キーエンスの企業研究（事業・成長戦略）

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平均年成長率10％越、高収益企業「キーエンス」の成長戦略とは？

今回、ご紹介するのは、自動車、半導体、電子・電気機器、通信、機械、化学、薬品、食品など、製造業のあらゆる分野にセンサなどの高付加価値製品を提供する、FA（ファクトリー・オートメーション）総合メーカー「キーエンス」です。

◆ TOPIC
10兆円規模の拡大が期待されるロボット市場

営業利益率53.1％を生む「企画開発力」と「コンサルティングセールス」

世界中でキーエンスと日本のプレゼンスを上げる

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10兆円規模の拡大が期待されるロボット市場

近年、需要の増加が顕著な産業ロボット市場は、製造業だけでなく、医療や介護・福祉、清掃などといったサービス分野への普及も進んでいます。そんな国内におけるロボット市場は、2035年に10兆円規模になるとの予測も。その背景には、少子高齢化による人材不足への対応が挙げられます。

出典： 2035年までの市場予測出荷状況・今後の見込み｜産業用ロボットとは｜FAロボット.com

上記の表からも見て取れるように、今後は製造業におけるFA（ファクトリーオートメーション）が需要に。そして、産業用ロボットやRT（ロボットテクノロジー）の活用。ロボットの需要はさらに拡がっていくことが分かりますね。

日本ロボット工業会が発表した2015年4～6月期の産業ロボット出荷実績は、前年同期比6.9％増の3万5927台、総出荷額は13.1％増の1349億円。国内では電機向けが順調に推移しており、7四半期連続のプラス成長に。台数・生産・受注ともに過去最高を記録し、産業ロボットのニーズが拡大していることを裏付けています。

営業利益率53.1％を生む「企画開発力」と「コンサルティングセールス」

現在のFA関連業界は各社とも業績が好調といえる市場環境にありますが、その中でも、キーエンスは抜きんでた結果を叩き出していると言えます。2015年度の営業利益率は過去最高の53.1％に達しており、なんと売上高の半分以上が利益となっています。そんな同社の強みは2つ。１つは「企画開発力」で、新製品の70％が「世界初」や「業界初」で占められていること。フォーブス誌「世界で最も革新的な企業TOP100」にも6年連続で選出されていることからも、その突出した実力がうかがえます。

同社の考える企業の存在価値は、今まで「世の中になかった価値」を生み出し続けることにあると見ており、「顧客の欲しいというものは創らない」、「世の中にないものを創る」というスタンスを貫き、潜在ニーズ・真のニーズを追求することで新しい市場の創造を実現し続けています。

出典： 3次元測定機 VR 3次元測定機 VR | Creation | 株式会社キーエンス新卒採用サイト

入社4年目の若手が、様々な技術者との協働により、世界的インパクトとともに高い付加価値を創出した一例です。

同社のもう1つの強みは、顧客に密着した「コンサルティングセールス」。FAセンサー業界は代理店経由の販売が一般的ですが、同社は営業が顧客の生産現場に入り込んで現場の話を聞き、改善策を提案するコンサルティング営業に特化。メーカーという存在ではなく、コンサルティング会社でもある点が同社の高収益の秘密といえるでしょう。この「コンサルティングセールス」を受け入れ、評価している顧客からの信頼は、同社の「企画開発力」はもちろん、当日出荷という即納体制で得たものだそうです。