用して「地方-地方」「アジア-地方」を結び、地域活性化につながる航空サービスの仕組みを考える組織のことです。3月14日に北陸新幹線が、来年には北海道新幹線が開業されるなど、新幹線網が整備されたことで、航空の地方路線の廃止・減便傾向が進んでいます。しかし、大型機ならば赤字路線でも、70～90席のMRJならば採算が合う場合もあります。さらに、安倍政権の政策課題である「地方創生」を追い風に、これまで、就航していなかった地方都市間での就航も可能になるチャンスが出てきました。

また、外国人観光客を呼び寄せるインバウンド消費の掘り起こしの手段として、MRJが注目を浴びています。実は、数年前に福岡県や地元に本拠を置く企業が中心となり、「九州地域における交通ネットワーク高度化協議会」を結成しました。すでに、MRJの活用で九州とアジアを結ぶ広域ネットワークを構築し、外国人観光客を呼び込もうという構想が存在していたのです。

MRJによる「地方-地方」「アジア-地方」の行き来の利便性の向上が、地方経済の活性化に繋がることが期待されます。

また、シンガポール航空と同じ航空業界の企業としては、日本航空（JAL）、全日本空輸（ANA）が挙げられます。

ここまでシンガポール航空についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。