株式会社千趣会の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

大阪に本社を置く大手通信販売会社で、ベルメゾンブランドを中心に、自社企画のユニークで高クオリティな商品を展開。EC通販サイト、カタログ、店舗など多角的な販売スタイルと、それを生み出すマーケティング力が強みの、EC・通販業界の千趣会に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 年間平均成長率6.6％ 。6兆9,400億円の市場規模も課題を抱える通販業界
• 女性のライフステージに寄り添い、独自のビジネスモデルを展開する千趣会
• カタログ通販の老舗が試みる、思い切った構造改革とは？
• 千趣会の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

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公益社団法人日本通信販売協会（ＪＡＤＭＡ）が調査・発表した、2016年度の通信販売市場の売上高は、前年比6.6％増の6兆9,400億円。金額ベースでは前年比4,300億円の増加に。マイナス成長となった1998年度以来、18年連続して増加傾向が続いており、直近10年の平均成長率は6.6％となっています。

百貨店業界の約6兆円を超える売上規模となった通信販売市場。この成長の背景には、アパレル通販やBtoB通販が堅調に推移していることや、プラットフォーム系を含む通販支援サービスの充実などが挙げられています。

2016年度通信販売売上高

(出典： 公益社団法人 日本通信販売協会【JADMA（ジャドマ）】 )

一方、変化の激しい昨今の状況は、通販業界にとっても課題は多いと語る日本通信販売協会会長。例えば、高齢化社会を迎え、高齢者がトラブルに巻き込まれないための施策や、越境ECや海外進出支援をどのように行うかなど、同業界としても取り組むべき事柄がたくさんあります。

さらに、2020年東京オリンピックを控え、クレジットカードの不正利用防止に向けた法改正など、個人のカード情報非保持化にも取り組んでいるそう。

また、都や県などと一体となり、通販の基礎知識の普及活動や通販支援セミナーの開催、他にも、社会問題化している宅配問題についても、合理化や策などを物流会社、消費者と共に考え、より良い方策を模索する状況となっています。
アマゾンや楽天、衣料品で「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイなどが台頭するEC業界で、ともに健闘を続けているのが千趣会です。 「女性を幸せにする会社」「女性に笑顔を届ける会社」。これが、千趣会のビジョンでありテーマとなっています。

千趣会の創業は、働く女性の生活に潤いと笑顔を届けた「こけしの頒布」が原点。それから60年以上たった今も、一貫して女性に喜ばれる商品・サービスを開発し提供し続けています。生活に寄り添い、女性にとって身近な存在だと感じてもらうことを大切にしてきた結果、お客様の92%が女性という独自のビジネスモデルを築き上げ、親子2代、3代にわたるファンを抱えているのも同社の特長です。

さらに、千趣会の強みとして挙げられるのが「分析力」「商品開発・企画力」「品質力」。そして、EC通販サイト、カタログ、店舗など多角的な販売スタイルをさせる「販売力」「物流・サービス力」。中でも千趣会は、通販事業「ベルメゾン」において、ビッグデータが注目される前から、大規模なデータを使ったマーケティング分析に力を入れています。

2013年には、ビッグデータ分析プラットフォームを取り入れ、WEBログも合わせたビッグデータを活用したデータマイニングによる高精度な分析・予測を開始。特に重視しているのは、さまざまなデータを組み合わせて、お客様の行動を分析し予測すること。お客様の顔が見えない通信販売だからこそ、データ分析による行動実態が重要になってきます。

多様化する女性の生活スタイルの動向を分析・検討したうえで、女性たちの意識の変化や新しい価値観の芽生えをとらえ、未来の方向性を予測する。 カタログ通販やECによるデータを駆使することで、対面販売以上のきめ細かな対応を可能とする、EC業界でも独自の試みとして期待が寄せられていることでしょう。

また、千趣会の競合他社としては、スタートトゥデイ、アマゾンジャパン、ヨドバシカメラ、ファーストリテイリングが挙げられます。
近年は様々な事業者がECビジネスに進出し、通販業界は今までの枠を超えて拡大し競争は激化。また、ECのユーザー端末もPCからスマートフォンへと、よりパーソナルなものへとシフトしています。千趣会は、このような環境下で、事業そのものを時代に合った形へと改革していく方針を固めています。

キーワードは「脱カタログ、脱総合」。そして、同社の得意分野に事業領域を絞り込んでいく戦略へと大きく舵を切りました。具体的には、カタログからECへと軸足を完全にシフトし、カタログはシニア層向けやECサイトにお客さまを呼び込むツールとしての位置付けに。

また、オリジナル商品を総合的に揃えるのではなく、同社が優位性を発揮できるオリジナル商品をしぼって投入し、それ以外の分野では仕入商品を活用していきます。 こうした中長期的な施策とともに、即効性のあるコスト改革にも積極的に取り組むことで改革を推進し、「新生・千趣会」の基盤をつくっていくという計画。

その他にもブライダル事業をはじめ、新規の保育園事業などでは、女性のライフステージでも重要な妊娠・出産・育児に焦点を当て、しっかりと寄り添い支えられる存在であり続けられるよう、千趣会が持つリソースを最大限に活用し、取り組んでいくとのこと。企業ビジョンである「ウーマン スマイル カンパニー」として、これからも女性の毎日に笑顔を届けていく取り組みが期待されます。
(出典： 千趣会トップメッセージ成長戦略 )

EC・通販業界の千趣会に関して戦略・強み・弱み・競合他社情報について就職活動の観点から企業研究しました。千趣会は、大阪に本社を置く大手�