株式会社小学館の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事
株式会社小学館を就職活動の観点から企業研究
創業は1922年、小学生を対象とした学年別学習雑誌でスタートし、現在はファッション誌やコミック誌のほか、絵本、図鑑、そして電子書籍なども発行する総合出版社。さまざまな作品から生まれたキャラクターのビジネス、海外版権ビジネスなどにも積極的に取り組んでいます。児童向けの本や「ドラえもん」「ポケットモンスター」などのキャラクターが強みなことで有名な出版業界の株式会社小学館に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。
下記4つのトピックに分けてご紹介します。
◆ TOPIC
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2018年の出版市場規模3.2%減の1兆5,400億円。紙は5.7%減、電子は11.9%増
全国出版協会・出版科学研究所が発表した2018年の出版市場規模の調査によると、紙と電子を合わせて前年比で3.2%減の1兆5,400億円となりました。
内訳を見てみると、紙の出版物の販売金額が前年比5.7%減の1兆2,921億円で14年連続のマイナスとなった一方、電子出版市場は前年比11.9%増の2,479億円に。電子出版市場のなかでも、電子コミックが同14.8%増の1,965億円、電子書籍(文字もの)が同10.7%増の321億円と好調です。
電子コミックについては海賊版サイトなどの影響で伸びが鈍化した時期もありましたが、海賊版サイトの代表格である「漫画村」が閉鎖されて以降、売り上げは復調傾向にあります。
■紙・電子出版市場の推移
出典: 全国出版協会
また出版物の動向としては、『大家さんと僕』(新潮社)や『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)などテレビ紹介で一気に売り伸ばす書籍が複数登場したほか、コミックスでも、『はたらく細胞』(講談社)や「名探偵コナン」(小学館)のスピンオフコミックス、テレビアニメ化された『転生したらスライムだった件』(講談社)をはじめとする「異世界転生」ものや「小説家になろう」発のコミカライズがヒットしました。
一方電子書籍は、ライトノベル系の作品や紙でよく売れたビジネス書や実用書、写真集の電子版が売れているなど着実な伸びを続けています。
児童向けやキャラクターなどに強み。海外版権ビジネスも展開する総合出版社
今回は出版業界における3強の1つである、小学館を紹介していきます。
創業は1922年で、小学生を対象とした学年別学習雑誌を発行する教育専門出版社がその起源。「出版物が世の中全ての悪いことを無くすことはできないが、人の心に良い方向を生み出す、何らかの小さな種子をまくことはできる。人生の中で大きく実となり、花開く種子をまくという仕事が出版であり、これが当社の理念です。」というフィロソフィーがあります。
現在は幼児誌から週刊誌、ファッション誌、ライフスタイル誌、コミック誌のほか、書籍部門で絵本・図鑑・辞典・百科事典・文芸書、実用書、そして電子書籍なども発行する総合出版社としての顔を持つ一方、さまざまな作品から生まれたキャラクターを玩具やグッズに展開するキャラクタービジネス、海外で出版するための海外版権ビジネスなどにも積極的に取り組んでいます。
雑誌、書籍、電子書籍と幅広く豊富なコンテンツを有していることが強みですが、特に教育専門出版社からスタートした歴史から、児童向けの本や「ドラえもん」「ポケットモンスター」などのキャラクターを有していることが最大の強みと言えるでしょう。
また、小学館は文化活動にも注力しており、「小学館児童出版文化賞」「小学館漫画賞」「小学館ノンフィクション大賞」など、時代が求める新しい才能を発掘したり、新しい世代に引き継ぐためのさまざまな文化事業、地球環境保全のための社会貢献にも努めています。
ユーザーの満足度を上げる「ブランド第一主義」による成長戦略
デジタル化が遅れている出版業界で先陣を切り、雑誌ブランドの多角化に踏み切った小学館は、「CanCam」「Oggi」「美的」など、小学館ブランドを支える女性メディアを次々とリニューアル。新たに立ち上げた「女性メディア局」設立から1年後、アクセス数は前年対比400%以上という成長を遂げています。
■月間1,950万UUに到達した女性メディア(2018年3月時点)。UU(ユニークユーザー)とは、決まった集計期間内にウェブサイトに訪問したユーザーの数を表す数値。
出典: Nyle Inc.
その基盤となったのは、「ブランド第一主義」という同社ならではの戦略です。今までは雑誌の宣伝という位置付けだったウェブメディアを独立したメディアに変え、雑誌主導を廃止。さらに、それまでの編集部という組織を「ブランド室」という組織に変えました。
例えば「CanCam」などのブランド室長が雑誌とウェブのトータルマネジメントを行い、その下に紙の雑誌の編集長とウェブの編集長が並列して存在する組織になったのです。これで、雑誌の編集長、ウェブの編集長がそれぞれブランドで最適化した仕事を目指すことができるようになり、ブランド間の食い違いがないように室長がまとめていくという体制が完成。
現在、どのブランドも、ウェブメディアが伸びると本誌も伸びる関係になっており、ウェブで読ませると雑誌を買わなくなるという過去の心配も無用に。ウェブメディアが盛り上がって、ソーシャルメディアのフォロワーが増えると本誌の売上が伸びる、という相関関係を構築することができたのです。
今後は、ウェブだけでなく、雑誌、ソーシャルメディア、イベントなどをさらに総合的にとらえ、ブランドごとの特徴を生かした進化をしていくことが重要だと考えています。ブランド体験が、ユーザーの満足度を上げることになる、そして結果的に売上にもつながっていく。出版という枠を超えた小学館の「ブランド第一主義」による今後の展開が楽しみです。
小学館の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ
出版業界の株式会社小学館の創業は1922年で、小学生を対象とした学年別学習雑誌でスタートし、現在はファッション誌やコミック誌のほか、絵
内容については細心の注意を払っておりますが、ご利用に際しては、閲覧者各人の責任のもとにこれをご活用いただけますようお願い申し上げます。
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