不二家の企業研究

今回ご紹介するのは、「連続増益企業ランキングトップ200 」（東洋経済オンライン調べ）で第63位に輝いた、不二家です。

この記事を読んでいる方の中には、不二家への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、不二家の経営理念や同じ食品業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある食品会社の中で、なぜ不二家なのか？」という質問への対策を考えましょう。


不二家について深く知るために、まずは不二家の経営理念を確認しましょう。そこから不二家が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

不二家の企業理念は、以下の通り。
『常により良い商品と最善のサービス（ベストクオリティー・ベストサービス）を通じて、お客様ご家族に、おいしさ、楽しさ、満足を提供する』
（出典： 不二家　経営理念 ）

ここから分かるポイントは、「主体的」「チャレンジ精神」「社会貢献」の3点。
不二家の社員として大事なことは、お菓子が好きなこと。自分が好きなお菓子に対しては、誰もが積極的に考え、アイデアも浮かんでくることでしょう。常により良い商品とサービスが提供できるよう、向上心を持って自ら挑戦し続けることで、会社のさらなる成長を目指す。その結果、お客様に喜んでもらえる企業となり、豊かな社会づくりへと貢献する。不二家は、このような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとして、どのような目標をどのようにたてたか
• 目標達成にために個人として、どのような役割を果たしたか
• 目標達成の途中で、どのような挫折を味わったか
• 以上のような経験から、どのようなことを学んだか。それを社会でどのように活かすことができるか

次に、食品業界における不二家と競合会社と比較してみましょう。
不二家の競合といえば、ブルボンが挙げられます。
不二家とブルボンはどのように違うのでしょうか。

明治43年11月16日、横浜に開店した1軒の洋菓子店から始まった不二家の歴史。
以来、家族の幸せ創りに貢献することを使命とし、「ミルキー」をはじめ、「カントリーマアム」「ホームパイ」「ピーナッツチョコレート」「LOOK」など、日本の子供なら誰でも知っている、ロングセラーの菓子を数多く生み出しています。
また、不二家は海外でも人気で、中国ではキャンディーの販売が好調で、生産能力を2倍にする計画があるとか。平成28年度までに約10億円を投じて、中国・杭州市の既存工場敷地内に新工場棟を設けて、中国における売上高を3年後に100億円まで引き上げることを目指しています。

対するブルボンは、大正13年に「北日本製菓」として創業。これは創業者の初代社長吉田吉造が、前年の関東大震災で地方への菓子供給がストップした窮状を見て、「地方にも菓子の量産工場を」と決意したことから始まったそうです。
その後、昭和49年に発売したクレープクッキー「ルマンド」や、平成7年1月の阪神淡路大震災の日に生産を開始した「ミネラルウォーター（天然名水出羽三山の水、イオン水）」など、数々のヒット商品を発売し続けています。
また、ビスケットでは業界シェア第1位の地位に。
さらに、健康増進総合支援企業を目指して機能性食品や健康食品の開発、スポーツ支援にも注力。平成20年には中国に工場を、平成24年にはワシントンDCに事務所を開設し、国際競争力の強化とグローバル化推進に取り組んでいます。

次に不二家とブルボンの財務状況を見てみましょう。
平成26年度における売上高は、不二家が803億円であるのに対し、ブルボンは765億6,900万円とやや下回っています。
一方で営業利益は、不二家がマイナス8億円のところ、ブルボンは21億1,100万円と大健闘。
不二家は、洋菓子事業の洋菓子チェーン店の売上やライン化製品などの低迷に加え、物流費用が増加。さらに菓子事業では、主要原材料、特にチョコレート原料価格高騰が財務状況を厳しいものに。
対するブルボンは、売上高は前年同期並みでしたが、利益面では生産性向上やコスト低減、経費の効果的使用に取り組んだ結果、営業利益のみならず、経常利益、四半期純利益とも前年同期を大きく上回りました。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
国内の少子傾向を背景に、海外進出に積極的な日本メーカーが増加傾向に。アジアをはじめとした新興国では、品質の良い菓子への人気が高まっており、体に良いイメージがある日本製の菓子は注目の的になっています。
例えば江崎グリコは「ポッキー」を中心にグローバル展開をしており、世界約30ヶ国で「ポッキー」を販売。平成32年を目標に、全世界におけるポッキーの売り上げを2.5倍の10億ドルまで拡大させることを目指しています。
また、森永製菓の「ハイチュウ」は米国で、有楽製菓のチョコレート菓子「ブラックサンダー」は台湾で大きな支持を得ているとか。
日本の菓子市場は3兆1,000億円台後半で停滞しており、菓子メーカーは生き残りをかけて海外進出せざるを得ないという事情があり、菓子メーカーだけでなく、その周辺企業も共に海外へ出ていく傾向になっていくと見られています。

また、不二家の関連企業として、山崎製パンが挙げられます。

ここまで不二家についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考�