新卒入社したゼネラルパートナーズで人事を務めるかたわら、新規事業の立ち上げにも携わっていた田中さん。二足のわらじを履いていた人事一年目は悪戦苦闘の日々だったと振り返ります。そんな人事一年目を振り返り、難しいと感じたこと、ご自身の強みを活かせたこと、そして現在在籍するユーラスエナジーホールディングスへ移ることになったきっかけとその想いについてお話を伺いました。
 
 

株式会社ユーラスエナジーホールディングス 人事総務部 田中将輝

大学卒業後、2016年に新卒でゼネラルパートナーズへ入社。障害者雇用の法人営業を経て、二年目からは新卒採用と新規事業立ち上げを兼任。人事マネージャーとして人員計画や組織体制、評価制度づくりに携わったのち、2020年にユーラスエナジーホールディングスへ入社。現在はグループ二社の新卒採用、人材開発を中心に担当。

新規事業と新卒採用。二足のわらじを履いていた人事一年目

 
―田中さんは2020年に中途でユーラスエナジーにご入社されていますが、そこに至るまでの経緯について教えてください。
 
大学卒業後は、障害者雇用支援をおこなっているゼネラルパートナーズ(以下GP)に新卒で入社しました。

就活時代は企業選びの軸があまり定まっておらず、「無形商材の営業であれば力をつけられるのではないか」という考えから、最終的にはGPと大手コンサルに内定をいただきました。

一度は「数多くいる同期の中で一番になる」という想いで大手コンサルへ内定承諾したのですが、最後にGPの社長と面談した際に、「選考のときは迷っていたみたいだけど、やりたいことが見つかってよかったね」と温かい言葉をかけてもらったことをきっかけに、「社長がいち新人のことをここまで見ている会社は他にない」と思い至り、一転してGPへの入社を決めました。

一年目は障害者雇用に関する法人営業を担当していたのですが、入社半年後に社内の新規事業コンテストで入賞したことをきっかけに、二年目からは新規事業の立ち上げと新卒採用担当の二足のわらじを履くことになりました。

内定者インターン時代から採用に携わっていたので、人事としては階段を登っている感覚があったものの、新規事業の方は飛び級をしているような感じで…。

その両立を含めて、一社目の人事一年目時代は難しかったですね。
 
 

自分の中にないものを無理に作るよりも、人と人をつなぐ仲介人になればいい

 
―人事一年目において特に苦労したことはなんですか。
 
当時のGPは第二創業期を迎えており、これから必要となる人材を誰も言語化できていない中で、社長・副社長と壁打ちしながら具体化していくことがまず大変でした。

その後なんとかエッジの効いたメンバーを採用できたものの、彼らの入社後研修も任されることになり、新卒採用と新規事業立ち上げを走らせながら一ヶ月間の入社後研修をするのはかなり苦しかったです。

ただ、自分で研修をすると、相手のリアクションから「あ、今の話は響いてないな」ということがすぐにわかるので、採用は採用だけで完結するのではなく、入社後の研修や働くところまでがすべてセットなんだと実感することができました。

これが自分にとって大きな気づきとなって、「採用だけで人事をやったとは言えない。自分のキャリアを投じてもっと人事の仕事に踏み込みたい」と思うようになり、三年目以降は新規事業の立ち上げを離れて人事に専念するようになりました。

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―人事一年目でうまくいったと感じることはなんですか。
 
私はもともと「これをやりたい、こうなりたい」というtodoやtobeが弱いタイプなので、GPの顔として最前線に立つことにかなりプレッシャーを感じていましたし、パッションで学生をひっぱってくるタイプでないことも自覚していました。

しかし、そのときに社長や副社長から「全部自分で背負いこまなくてもいいんだよ」と言われたことをきっかけに、自分の中にないものを無理に作るよりも、人と人をつなぐ仲介人になればいいんだと考えをシフトするようになりました。

そこからは意識的に社員とのコミュニケーションを増やし、自分の中の引き出しを増やしたうえで「この人とあの人を会わせると面白い化学反応が起こりそう」と想像しながら場を作れるようになりましたし、これは今でも活きるスキルの一つになりました。
 
 

別の環境に飛び込んで、人事としての基礎OSをインストールしたかった

 
―GPで四年間人事を経験後、2020年にユーラスエナジーへ移られた理由について教えてください。
 
GPでは四年目から人事マネージャーとして人員計画や組織体制、評価制度づくりに携わらせてもらっていたので、若手のうちから信頼して任せてもらえる環境をありがたいと思いつつも、人事としての基礎を知らないまま、ずっと無免許運転をしているような感覚があり…。

自分としてはこれからも人事としてのキャリアを深めていきたいと考えていたので、それであれば別の環境で人事としての基礎OSをインストールした方がいいのではないかと思い至り、ユーラスエナジーホールディングスへ入社しました。

現在は本体であるユーラスエナジーホールディングス、子会社のユーラステクニカルサービス二社の新卒採用や研修を中心とした人材開発業務を担当しています。これまで作られてきた地盤やノウハウがありながらも、両社ともにまだまだ人事施策を作り上げていく余地があるので、前職とは違う形で人事として成長させてもらっています。
 
―前職と比べて、違いを感じることや変化したことはありますか。
 
組織の規模が変わり、前職よりもともに働く人事の数が増えたので、情報共有の難しさを身に染みて感じています。

前職では社長・副社長と直に壁打ちしており、恥ずかしながら稟議という形でオフィシャルな書面を上げたこともなかったので…。そういった部分を含めて組織の中での働き方を学んでいます。

新卒採用に関する動きは大きく変わっていませんが、会社や事業が変われば集まる人もこんなに変わるのかと驚きました。

ユーラスエナジーはクリーンエネルギーを主軸にしている企業ですが、入社当初はこの領域に興味のある学生像がまったくわからなかったので、過去に新卒入社した社員にインタビューをおこなう中で、少しずつ学生像を明確にしていきました。

私自身、入社してからは人事という仕事だけでなく再生エネルギー自体に興味を持つようになったので、業界全体のニュースや動向は積極的にキャッチアップするようになりました。

休みの日にはドライブで自社の風車を見に行ったこともあります。前職で新規事業立ち上げにも取り組んでいたように、事業づくり自体に純粋に興味があるので、そういった観点からも学生に話ができる人事になりたいなと思っています。
 
 

転職後の人事一年目に後悔したことは…

 
―ユーラスエナジーに入社されて三年目を迎えられていますが、転職後の一年目を振り返って「もっとこうしておけばよかった」と思うことはありますか。
 
今のところ、あまり大きな失敗をしてこなかったので、裏を返せばもっと攻めてもよかったのかなと思います。

転職経験がある人は共感いただけると思うのですが、中途だから失敗できない、早く成果を出さなければいけないというプレッシャーを勝手に感じ、きれいにまとめようとしすぎたかなという感覚です。

前職とはまったく違う環境だからこそ、もっと自分らしさを発揮してのびのびとチャレンジすればよかったなと思います。

上司もその様子を察してくれて、二年目以降はミッションのレベルが大きく上がり、周囲の助けを借りながら経営向けの人員計画資料を作るところまでやり切りました。

三年目の今はやれることもやった方がいいことも徐々に見えてきましたが、この状態になるまでに丸二年もかかってしまったというのは少し遅かったのかもしれないと感じていますね。
 
 

新卒採用は現在ではなく、未来を作る。だからこそ、最後まで育て上げる責任を

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―今後のキャリアについてはどのようにお考えですか。
 
労務、勤怠、給与など、まだ未経験の領域を学んでいく中で、まずは人事として一人前になることが目標です。まったく更地の状態でも、一人で人事の骨格を作れるぞという状態になっていきたいですね。

一方で事業サイドにも興味はあるので、人事経験を積む中で事業サイドへの挑戦機会があればそちらに行く可能性もゼロではありませんが、今はあえて決めない方が面白いかなと思っています。
 
―最後に、人事1年目の方に伝えたいことはなんですか。
 
特に新卒採用を担っている皆さんへ。転職経験のある私が言えることではないかもしれませんが、新卒採用は現在ではなく三年後、五年後、十年後を作っていくことなので、採用して終わりではなく、その人がいきいきと働き、活躍できるようになるまで支援していく責任があると考えています。

私も自分が採用に関わったメンバーの入社後研修を担当するために、厚かましくもユーラスエナジーへの入社時期をずらしてもらいましたし、いまだに前職のメンバーと個別で話をしながら彼らを応援しています。

このやり方が正しいかどうかはわかりませんが、そのぐらいの心づもりで採用に携わる方が増えていくといいなと思います。
 
 
 
取材:小笠原寛、文・編集:西村恵