三菱自動車工業株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事
三菱自動車工業株式会社を就職活動の観点から企業研究
売上高における海外比率が約90%。アジアをはじめとする新興国マーケットに向けた商品開発や、世界のニーズに適した独創的で存在感のある商品・サービスを展開しています。「MITSUBISHI」のブランドやラリーで培われたSUV・4WD技術に加え、アウトランダーPHEVに代表される世界屈指の電気自動車の開発技術が強みなことで有名な自動車業界の三菱自動車工業株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記4つのトピックに分けてご紹介します。
◆ TOPIC
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自動車業界の境界線崩壊による、新たなビジネス機会の創出
自動車業界には長年に渡り厳密に構造化されたエコシステムが存在しており、その境界線は明確でした。自動車メーカーが支配し、部外者の入り込む余地や消費者の意見が取り入れられることはあまりなかったものですが、デジタル技術の拡大に伴い大きな変化が表れています。
IBM の最新調査レポートによると、伝統的な自動車業界の境界線が消滅しつつあるといいます。例えば、パーソナル・モビリティー(1人乗りのコンパクトな移動支援機器)への期待が高まる中で、伝統的な自動車産業とは関係のなかった企業が、目的地までの指示、渋滞や駐車への対応、他の輸送手段との統合など、消費者の運転をサポートする技術を提供しています。
IBM が行ったインタビューで自動車メーカーのエグゼクティブたちは、2025年までにより多くの消費者が新製品・サービスの創出に積極的に参加するようになると予想。特にモビリティー・サービス、製品設計およびマーケティング・プログラムでそうした傾向が高まると見ているようです。
■消費者、モビリティー、エコシステムの主要3領域の変化
出典: IBM
今後、自動車メーカーは、簡単かつ直感的で優れた消費者体験を提供していかなければならないものの、消費者との共創が可能な分野に、より大きなビジネス機会が生まれてくる可能性があると言えるでしょう。
SUV・4WD、電気自動車の開発技術に強みを持つ、日本最古の自動車メーカー
今回は、自動車業界の中でも、日本の自動車メーカーとして最古の歴史を持つ、三菱自動車工業を紹介します。
三菱のクルマづくりは、1917年日本初の量産乗用車「三菱A型」の製作開始まで遡ることができます。古くからモータースポーツ事業に力を注ぎ、世界ラリー選手権やダカール・ラリーに参戦。また、世界初の量産電気自動車の開発に成功したメーカーとしても知られています。
同社の売上高における海外比率は約90%。なかでも注力しているのがアジアの新興国マーケットです。「MITSUBISHI」のブランドを強みに、ASEAN地域における生産体制を強化し、スポーツ用多目的車であるSUV系ブランドの展開を推進。
2017年4月、インドネシア新工場で主力車種であるパジェロスポーツの生産を開始。また、同年8月、インドネシア国際オートショーにて世界初披露したエクスパンダーも大ヒットとなっており、ASEANや北アジアにおいて現地マーケットの成長を上回るペースで販売台数を伸ばしています。
アジアの地域以外でも世界160ヵ国以上の地域で販売を展開しており、グローバルでの販売台数は2016年度において前年比9%増加するなど、順調に市場を拡大。欧州で絶大な人気を獲得しているのがアウトランダーPHEVで、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)の領域において先駆者的なポジションにあり、世界No.1ブランドの構築を進めてます。
グローバルブランドスローガンは「Drive your Ambition」。 2016年10月、日産自動車が筆頭株主となり、ルノー・日産・三菱アライアンスを構成しています。
「Small but Beautiful」。健全な成長軌道を目指す経営戦略
現在、自動車業界においては、車種の開発コストに高額な費用がかかるため、自ずと開発する車種を絞り込まざるを得ない状況に。さらに、三菱自動車工業では、できる限り既存設備を活用するなど、規模拡大を見越した能力増強に走らないよう投資を厳選し、全方位の拡大戦略を取らない経営方針です。
厳しい事業環境のなかで収益力を伴った健全で持続可能な成長軌道を確保するため、限られた経営資源を、強みを持つ地域と競争力のあるセグメントに集中的に投下するのが同社の基本戦略。「拡大」や「成長」を追求するのではなく、「競争力強化」や「刷新」を優先し、規模は小さくとも収益力の光る存在になることを目指しています。
この考え方を表すのが、「Small but Beautiful」。2020年度から始まる次期中期経営計画の コンセプトになっています。今に満足することなく、いつまでも価値を生み続ける三菱自動車らしさを追求しようという志がうかがえるようです。今後の展開が楽しみですね。
三菱自動車工業株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ
自動車業界の三菱自動車工業株式会社は、売上高における海外比率が約90%。アジアをはじめとする新興国マーケットに向けた商品開発や、世
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