三井物産の企業研究

今回ご紹介するのは、三井グループの大手総合商社である三井物産株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、三井物産への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、
この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。
（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る
他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。

過去の三井物産の企業研究記事や、商社業界の業界研究記事などもチェックしてみてください。 ここでは、三井物産の経営理念や同じ商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通して、「数ある商社の中で、なぜ三井物産なのか？」という質問への対策を考えましょう。

三井物産について深く知るために、まずは三井物産の経営理念を確認しましょう。そこから三井物産が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

三井物産の経営理念は、以下の通り。
「-三井物産の企業使命-
大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来作りに貢献します。
-三井物産の目指す姿-
世界中のお客様のニーズに応える「グローバル総合力企業」を目指します。
-三井物産の価値観・行動指針-
・「Fairであること」、「謙虚であること」を常として、
社会の信頼に誠実に、真摯に応えます。
・志を高く、目線を正しく、世の中の役に立つ仕事を追求します。
・常に新しい分野に挑戦し、時代のさきがけとなる事業をダイナミックに創造します。
・「自由闊達」の風土を活かし、会社と個人の能力を最大限に発揮します。
・自己研鑽と自己実現を通じて、創造力とバランス感覚溢れる人材を育成します。」
（三井物産会社概要　経営理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「社会貢献」「グローバル」「誠実・真摯な姿勢」「志を持って挑戦する」「時代の先駆けとなる」「個人の力とチームワーク」「自己研鑽」の8点です。
三井物産の社員として、高い意識を持って自分と会社の成長に務める。時代のニーズを読んで、国内外のお客様のニーズに真摯に応える。その結果、世界中の人達の夢が溢れる未来づくりに貢献する。こうした大きなビジョンを持った人材を、三井物産は求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
（1）どのような目標を持ち、それを成し遂げるためにどのような挑戦をしたか
（2）目標達成のために、どのようなチームワークをしたか
（3）入社後、自分の力を社会・会社でどう活かすか
（4）グローバルな視野を持っているか

次に、商社業界の中で、三井物産と競合会社とを比較してみましょう。
三井物産の競合会社といえば、7大商社のうちの他の6つである 三菱商事、 伊藤忠商事、 住友商事、 丸紅、 双日、 豊田通商 が思い浮かぶはず。 これら商社の中で、三井物産はどのような特徴を持っているのでしょうか。

まずは連結最終損益から見てみましょう。
2016年3月期の連結最終損益は、三井物産が700億円の赤字、三菱商事が1,500億円の赤字、住友商事が1,000億円の黒字、丸紅が600億円の黒字、伊藤忠商事が3,300億円の黒字となっています。三井物産や三菱商事にとって初となるこの赤字は、世界市場を襲った資源価格の下落が背景にあり、黒字を保っている住友商事や丸紅も、それぞれ1,700億円、1,200億円の資源関係の減益損失を計上していて、五大商社の中では衣料や食品などの非資源ビジネスに力を入れていた伊藤忠商事が一人勝ちの状態になっています。
一方で2015年の営業利益(連結)は、三井物産が190,270百万円、 三菱商事が212,059百万円、伊藤忠商事が384,960百万円、丸紅が23,632百万円、住友商事が-84,374百万円で、三井物産は三番目となっています。営業利益については、2013年は三井物産がトップでしたから、やはり資源価格の下落の影響は大きいといえるでしょう。

次に三井物産の特徴を見てみると、金属資源とエネルギーの利益比率が8割と高くなっています。特に鉄鉱石や原油、天然ガスの生産権益規模が大きく、近年の資源価格の高騰により、業績が拡大してきました。
一方、資源・エネルギー分野は資源価格の低下や国際情勢の影響といった社会の影響を受けやすい面があるので、今後は資源以外の事業を強化させることが必要となるでしょう。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
財務省発表の2015年度の貿易統計(速報値)によると、貿易収支は2兆8,322億円と5年連続の赤字となっています。(貿易収支とは、輸出額から輸入額を差し引いた額)
これは、自動車の輸出が対前年度比10.3%増加したのに対して、原動機の輸入が前年度比19.6%と大幅に増加したことが原因だと考えられています。
また、近年はメーカーと消費者間での直接取引の増加や、小売店の自社製品拡大など、商社に頼らない企業活動が増えてきています。しかし、グローバル社会において、資源等の輸入など商社が必要とされるシーンもまだまだ多いことも確かです。

三井物産が今後、同業他社との競争を勝ち抜いていくためには、資源の価格下落の影響を抑え、他事業を拡大させていくことが重要となるでしょう。

ここまで三井物産についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フ