人事部比嘉 将大
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- 日本たばこ産業株式会社
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「学生を知るために」誠実なマッピング理解としてirootsを導入
- irootsを使い始める前はどのように採用をされていらっしゃったのですか。
- 人材紹介やリファラル、団体への協賛などが主な接触経路でした。
エージェントの皆さんは私たちが求めている方を見計らってご紹介していただけるのでありがたいのですが、それだけではどの大学にどんな学生がいて、いつ、何に興味を持ち、どんなことをしているのかというマッピングができていないことに課題感を持っていました。
「どこで・誰が・何をしている」ということを把握せずに採用活動を行うのは、地下の水脈を意識せずに井戸を掘ることと同じぐらい難しいので、まずはそれを把握できていないと勝負にならないというのはずっと考えていました。 - マッピングする情報を集めるに当たって、マスの情報ではなくダイレクトリクルーティングを選ばれた理由はなんでしたか。
- そもそも私たちは少人数の採用を行なっているチームなので、マス向けのデータを見たところで戦略が立てづらいんです。例えば「●●の大学では休学率が5%増えました」というデータをもらったとしても、その程度の解像度のデータから具体的な戦略を立てるのは難しくて。
その点irootsはさまざまな切り口から自分で検索を行うことができるので、先ほど申し上げた「どこで・誰が・何をしている」というマッピングを描けるようになりました。 - 比嘉さんがマッピングを行うにあたって、求めている情報の解像度とはどの程度のものなのでしょうか。
- 理想は瞬時にすべての情報にアクセスできれば嬉しいです。が、それはなかなか難しいので(笑)、アジェンダ(行動計画)をマッピングすることを最低限のゴールにしています。
例えば「●●大では今サイエンスコミュニケーションの授業を取っている学生が多いらしい」という情報や、「学生団体ではなくインターンを始めた人が多かったのはどの代からなのか」という情報です。宇宙にある一つ一つの惑星を詳細に見ることはできなくても、ここに銀河系があるな、とかここは重力が強いな、とかそういうアジェンダを集めていくと「じゃあこのへんにブラックホールありそうだね」みたいなあたりをつけていくことができるようになります。
irootsでは、大学・学部で検索をかけてプロフィールを読み込み、各大学・学部のトレンドや特徴を掴んだり、大学は指定せずに「中東」などのキーワードで検索をかけて、旅行で行ったのか、研修で行ったのか、奨学金で行ったのか、などの違いを見ています。このように縦軸と横軸で検索をかけてプロフィールを読み込むことでマッピングが浮かび上がってきます。そういう一次資料としてもirootsのプロフィールをありがたく使わせてもらっています。
学生だけでなく、企業側も“本音”を見せなければいけない
- ありがとうございます。比嘉さんはirootsをスカウトサービスという側面だけではない本質的な学生データベースとしての利活用をされていらっしゃるのですね。プロフィールを読まれる中で、irootsのコンセプトである「本音・ありのまま」という側面を実感されたことはありますか。
- プロフィール細かく書いている人に関しては、本音を書いてくれているなという印象です。就活における本音を書いている人もいれば、就活関係なしにありのままの本音を書いている人もいますし、その深さもさまざまなので、本音を書くにしてもいろいろな書き方があるんだなと感じています。
一方で難しいなと思っているのが、私たち企業側の本音をどのように見せていくのかということです。irootsにも企業情報を入力する箇所はありますが、私たち側の本音がどこまで伝わっているのかなと感じる部分はありますし、企業側はもっと本音を伝えていく必要があると思っています。学生はあそこまでプライベート情報を書いてくれているのに、企業側があまり情報を開示しないのはフラットではないですからね。
“就職”だけでなく“経験”ができるスカウトが届くようになってほしい
- 採用において今後変えていきたいことや取り組んでいきたいことはありますか。
- 今の就活は学生が試されすぎていると感じるので、そこは変えていきたいですね。「本当に色々やってきましたか?」「ちゃんと成果が出せますか?」という採用を行なっていると、面白い人を取り逃がしてしまう可能性があるので。もっと”trust me”の世界になればいいなと思います。
そういう意味で、irootsのプロフィールを事前に読んでおくと今までやってきたことがよくわかるので、とてもありがたいです。逆に学生は企業側がちゃんとプロフィールを読んでいるかどうか確認しておく、ということを行えばお互いにもっとフラットな採用活動ができるのではないかと思います。 - 今後irootsにご期待いただいていることを教えていただけますか。
- 就活の場だけではなく、未知の扉を開く場所になればいいなと思います。「こんな企業からスカウトが来た!」というのは、就職への扉だけではなく知らない世界の扉が開くことになるので、「うちに就職してください」だけではなく、「こういう経験してみませんか?」というスカウトがもっと学生に届く。更には大学の研究室やN P Oや政府機関などからも経験の機会が届く。そんなプラットフォームになることを期待しています。