採用活動の早期化や通年採用の拡大により、新卒採用は今後ますます長期化することが予想される。その中で、人事は学生とどのようにコミュニケーションをとり、自社の魅力づけを行うべきか?コロプラとJTで新卒採用に携わられている山村氏と久保田氏をお招きし、「採用長期化時代における学生とのコミュニケーションのあり方」をテーマに、パネルディスカッションを行った。

※本レポートは2019年11月13日に開催されたiroots人事ミートアップに基づいて構成されたコンテンツです。
 
 

株式会社コロプラ HR本部 次世代部採用グループ 山村壮輝

教育事業会社に新卒で入社し、教育研修プログラムの開発や採用業務にも携わる。
現在は、株式会社コロプラの人事として新卒総合職採用や新卒研修を担当。

日本たばこ産業株式会社 コーポレート 人事部 久保田調

2017年JTに入社。人事部に配属後、報酬制度の見直しや危機管理を担当。
現在は新卒採用担当として、ピンポイントに学生へアプローチするチームに所属。

「まずは知ってもらう」ことが大切

 
 
ーお二人の採用に対するお考えやスタンスについてお聞かせいただけますか。
 
 
コロプラ 山村:目指しているものとしては、入社後しっかり活躍してもらいたいということです。そのためにはまず、ミスマッチをなくすことが大切だと考えています。

私は総合職採用を担当しているのですが、弊社では総合職を将来の幹部候補生として位置づけているため、事業企画やバックオフィスなど、様々な経験を入社後積んでもらいます。

ただ、学生からは「コロプラ=ゲームを作っている会社」というイメージで、総合職が具体的にどんな仕事をしているのか、知っている人はほどんどいません。なので、採用においてミスマッチをなくしていくために、まずは「知ってもらう」というスタンスを大切にしています。

株式会社コロプラ 山村壮輝氏

ゲーム会社がそもそも選択肢に入っていない学生には、「まずは、インターンに参加してもらう」ということを大切にしています。ぶっちゃけて言いますと、我々はインターンにめちゃくちゃお金をかけておりまして(笑)。

ありがたいことに箱根に研修施設なんかもあって、3日間のインターンに参加すると日当がもらえて、温泉に入れて、ミシュラン1つ星のシェフのごはんも食べられますよ、などなど。インターンのプログラムはもちろんですが、学生に興味を持ってもらえるようなインターン環境を整えて、それを魅力の一つとして伝えています。

そもそも、コロプラに興味がない学生にインターンに参加してもらうには、インターンの環境が良く、他にも優秀な学生が集まるというところに興味を持ってもらうことが唯一のチャンスかなと思っています。

そこに興味を持っていただいてから、インターンシップを通じてメンター(社員)の優秀さや、仕事内容の面白さを伝えることで、「ゲーム会社や総合職は結構面白いんだな」と振り向いてもらうことが大切だと思っています。
 
 
JT 久保田:この間会った学生がコロプラのインターンはめちゃ良かったと言っていました。何か良かったかというと、普段会えない人に会えて楽しかった、メンターもそうだし、学生もそうだと言っていましたね。
 
 
ーそもそもこのインターンを始めたのはいつごろだったのですか?
 
 
コロプラ 山村:2年前のインターンシップからですね。ちょうど箱根の研修施設ができたときにそういう手法に変わりました。
 
 
iroots 山崎:何をきっかけにそういう手法に変えたのですか?
 
 
コロプラ 山村:競合が増えてきたことが大きいですね。「他社が日当をだすならうちも出そう」というくらいのスタンスです。ここまでやっていても、来る学生はやっぱり優秀だなというのはあるので、無駄ではないかなという感じです。
 
 

採用は”仲間探し”

 
 

日本たばこ産業株式会社 久保田調氏

JT 久保田:私たちが大切にしているスタンスは、ちょっとくさいですけど、「仲間探し」のような感覚です。採用活動も、面接やテストに受かる、受からないではなく、お互いの共通点を一緒に探していく営みだと考えています。
 
 
ー学生への具体的なアプローチは?
 
 
JT 久保田:まず1つは体制の話なのですが、少人数の独立部隊を作っています。素敵な学生って、いろんなところに生息していると思うんですよね。だから、そういう学生にすぐに会いにいけるように、小回りの利く遊軍がいたらいいよねという思想で。

あとは、杓子定規に募集して選考するのは味気ないなという想いから、出会い方からときめけるような企画ってなんだろうと考えたりしています。

例えば極端な例ですが、ビンの中に手紙を詰めて海に流して、それを拾ってくれた人って素敵じゃないですか?そんな出逢い方ができればいいなと思って、実際学生にお手紙を書いたり、歌会を開いたり、そういう取り組みを行っています。
 
 

「魅力ある社員しか会わせない」というスタンスはやめた

 
 
ー最初に接点をとったあとはどのように魅力を伝えていらっしゃるのでしょうか?
 
 
コロプラ 山村:ぼくはかなり面談をしています。物理的な接点数が信用を築く上で結構重要なのかなと思っているので、通常な仕事とのバランスを見ながらですけど、できるかぎり学生と会い、ちゃんと話すというのは気をつけていますね。

また、社員と学生を会わせる際に気をつけていることなんですが、魅力付けができる社員としか会わせないというスタンスをやめました。シンボリックな成果を出している社員だけではなく、決して目立つわけではないけれど日々仕事に向き合っている社員にも会ってもらいます。

色々な視点で弊社を知ってもらった上で、学生には自分がどうなりたいかを考えてもらった方が、結果的にはミスマッチが少なくなるのではと思っています。

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ー一般的にはエース社員にきてもらって、がっつり口説いてもらうという手もあると思うのですけど、そこをあえてさらけ出すんですね。
 
 
コロプラ 山村:難しいところなんですが、エース社員がやっていることと同じことが入社後にできると思われると話が変わってくるんですよね。学生からよく「新規事業ってできますか」と質問を受けるのですが、逆にこちらとしては、「できるならやってみてほしい」というスタンスなんです。

なので、うちに入社すればこんなことができますよという事例を見せるために魅力付けする社員と会わせるというのはちょっと違うのかなと思っています。
 
 

学生からも選ばれるように同じ土俵に立ちたい

 
 
ー選考や面接をする過程で、人事部内や社内の誰に協力してもらうのかは悩ましいテーマだと思いますが、JTさんはいかがですか?
 
 
JT 久保田:まさに山村さんがおっしゃったことがすごいなと思っています。私たちも、魅力を伝えるというのは前提だと思うのですけど、お互いに選び選ばれるという立場なわけだから、こちらのいいことばかり言って繕っていないで、学生からも選ばれるように同じ土俵に立ちたいと思っています。

最初の話に戻りますが、私たちは「仲間探し」というスタンスを大切にしているので、学生と弊社の共通点やつながりを見つけていくには、深堀していく作業に尽きると考えています。

だからこそ、面談を非常に大切にしています。評価が相対的に高くない社員も会わせるというところまで実際弊社はできていないですけれども、現実的なところを考えてもらうのはすごく大事だと思っています。

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「挑戦できる社風です」ってどの会社も言っていると思いますが、失敗したときどうなるんだろうっていうところを学生には気にしてほしいというか、そういう問いが生まれるような関係性を築いていきたい。

挑戦したら99%失敗するからこそ挑戦と呼べるような行動のわけで、何度でも失敗させてくれるとか、失敗を失敗としないような会社を選んでほしいなと思うので、そういうところもさらけ出して対話していくということに尽きると思います。
 
 
ミートアップ後の参加者の声:

・学生と向き合いつつ、会社も企業も双方が納得して入社を迎えられるようにしていきます。

・面談の回数、学生に寄り添う採用というのが、非常に大切だと感じました。

・ふるい落とす採用になっていたので、まずは会社全体で採用していくという思いを人事から発信して、意識改革を行なっていきたいです。