いすゞ自動車の企業研究

今回ご紹介するのは、創業以来、日本と世界のディーゼルエンジン業界をリード。小型トラック国内シェアナンバーワン、世界でも20ヵ国以上のトップシェアを誇るトラック・バスの自動車メーカーで有名ないすゞ自動車。

この記事を読んでいる方の中には、いすゞ自動車株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか 」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、いすゞ自動車の経営理念や同じ自動車業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通して「数ある自動車会社の中で、なぜいすゞ自動車なのか」という質問への対策を考えましょう。

まずは、いすゞ自動車について深く知るためにいすゞ自動車の経営理念を確認しましょう。
そこからいすゞ自動車が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

いすゞ自動車の経営理念は以下のとおり。
「『運ぶ』を支え、信頼されるパートナーとして、
　豊かな暮らし創りに貢献します。」
（出典： ISUZU：企業理念・行動指針 ）

また、いすゞ自動車の社員の行動指針として以下のようなものがあります。
「私たちは、信頼をすべての基本とし、自ら考え、行動し続けます。」
商品：真のニーズを追求し、魅力ある商品・サービスの創造
自己：約束を守り、誠実で、迅速な対応
組織：世界の仲間とチームワークで達成
（出典： ISUZU：企業理念・行動指針 ）

このように、いすゞ自動車は、ディーゼルエンジンのプロフェッショナルとして優れた商用車を提供するだけでなく、顧客の目線に立ったアフターサービス等ソフトの面も充実させることで、顧客からの更なる信頼を得て、良きパートナーとなり共に発展すること、そして社会や環境との調和を大切にし、豊かな未来の創造に貢献することを目指しています。

ですから、経営理念に共感した上でみなさんがアピールすべきことは、以下の3点です。
・信頼の大切さを実感した実体験や信頼を獲得したことで結果を変えることができた経験
・相手の視点に立ち真のニーズを追求したことにより高い成果を残すことができた経験
・自分の考えや行動によってチームとしての成果を最大化することができた経験、またはそのために常に行う工夫


次に、自動車業界の中でいすゞ自動車と競合会社とを比較してみましょう。
いすゞ自動車の事業内容ですが、いすゞ自動車は自動車の中でも特に「トラック・バス」、そして自動車用のディーゼルエンジンの製造を行っている自動車メーカーです。私たちが普段乗るような普通車は製造していないため馴染みは薄いかもしれませんが、街中を走っているトラックについている「ISUZU」のロゴは見たことがある人も多いのではないでしょうか。また、グローバル展開も進んでいて、アジアの様々な国に進出しているということも特徴です。

今回このような事業を展開するいすゞ自動車とは、おなじトラックメーカーであり売上高も近い日野自動車を比較したいと思います。

まず事業内容を比較してみると、トラック・バス・ディーゼルエンジンとほぼ同じ事業を展開する両社であることがわかります。日野自動車はこれらに加えて、トヨタのグループ会社として、トヨタからの受託生産も行っています。
続いて財務状況について見てみましょう。

平成28年3月期の売上高は、いすゞ自動車が連結1兆9,269億6,700万円であるのに対し、日野自動車は連結1兆7,455億4,000万円となっており、いすゞ自動車が上回る結果に。
一方で営業利益は、いすゞ自動車が連結1,716億円のところ、日野自動車は連結982億8,700万円と、いすゞ自動車がほぼ倍の利益を稼ぎ出しています。
当期のいすゞ自動車は、車種構成が変化したことで車両の売上高増になったことや、保有事業の売上が順調に推移した結果、前連結会計年度と比較して2.5%増になりました。注目すべきはその内訳で、国内が6,931億円に対し海外は1兆2,338億円と、海外での貢献度が際立っていることが分かります。
また、日野自動車の当期実績では増収だったものの、6.9％の減益となった原因について、研究開発費の増加を要因として挙げています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
トラックメーカーとして競合の立場にある、いすゞ自動車と日野自動車ですが、実はバスの分野においては長年に渡って提携関係にあり、ジェイ・バスという合弁子会社を設立しています。
そのジェイ・バスが開発・製造する大型観光バス「ガーラ」は、いすゞ自動車より販売されていますが、基本設計は日野自動車が担当しており、トヨタグループのテイストが印象的な車となっているようです。最近は日本の観光バスで初めてエアバックが搭載されていることでも注目を集めています。
さらに、いすゞ自動車と日野自動車の協力関係は進行形にあり、今度は自動運転技術を共同で開発することを発表しました。

トラック運転手の人手不足が深刻化する中、いずれ不可欠な機能となることが予測される「高度道路交通システム（ITS）」は、ドイツのダイムラーなども注力しているとか。海外勢より先行して導入するために、国内2社で開発に取り組むということで、今後のいすゞ・日野の共同開発に期待がかかっています。

また、いすゞ自動車の競合他社としては、トヨタ自動車、本田技研工業、三菱自動車工業、ダイハツ工業、スズキ、日産、日野自動車が挙げられます。

ここまでいすゞ自動車についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選