ルワンダのエネルギー不足を「ゴミ」で解決するスタートアップ
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はじめに
「これからの時代、アフリカ市場が熱い!」なんて言葉をどこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?その一方で、普段日本からはなかなか接点のないアフリカ大陸。具体的に何がどう熱いのか?あまりピンとこないかもしれません。
そこで今回の記事では、これからのアフリカで期待される産業や企業について紹介していきたいと思っています。
第一弾はルワンダ共和国で注目されるスタートアップ企業「Habona Ltd.」についてご紹介します!
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そもそもルワンダってどんな国?
3か月の間に80万人にも及ぶ犠牲者を出し、多くの難民が発生した世界的な惨事から約20年。海外投資家向けの国債を発行して資金調達を行うなどの取り組みを元手に、現在はIT立国に成功し、アフリカ大陸の中でもビジネス環境が整った国として注目を集めるまでに復興しました。
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手掛けるバイオ燃料の原料は、なんと「ゴミ」!
Habona Ltd.は、ルワンダの抱える深刻なエネルギー不足の問題を解決するべく、バイオ燃料の生産を中心に事業展開するスタートアップ企業です。具体的には、家庭での料理や照明に使用できるバイオガスやバイオマスブリケット(豆炭)、農家向けのバイオ肥料を開発・生産・供給するほか、廃棄物管理やエネルギー問題に関するコンサル業務などを手がけています。
Habona Ltd.が国内外から注目される理由の1つは、バイオ燃料や肥料の原料にあります。彼らは、日常的に排出される「ゴミ」を原料に活用しているのです。同社が拠点を置く、南部州・ニャマガベの主要な街であるガサレンダとガサカだけでも年間1500トン以上のゴミが排出されるほか、近隣にあるキガメ難民キャンプからも500トンにも及ぶゴミが排出されているのだそう。しかし、この大量のゴミの実に70%がバイオ燃料や肥料に変えることのできる有機物なのです。
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木材を燃料に料理をする生活環境から、オバマ前大統領やザッカーバーグに会うまでの起業家に
研究を重ね、農場や家庭から排出されるゴミからバイオブリケットを開発。当初は無料でコミュニティに配布をしていたそうですが、その成果と労力を考えると、ビジネスとしてより事業を拡大していくことが必要だという結論に至りました。そして結果として、エネルギー不足の解決、大量のゴミの有効活用に加え、地域に雇用も生み出したこの事業は、多くの場所で評価されています。
ルワンダ国内で2014年にはTop Young Innovator、2015年にはRwanda Young Achiever of the Yearを受賞。2016年には米国・スタンフォード大学で開催されたGlobal Entrepreneurship Summitのパネリストとして招聘され、オバマ前大統領やFacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグたちと議論を交わしました。その活躍は目覚ましく、アフリカの若きリーダーとして注目を集めています。
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アフリカの持つエネルギー問題はサスティナブルなビジネスチャンスになる
2014年時点でのルワンダの電力普及率は22%。1人あたりの電力消費量は212か国中、205位と非常に低い水準にあることがうかがえます。一方で電力需要は近年ますます増しており、大規模なインフラ整備のプロジェクトも動いているところです。
しかし、こうした公的な動きに頼るだけでなく、地域に生まれる大量のゴミを有効活用したり、地域住民に働く場を作るというサスティナブルな手法でエネルギー問題も解決に寄与することで、新しいビジネスチャンスを生み出しています。そして、Habona Ltd.の手掛ける事業は、他のアフリカ諸国にとっても非常に大きな影響を持っている内容であることが想像できます。
アフリカ開発銀行のデータによれば、アフリカ大陸全体で見ると電力普及率は42%となっているものの、この数字は北アフリカのアラブ諸国や南アフリカ共和国に牽引されているもの。実際にはサハラ砂漠以南の多くの国、とりわけ地方での電力普及率は10%を切ると言われています。
こうした環境下で大きなインフラ普及を待つだけでなく、さまざまな問題を同時に解決できる可能性があるHabona Ltd.のような事業は、大きな期待を受けていることは間違いないでしょう。
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アフリカのエネルギー問題解決には、現地の「実情」に合わせた問題解決方法が必要!
今回ご紹介したHabona Ltd.のケースのように、事業が求められている背景にある社会的な問題、ニーズ、その国や地域の人の目線でのアイデアなどがとても重要なのです。
日本の企業も、このようなアフリカのエネルギー事情を背景にユニークな事業を展開しています。2013年に創業された株式会社Digital Gridは太陽光発電による電力の量り売りサービス「WASSHA」をタンザニアにて展開。エンドユーザーは地域の日用雑貨店・キオスクで電力を購入可能で、キオスクのオーナーはスマホの専用アプリから、モバイルマネーを利用して販売する電力をチャージできるという新しい技術を取り入れた画期的な仕組みです。
タンザニアをはじめとする東アフリカでは銀行口座を持たない人が多いこともあり、携帯電話を利用したモバイルマネーを使用することが一般化しており、これも現地事情を上手に活用した例の1つと言えます。このように「アフリカだからこそ必要な解決方法」、「アフリカだからできるビジネスモデル」が、注目の企業からは垣間見られるのが、非常に興味深いポイントですね!
日本とは全く異なる背景を抱えるアフリカでのビジネス。今後もまた、注目の企業を紹介できたらと思います。では、またお会いしましょう!
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