良品計画の企業研究

今回ご紹介するのは、衣料品から家庭用品、食品など、約7,000品目を扱うブランド「無印良品」の企画開発・製造・販売で有名な良品計画。
この記事を読んでいる方の中には、良品計画への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、良品計画の経営理念や同じ雑貨業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある雑貨会社の中で、なぜ良品計画なのか？」という質問への対策を考えましょう。

良品計画について深く知るために、まずは良品計画の経営理念を確認しましょう。そこから良品計画が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

良品計画の企業理念は、以下の通り。
『良品価値の探求 Quest Value
「良品」の新たな価値と魅力を生活者の視点で探求し、提供していく。

成長の良循環 Postive Spiral
「良品」の公正で透明な事業活動を通じ、グローバルな成長と発展に挑戦していく。

最良のパートナーシップ Best Partnership
仲間を尊重し、取引先との信頼を深め、「良品」の豊かな世界を拡げていく。』
（出典： 良品計画 企業理念 ）

ここからわかるポイントは、良品の新たな価値と魅力を生活者の視点で探求し、日本国内のみならずグローバル市場で提供していこうという志です。そのため、顧客が求めていることをつかみ評価を得られる場として、「店舗」を主軸に据えています。
良品計画が行動基準として挙げている事項の中でも「カスタマー・レスポンスの徹底」「地球大の発想と行動」「地域コミュニティーと共に栄える」がそれに当たるでしょう。さらに、「誠実で、しかも正直であれ」「全てにコミュニケーションを」の行動基準からは、同社が求めている人物像として挙げられている、「自ら考え行動できる人」「素直な人」「優しい人」につながっていくことが分かります。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・良品計画を通して、世の中に提供したい新しい価値と魅力
・自ら創意工夫しながら、結果を出した経験
・周囲を巻き込み、リーダーシップを発揮しながら、何かを成し遂げた経験


次に、競合他社を見ていきましょう。
インテリア業界の競合で言えば、ニトリ、イケア、大塚家具、 東京インテリア家具などが挙げられます。

また雑貨業界における競合会社で言えば、ヴィレッジヴァンガードが挙げられるでしょう。
ということで今回は、ヴィレッジヴァンガードコーポレーションと比較してみたいと思います。両社の間には、一体どのような違いがあるのでしょうか。

初めに事業内容を見てみましょう。
良品計画は「無印良品」ブランドの企画、製造、販売を主な事業としており、国内は直営店312店舗、商品提供店102店舗に加え、アメリカ、中国、イギリスなど世界でも344店舗を出店しグローバルに市場展開を行っています。
その他にもネットストアをはじめ、Cafe'＆Meal MUSIなどの飲食事業、キャンプ場運営も行っています。さらに卸売事業として、ファミリーマートグループやJR東日本リテールネット運営の無印良品comKIOSK、アスクルへも商品を提供。
同社は事業開始以来、質の高い商品をより安く提供し続け、合理的価格志向にある多くの消費者を引き付けるだけでなく、ファッション性や機能性にも優れた同社のプロダクトは、幅広い生活者から絶大なる支持を受けています。

一方、「遊べる本屋」をコンセプトに書籍やSPICE（雑貨類）、ニューメディアを配置し販売する「ヴィレッジヴァンガード」をはじめ、「new style」「QK」等のチェーン店を展開するヴィレッジヴァンガードコーポレーション。平成28年5月期時点では、直営店517店、FC店11店の合計528店を構えています。選ばれる店舗を目指して店ごとに独創的な演出をし、人々を楽しませる店づくりに取り組んでいます。
「無印良品」、「ヴィレッジヴァンガード」は独自のライフスタイルを提案する姿勢が高く評価されていることが共通していますが、さらに「無印良品」は自社開発の商品で専門店を統一することで同社のコンセプトを明確に表現し、世界中に受け入られる戦略で一歩リードしていることが伺えます。

次に財務状況を見ていきましょう。
平成28年2月期の売上高は、良品計画が連結3,071億9,900万円のところ、ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは連結467億5,800万円（平成28年5月期）となっています。
当期の良品計画は、国内事業の直営店、ネットストアともに好調に推移した他、出店を加速している中国をはじめとした東南アジア地域において営業収益が飛躍的に増加し、前年同期比47.2%増となり、その結果、セグメント利益についても前年同期比104.7%増と圧倒的な強さが伺えます。さらに西南アジア・オセアニア地域事業においても、営業収益は前年同期比42.5％増、セグメント利益は115.4％増となっています。
また、営業利益は、良品計画が連結344億3,900万円のところ、ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは連結2億7,100万円の営業損失を出しています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成26年度の雑貨業界の業界規模は、4,481億円（主要10社の売上高合計）となっています。従来は、女性顧客を中心に成長してきましたが、最近では男性や年配者も加わり、根強い雑貨ブームが続いているため、百貨店や複合施設、大型スーパーなどによる誘致も多く、集客力のあるビジネスとして定着しています。
しかしながら、昨今ではフライングタイガーなど、デザイン性の高さと低価格を売りにした外資系雑貨店が進出するなど、参入障壁が低い業界のため、今後も厳しい競争が続くでしょう。移り変わりしやすいトレンドを相手に、新たな価値を創造し、消費者のニーズに応えられるかがキーワードとなっています。

ここまで良品計画についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フ