魅力を説明するのではなく、とにかく”リアル”を経験してもらう|ソフトバンク×三井化学×ユニリーバが語るインターン成功の法則

魅力を説明するのではなく、とにかく”リアル”を経験してもらう|ソフトバンク×三井化学×ユニリーバが語るインターン成功の法則

 新卒採用の早期化に伴い、サマーインターンを開催する企業が年々増えていく中、採用担当者はどのようなインターンを企画すれば、自社が採用したい学生にアプローチできるのか。
 今回、ソフトバンク、三井化学、ユニリーバでインターンの企画・運営を担当されている3名をお招きし、「サマーインターン成功の法則」をテーマにしたディスカッションを開催しました。

※本コンテンツは、2020年2月に開催されたiroots人事ミートアップの内容から構成されたものです。

Speakers:
ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 課長代行 渡邊祐紀氏
株式会社三井化学 人事部人材グループ チームリーダー 櫨山義裕氏
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 ヒューマンリソース HRスペシャリスト 秋山真梨奈氏

Moderator:
エン・ジャパン株式会社 新卒iroots事業部 山崎壮太

記事の目次

  1. 1.「ソフトバンク」という社名で魅力づけはしない
  2. 2.同業他社と比較して迷う学生ほど、入社後に後悔しやすい
  3. 3.採用情報は全社でシェアする
  4. 4.​​​​​​​サマーインターン成功の法則まとめ

iroots 山崎:今回はソフトバンクさん、三井化学さん、ユニリーバさんからインターンの取り組みについてお伺いし、本イベントのテーマである「サマーインターン成功の法則」について考えていきたいと思います。ディスカッションに入る前に、まずどのようなインターンを実施されているのか教えていただけますか。

ソフトバンク 渡邊:いくつかの種類に分けてインターンを開催していますが、どのインターンにも共通しているのは”実践にこだわる”というところです。1dayでワークショップ型のインターンを実施するという方法もあると思いますが、我々は少し大変な思いをしても、”会社のリアルな姿を伝える”ということを根幹の思いとして持っています。

例えば「就活インターン」という完全就労型のインターンでは、参加学生を営業やエンジニアなど様々な部署に配属し、短くて2週間、長ければ1ヶ月、社員と机を並べて、全く同じ環境の中で働いてもらいます。

また、「TURE-TECH」という地方創生をテーマにしたインターンでは、名前の通り、地方に学生を連れて行き、その地域が実際に抱えている課題の解決に取り組んでもらいます。1週間のインターン期間の中で、仮説検証や現地でのインタビューなどを行い、最後は市長にプレゼンを行います。中には学生が提案したアイデアが採択され、予算がついた事例もあります。

 

(左から)ソフトバンク渡邊氏、三井化学櫨山氏、ユニリーバ・ジャパン秋山氏

三井化学 櫨山:弊社は化学メーカーという特性上、理系職種と文系職種で学生からの認知度が全く異なるため、部門によってインターンの内容を変えています。特に「三井化学」という企業名からは想像しにくい文系職種については、まず認知を取りにいくということを目指しています。

そのため、夏の1dayインターンでは「化学メーカーの文系職ってこんなことをやっているんですよ」ということを伝え、その中で関心を持ってくれた学生に5daysインターンを案内しています。5daysのインターンでは、現場の社員が実際に使っている資料やデータを学生に渡し、社員に質問しながら営業の戦略立案に取り組んでもらいます。

このサマーインターンでは、化学メーカーを見ていない学生をターゲットにしているので、「絶対にうちに入らないだろうな」という学生も積極的に呼んで、インターンの場自体を面白くするということを念頭に置いています。

 

ユニリーバ 秋山:弊社ではマーケティング、営業、サプライチェーンの3つの職種別に通年採用を行なっていますが、職種によって応募数にかなり偏りがあることが課題でした。
その偏りをなくすため、昨年5月に”ユニリーバday”というイベントを開催し、様々な社員との交流を通じて、各職種への理解を深めてもらう機会を設けました。

その他の取り組みとしては、本社のロンドンで開催するビジネスコンテストや、早期のファンづくりを意識した高校生向けのインターンも行なっています。すべてが採用目的というわけではなく、学生が働くことについて考える機会を持つという意味合いで開催しています。

iroots 山崎:ありがとうございます。今回参加者の皆様へ事前にアンケートをとったところ、「インターンの企画・運営方法について知りたい」というお声を多くいただきました。先ほどお話いただいたインターンが生まれた背景と、運営の中で心がけている点についてお教えいただけますか。

 

「ソフトバンク」という社名で魅力づけはしない

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 課長代行 渡邊祐紀氏
2012年に新卒入社。法人向け営業職、エンジニア組織HRBP職を経て2019年より採用部門へ。現在は新卒採用(主にエンジニア志望学生)、地方創生インターンシップの推進等を担当。

ソフトバンク 渡邊:海外では学生がインターンをした上で入社するのが当たり前という文化がある一方、日本では企業で働く経験をしないまま突然就職活動が訪れて、新卒入社をするというのが一般的であることに違和感を感じています。なので、就活インターンや地方創生インターンを通じて“働く経験”を積むことは、たとえソフトバンクに入社しなくても、社会にとっていい影響があるのではないかと思っています。

そういう想いもあり、地方創生のインターンでは、ソフトバンクの魅力づけというのは全く行いません。地方が抱える課題に対して1週間真剣に向き合い、そこでチームで働くことや課題への向き合い方を学んでもらいます。
その中で、「こういうインターンを企画するソフトバンクっていいんじゃないか」と結果的に気づいて入社してくれる学生がいれば嬉しいなと思っています。学生に何を経験してもらうかということが大切なのではないかと思います。

実際に参加学生に事前にアンケートをとっても、ソフトバンクへの就職に興味があると答える学生は多くはありません(会場笑)。
でもインターンを通して結果的に選考を志望する学生はかなり増えるので、良いコンテンツを提供することが大事なんだなと思います。実際にこちら側も無理に学生を口説くということはせず、その学生自身のキャリアを考えるということを大切にしています。

 

同業他社と比較して迷う学生ほど、入社後に後悔しやすい

株式会社三井化学 人事部人材グループ チームリーダー 櫨山義裕氏
2008年新卒で三井化学に入社。工場で生産管理を経験した後、大手エネルギーメーカーとのジョイントベンチャーに出向し、樹脂の営業、開発、マーケティングに従事。2017年より人事部で新卒採用担当、現在は採用チームリーダーとして新卒、中途領域を担当。

三井化学 櫨山:弊社もソフトバンクさんと同じように、インターンの中で自社の紹介は5%程度しか行わず、残りの95%の時間をすべてワークに使っています。
そのためか、インターンから選考に進んだ学生の中には、選考を希望したメーカーは弊社だけで、あとは全く違う業界を受けているという人も結構多いです。
そして今までの経験上、一般的な就活の軸ではなく、他人から見ると理解できないようなオリジナルな軸で本当に悩み抜いて入社してくれた人の方が、定着・活躍する可能性が高いです。逆に同業他社と迷った人は、最終的に福利厚生や人の雰囲気など、”なんとなく”で決めてしまうことが多いため、結果的に「あっちに行っておけば良かった」という後悔をしやすい気がします。

 

採用情報は全社でシェアする

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 ヒューマンリソース HRスペシャリスト 秋山真梨奈氏
新卒では、日本オラクル株式会社に営業職として入社。その後、ユニリーバに新卒採用に人事として入社。採用戦略の策定、告知を始め、ユニリーバの魅力を学生に伝えながらインターンの企画・運営や、新入社員のトレーニング、育成プログラムまでを担当。

ユニリーバ 秋山:先ほどもお話しした通り、職種別採用を行うとどうしても応募数に偏りがでてきてしまうので、イベントを通じて他の職種の魅力に気づいてもらえるような工夫を行なっています。
例えば、イベントに参加する社員の名札には、名前だけでなく、その人の職種や扱っているブランド名も記載してもらって、学生が自分から話したい社員を探せるようにしています。合同説明会で人事が話しても、学生は「まぁ人事が言ってることだから、当然いいことしか言わないよね」と思ってしまうこともあるので、社員と積極的にコミュニケーションをとってもらい、実際にユニリーバで働くイメージを持ってもらうということを大切にしています。
それを実現するためには他の部署の協力が不可欠なのですが、新卒採用の担当は私一人しかいないということもあり、他の部門を巻き込んでいくことに苦労することも多いですが…(笑)。

 

―(参加者からの質問)他の部署の方を巻き込んでいくためにどんな工夫をされていますか?

 

ユニリーバ 秋山各部門に対して、採用に関する情報や数字をとにかくシェアするようにしています。各部門の採用戦略や選考の歩留まり、内定者の数などを随時共有し、採用は人事だけで行うのでなく、会社一丸となって行うものだというメッセージを発信し続けることが大切です。

あとは基本的なことですが、協力してくれた社員には結果とお礼をきちんと伝えることですね。「前回ご協力いただいたイベントの結果、何人が選考に進みました!」という結果や、「学生がアンケートにこんな感想を書いてくれていました!」などの情報を伝え、採用に貢献できているという実感を持ってもらうことが大切ですね。

 

ソフトバンク 渡邊:インターンで受け入れた学生が、数年後その部署のエースになる…というサイクルを数年間続けられると、社内にインターンがたくさんいることが当たり前の文化になってきます。

 

三井化学 櫨山:うちは手を上げてくれた社員にだけ協力してもらっていますが、最近では若手社員に協力希望を聞くと、8割ぐらいは手を上げてくれますね。毎年協力してもらっていると、社員との交流がきっかけで入社した人が増えてくるんですよね。そういう経緯で入社した人は、自分も採用に関わりたいと積極的に手を上げてくれることが多いです。続けることが大切ですね。

 

​​​​​​​サマーインターン成功の法則まとめ

1、会社の魅力づけではなく、実践的な経験を積んでもらうことでリアルを伝える。

2、自社・業界を志望する学生だけでなく、企業側が面白いと思う学生に参加してもらう。

3、多くの現場社員を巻き込む。その為に日々、採用業務を全社に広報し続ける。



 

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