三井物産ケミカル株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

三井物産ケミカル株式会社を就職活動の観点から企業研究

三井物産の化学品部門より分社した企業で、1000種類近くの化学品を国内外へ販売しています。高い専門性に加え、三井物産及びグループとの連携を通じた総合力が強みであることで有名な石油化学業界の三井物産ケミカル株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 化学製品の市場規模は約5兆4000億ドル（約604兆円）。今後は新興国が牽引役に
• 『顧客密着主義』がモットー。三井物産グループの化学品商社
• 新たな事業価値を持続的に創造していく事業戦略とは？
• 三井物産ケミカルの戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

化学製品の市場規模は約5兆4000億ドル（約604兆円）。今後は新興国が牽引役に

化学産業は約200年の歴史を有する産業で、今日の化学産業は、石油・天然ガスを主たる原料として、数百万種類もの製品を製造するまでに進化しています。対象とするユーザーも自動車、エレクトロニクスから食品容器、洗剤等の日用品に至るまで極めて広範に。

このように幅広い用途で利用される化学品の需要は、概ね経済全体の動向と連動することから、今後も高い経済成長が期待される新興国を牽引役に増加傾向になると予測されています。

■化学製品の市場規模推移

出典： 三菱UFJ銀行

化学製品の世界における市場規模は約5兆4000億ドル（2014年、約604兆円）で、直近10年間ではリーマンショック直後の2009年を除き、一貫してプラス成長が続いています。

地域別に見ると、経済成長が著しい中国を始めとする新興国が市場拡大を牽引し ており、市場全体に占める新興国の割合は2005年の4 割から現状6 割まで増加。

今後も世界の化学製品市場がGDP成長並みに伸びると想定した場合、今後の市場見通しは、以下のグラフの通りです。高い経済成長が期待されるインド、中国を始めとする新興国地域が市場拡大を牽引していくと見られています。

■化学製品の市場規模見通し

出典： 三菱UFJ銀行

『顧客密着主義』がモットー。三井物産グループの化学品商社

今回は石油化学業界の中でも、三井物産グループの中核を成す会社として、溶剤、塗料及び塗料原料、樹脂、粘接着剤、ポリウレタン及びウレタン原料、工業薬品など広範な化学製品を取り扱っている三井物産グループの化学品商社である、三井物産ケミカルを紹介しましょう。

同社が主に扱う石油化学製品とは、原料である石油に様々な加工や工程を加えて作られた製品で、暮らしの中に数々存在しています。ＴＶやパソコン、携帯電話にボールペン、衣服など。また、自動車1台とっても、バンパー、ボディ塗料などの外装材からシート、天井などの内装材といった、多くの製品に石油が使われています。

このように、私たちの毎日の暮らしに必要な製品を作るのが石油化学業界であり、三井物産ケミカルもそこに属する会社です。また業界では、原料である石油を「川上」、最終製品を「川下」と表現し、その間で必要とされる商品を「川中」と呼びますが、同社は主に川上から川中の分野で事業展開しています。

同社は三井物産の化学品セグメントと事業戦略を共有するなど、三井物産及びグループとの連携による総合力に加え高い専門性を持っていることが強みとなっています。また、『顧客密着主義』をモットーとした、積極的な事業展開を図っていることで知られています。

新たな事業価値を持続的に創造していく事業戦略とは？

現在、三井物産ケミカルの取扱商品としては、自動車・建築材・船舶等に使用されている塗料の主原料となる溶剤類・塗料樹脂類・顔料をはじめ、あらゆる分野に使用されている各種接着剤、ベット・ソファー・椅子のクッション材に使用されるポリウレタン、また生活に欠かせないトイレタリー商品向けの薬品、医農薬関連製品、化粧品、健康食品、その他化学品などで、1000種類近くの化学品を国内外へ販売しています。

今後はどのような事業戦略を図っていくのでしょうか？

三井物産ケミカルは三井物産の計画方針に従っており、その三井物産の中期経営計画は「Driving Value Creation」。これには、多様なプロフェッショナルな人材が、三井物産グループの総合力とネットワークを駆使し、主体的な事業創出に取り組み、新たな事業価値を持続的に創造する、という意味が込められています。

三井物産ケミカルで最も重要なのは「人材」であると考えています。三井物産のインフラや情報力を活用した事業展開も強みのひとつですが、特定の商品を持たない商社にとって、「人」は何よりの財産。特に三井物産グループは昔から「人の三井」と言われています。

自由闊達な風土や研修制度、社内教育を通じて社員が成長し、社員1人ひとりが知識や経験をもとに、社内やお客様との間で構築された信頼関係を築き、また新たな価値を創造する。人材が人財へと成長し続けることで、会社は成長していく。それを体現してきた会社なのです。

今後は人材の強化に加え、医療、農薬、化粧品、健康食品等の新規分野への取り組みに注力し、より多くの産業基盤を支え、社会の発展に大きく貢献することを目指しています。

三井物産ケミカルの戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

石油化学業界の三井物産ケミカルは、三井物産の化学品部門より分社した企業で、1000種類近くの化学品を国内外へ販売しています。高い専門性