住友ゴム工業株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事
住友ゴム工業株式会社を就職活動の観点から企業研究
ダンロップブランドなど、売上世界第5位のタイヤ事業を筆頭にグローバル展開を加速し、タイヤの他にもゴルフやテニスなどのスポーツ用品、地震から家屋を守る制振ダンパーなど、様々なゴム製品を製造・販売する企業で有名なゴム製品業界の住友ゴム工業株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記4つのトピックに分けてご紹介します。
◆ TOPIC
住友ゴム工業株式会社の年収・インターン・選考/採用情報はこちらの記事へ
2017年、ゴム製品業界は2.2兆円の市場規模に。今後の見通しも良好
日本ゴム工業会によると、2017年のゴム製品出荷額は2,220,376百万円で前年比101.8%となり、総ゴム靴・その他ゴム製履物(同112.1%)や医療用品(同106.4%)が成長を牽引した一方で、主要の自動車タイヤが前年比99.5%と減額しています。
また、ゴム・樹脂製品製造業およびゴム・樹脂工業用品商社を対象にした「景況・業績見通しに関するトップアンケート」(ゴム報知新聞、2017年7月実施)では、「半年前と比べたゴム業界の景気」という質問に対して、「横ばい」と回答した企業が51.3%と半数を占め、「まずまず」が31.0%、「やや低迷」が14.2%、「好調」が2.7%、「不調」が0.9%という結果になりました。
■鋼材の国内出荷量推移
出典: ゴム報知新聞
「横ばい」が過半数を占めたほか、「まずまず」は前回比8.0ポイント増。「やや低迷」は同2.8ポイント減となっていることから、景気は上昇傾向にあることがうかがえます。
さらに、今後の業界の見通しについては、「横ばい」が55.8%、「若干上昇」が26.5%、「若干下降」が12.4%、「上昇」「下降」「わからない」は全て1.8%と同じ結果となっています。
前回のアンケートでは、「上昇」と回答した企業はありませんでしたが、今回は景気が上昇すると予測する企業も出てきており、今後のゴム製品業界の期待がうかがえます。
■鋼材の国内出荷量推移
出典: ゴム報知新聞
世界をリードするタイヤメーカーとして確固たるポジションを堅持
かつてイギリスのタイヤメーカーであったダンロップ社の日本工場として設立された事業に由来する住友ゴム。現在は住友グループの一員として、各種タイヤ・チューブ、工業用・医療用ゴム製品の製造・販売を行い、ダンロップ、ファルケンなどのタイヤで国内第2位、世界でも第5位の地位に君臨しています。
全売上の約86%を占めるというタイヤ事業のうち約40%の売上を誇るのは日本国内ですが、過半数以上は、北米、アジア、その他、そして欧州の順で海外における売上が占めているグローバル企業です。
セグメント別売上構成比と地域別売上構成比
出典: 住友ゴム新卒採用サイト
次に財務状況を見てみましょう。
2017年の「タイヤ事業」の売上収益は、756,576百万円(前期比16.7%増)、事業利益は58,341百万円(前期比14.1%減)。タイヤ事業の売上収益は前期を大幅に上回りましたが、原材料価格高騰の影響により減益となっています。
また、タイヤ事業以外の柱である「スポーツ事業」では、優れた性能を誇るゴルフ用品やテニス用品の開発に加え、フィットネスなどのウェルネス事業を展開。さらに、「産業品他事業」では、今後の成長が期待される制振ダンパー(さまざまな地震の揺れを低減する住友ゴムの制振テクノロジー)や医療用精密ゴム部品などの拡販を推し進めています。
この結果、スポーツ事業の売上収益は、81,734百万円(前期比12.3%増)、事業利益は4,372百万円(前期比1.6%増)。産業品他事業の売上収益は、39,556百万円(前期比11.5%増)、事業利益は4,229百万円(前期比58.2%増)と売上収益は前期を上回り、大幅な増益となりました。
ダンロップブランド強化による世界戦略を加速
最後に、住友ゴムの成長戦略を解説していきます。
同社は「VISION 2020」という長期成長戦略を掲げ、「新市場への挑戦」「技術革新」「新分野の創出」という3つの成長エンジンの取り組みを行ってきましたが、これらにアクションプランとして「欧米事業の拡大」を加えました。
この新たな戦略を確実に実行するため、日本本社集中体制から、「アジア・ 大洋州」「欧州・アフリカ」「米州」の三極に責任者を配置するグローバル経営体制へと移行し、積極的にグローバル企業として動き始めています。
このような動きの中でも特筆すべきは、2018年3月に海外のダンロップ商標権とダンロップブランドのスポーツ用品事業およびライセンス事業を買収したこと。これにより、タイヤ事業では欧米やインド、豪州などを除いた地域のダンロップ商標権の所有権者となり、住友ゴムが率先してダンロップブランドをグローバルに事業展開することが可能にな ったのです。
さらにタイヤ事業においては、英国大手タイヤ販売会社ミッチェルディーバー社を買収。欧州のタイヤ市場でドイツに次ぐ2位の規模を持つ英国の中で、ミッチェ ルディーバーグループ社は非常に大きなシェアを保有しており、英国市場におけるFALKEN(ファルケン)ブランドのプレゼンス向上を図っています。
米専門紙・ラバー&プラスチックニュースがまとめた世界タイヤ売上高ランキング(2017年)によると、住友ゴムは昨年6位から5位に浮上。住友ゴムは2015年に米国グッドイヤー社との提携を解消したことで経営の自由度が増し、欧米で積極化している事業展開が結果となって表れてきたようです。
このように好調なタイヤ事業にダンロップブランドを投入し、スポーツ用品で築いたそのブランド力をタイヤ事業の拡大につなげられるか否か、その行方が注目されています。
住友ゴム工業の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ
ゴム製品業界の住友ゴム株式会社は、ダンロップブランドなど売上世界第5位のを持つタイヤ事業を筆頭にグローバル展開を加速し、タイヤの他
内容については細心の注意を払っておりますが、ご利用に際しては、閲覧者各人の責任のもとにこれをご活用いただけますようお願い申し上げます。
Copyright © 2024 en-japan inc. All Rights Reserved.
サービス・インフラ
流通
サービス・インフラ
サービス・インフラ
{{article.title_chip}}
人気記事
NEW
メーカー
メーカー
メーカー
メーカー
{{article.title_chip}}
人気記事
NEW