東京建物株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社情報│企業研究記事

東京建物株式会社を就職活動の観点から企業研究

1896年、旧安田財閥の創始者である安田善次郎によって設立された、日本で最も歴史のある総合不動産会社。近代的不動産業の草分けとして、創業以来さまざまな先駆的な取り組みにチャレンジしています。120年以上にわたり積み上げてきた信頼とノウハウに加え、ビル事業・住宅事業に強みがあることで有名な不動産業界の東京建物株式会社に関して、戦略・強み・弱み・競合他社について就職活動の観点から企業研究しました。

下記４つのトピックに分けてご紹介します。

◆ TOPIC
• 不動産業界におけるデベロッパーの役割とは？
• ビル事業と住宅事業に強みを持つ、日本で最も歴史のある不動産デベロッパー
• 総合不動産デベロッパーとして、「次も選ばれる」企業グループに
• 東京建物株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

不動産業界におけるデベロッパーの役割とは？

不動産業界や建設業界に興味がある人は、「ゼネコン」や「デベロッパー」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。よく聞く言葉ですが、その違いがよく分からないという人もいるのでは？今回はデベロッパー（developer＝開発者）について解説します。

不動産のデベロッパーは、宅地開発や新築マンション開発、都市開発、都市の再開発、リゾート開発などを手がける不動産会社を指し、これらの事業の主体となって、企画・開発をメインに行います。

日本の不動産業界の市場規模は約40兆円で、それを構成するデベロッパーにはさまざまな会社があり、そのほとんどが中堅、中小規模の企業。

一方、大手は住友不動産 、東急不動産 、 三井不動産 、三菱地所 など、聞いたことがある社名が並びます。これら大手の会社はいずれも、オフィスビルやマンション、宅地開発、都市開発など幅広い事業を展開しています。

■不動産業のプレーヤー構造

出典： みずほ銀行

例えば新築マンションを開発する場合ですが、まずデベロッパーが建築用地を確保し、どんな建物を建てるのか、大規模な土地の場合はどんな街開発をするのかを検討。そして、その企画の建築の発注をゼネコンにするのです。

この場合はデベロッパーが発注者、ゼネコンが下請け業者ですが、大規模なプロジェクトであれば、デベロッパーとゼネコンが共同事業者として企画・開発を進めることもあるなど、ゼネコンとデベロッパーは、常にパートナーの関係にあると言えるでしょう。

ビル事業と住宅事業に強みを持つ、日本で最も歴史のある不動産デベロッパー

今回は不動産業界のなかでも日本最古の不動産会社である、東京建物を紹介していきます。

みずほ銀行や損保ジャパン日本興亜と同じく、旧安田財閥の創始者である安田善次郎が1896年に設立した総合不動産会社である東京建物。安田善次郎が大切にしていた「お客様第一の精神」と「進取の精神」の想いを受け継ぎ、創業以来、近代的不動産業の草分けとして、様々な先駆的な取り組みにチャレンジし続けています。

主な事業は、「ビル事業」と「住宅事業」で、さらにその他の事業として、「シニア事業」や「リゾート事業」、「保育事業」や「海外事業」といった東京建物グループの強みや独自性が発揮でき、今後の市場拡大が見込める事業にも取り組んでいます。

■営業収益・営業利益　事業別構成（2018年12月期）

出典： 東京建物

さらに、ビル・住宅などの開発・販売から入居後の管理、その他様々な分野にわたり、法人・個人の様々なニーズに対応した商品・サービスを提供。

不動産に関するあらゆる事業を展開している強みを活かした事業機会の獲得や、環境への取り組み・社会変化への対応にも力を入れています。

出典： 東京建物

総合不動産デベロッパーとして、「次も選ばれる」企業グループに

東京建物は『東京』にフォーカスしたエリア戦略を取っています。なぜなら、都心部に立地しているオフィスビルは競争力が高く、分譲マンションも都心部あるいは利便性の高い立地にある物件の人気が高いため。

オフィスビルや分譲マンションの開発に際しては、東京を重点エリアとして取り組んでいます。

そんな東京建物では、「次も選ばれる東京建物グループへ」というスローガンを掲げ、持続的な成長に向けた収益力の強化を進めるため、「戦略的な投資」「ソフト・サービスの強化」「グループシナジーの発揮」を3つの重点戦略として取り組んでいます。

未来に目を向けた総合不動産デベロッパーとしての多彩なチャレンジの1つが「東京駅前八重洲一丁目東地区再開発」。

東京建物本社ビルがある東京駅前八重洲エリアは国際都市東京の陸の玄関口で、東京駅周辺は「アジアヘッドクォーター特区」として、アジア地域の業務統括拠点や研究開発拠点の集積を目指し、特区内への外国企業を誘致するプロジェクトが推進されています。

また、東京建物という社名ですが、開発は東京だけでなく、全国各地、また世界でも数多くの開発を手がけています。

そのひとつが福岡県福岡市早良区において、既存建物である商業施設を減築・改修し、高層住宅を増築する複合開発「西新リボーンプロジェクト」。

地域の新しいシンボルとなるこだわり抜いた開発を行うなど、自由な発想で新たな挑戦をし続けています。

東京建物株式会社の戦略・強み・弱み・競合他社のまとめ

不動産業界の東京建物株式会社は、1896年、旧安田財閥の創始者である安田善次郎によって設立された、日本で最も歴史のある総合不動産会社。