三菱商事の企業研究（事業・成長戦略）

今回ご紹介するのは、5大商社の中でも資源分野はもちろん、ローソンなどの事業で非資源分野にも強みを持つ「三菱商事」です。

◆ TOPIC
• 資源安の影響で業界順位が大きく変化。次の一手は？
• 資源・非資源の両輪のバランスがこれまでの強み
• 非資源分野への投資強化と「事業経営」が成長の鍵！

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総合商社のなかでも、資源・非資源系共に強みを持ち、2014年まで実に15年間も純利益トップを保ってきた三菱商事。しかし、2015年は三菱商事だけでなく、総合商社業界にとって厳しい年となりました。

資源価格の下落に苛まれ、特にチリ銅鉱山事業での損失が大きかった三菱商事と三井物産は大きな打撃を受けることに。それと同時に、2015年については繊維・アパレル系に強みを持つ伊藤忠商事が業界首位にはじめて躍り出るという業界にとって大きな変化をもたらしました。

この変化を受けて、今後の事業投資の選択が各社大きく異なるという点が、総合商社業界においてもっとも注目すべき動きと言えます。三菱商事は非資源系への投資を加速させる一方で、三井物産は強みとする鉄鉱石や油・ガスへ、伊藤忠は中国企業への巨額投資、丸紅は海外発電事業、住友商事はメディア事業と、全くカラーの異なる戦略を取っているのです。

どの企業も経営基盤は非常に安定しているものの、戦略は大きく異なります。幅広い事業を手掛ける総合商社各社ではありますが、注力分野を中心に今後の変化に注目が必要です。
次に三菱商事の経営状況を見ていきましょう。総合商社の中でも資源・非資源両輪の事業をバランス良く保持しているのが大きな特徴の1つで、大きな市場変化があった昨今でも経営基盤の強さの裏付けとなっています。

まず、直近では価格下落の打撃を受けていますが、エネルギー分野や、金属分野は同社の資産合計の中でも大きな割合を占める基幹分野です。今後は、新興国の需要が伸びることなどから中長期的には回復傾向にあり、市場の不透明性はありつつもまだまだ強みを発揮できる分野と考えられています。

一方の非資源分野では、生活産業グループが投資するローソン、三菱食品、東洋冷蔵などリテール事業や食品系流通事業などが国内外問わず数多くあるほか、直近では地球環境・インフラ事業グループ、不動産やリースを手掛ける新産業金融事業グループが堅調です。

これまで資源・非資源の事業それぞれを、他社と比べて、比較的バランス良く保持していた三菱商事ですが、昨今の資源安の状況を受けて、今後�

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