アストラゼネカの戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

イギリス拠点の製薬メーカーとして世界7位の売上高を誇り、プライマリー領域とオンコロジー領域を軸に事業を展開する医薬品業界のアストラゼネカに関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 安定成長を続ける医薬品業界で注目のジェネリック医薬品市場
• 抗がん剤領域に強みのあるアストラゼネカは新薬開発に注力
• オンコロジー領域を強化するアストラゼネカの成長戦略
• アストラゼネカの戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

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国内医薬品業界は2016年に約10.7兆円規模となり、再編や合併を繰り返すことで堅調に推移してきました。この再編や合併の目的は、財務基盤を強化することで新薬創出へ注力し、海外企業へ対抗すること。新薬の開発成功率は1万分の1とも言われ、研究・開発には莫大な費用がかかります。

(出典： 業界動向サーチ「製薬業界の過去11年間の業界規模の推移」 )

一方、世界市場では米国が首位を独走し、日本の大手4社の売上高を合算しても、約5.7兆円（2016年実績）を売り上げる米ファイザーには及びません。日本は新薬市場で世界2位を維持してはいるものの、未だ外資系企業の高い水準にはかなわない現状があります。

近年、高齢化の加速によりジェネリック医薬品への切り替えや薬価引き下げが進んでいます。ジェネリック医薬品のシェアは2016年に先発医薬品を抜き60％超となり、政府は2020年までに80％を目標としています。今後は企業の収益確保の改革が課題となりそうです。
アストラゼネカは新薬の開発力を強みとしており、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器の3つを重点領域としています。これら領域には年間約49億ドル（2014年実績）を投資するなど、100カ国以上で展開するグローバル企業ならではの大規模な研究開発を進めています。

抗がん剤領域にも強みがあるアストラゼネカには、ゾラデックスやカソデックスなど多くの有名医薬品があります。この領域の国内シェアは、中外製薬に次いで2位。アジアに多い変異のがんの薬では日本が世界をリードし、アストラゼネカが大きく貢献しています。

現在、アストラゼネカの開発品目の多くは抗がん剤で占められており、今後も免疫療法を軸に新薬の開発に注力していくようです。

2017年には、高コレステロール血症治療薬「クレストール」の後発医薬品が出回り業績に影響を受けたように、業界で加速するジェネリックの拡大が弱みと言えそうです。

また、アストラゼネカの競合他社としては、アッヴィ、ギリアド・サイエンシズが挙げられます。

2017年4月、アストラゼネカは新事業体制をとり、主力3領域の各専門性をより一層強化することを発表しています。中でもオンコロジー領域では、2021